榊原氏:日本の円高進行阻止は困難-米国が介入支持せず

青山学院大学教授の榊原英資元財 務官は、日本の通貨当局による円売り介入が米国の支持を得られない とみられるため、日本は過去最高値に向かう円高の進行阻止に苦慮す るとの見方を示した。

榊原元財務官はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、 「現時点で米政府は日本当局による介入を望んでいない」と指摘、 「米当局は輸出促進のため、弱いドルの長期化をむしろ好んでいる」 と述べた。

榊原氏は円の先行きについて、早ければ9月末に、1995年4月に 付けた戦後最高値の79円75銭を突破する可能性があると予想。円は 今月11日には84円73銭まで上げ、95年7月以来の円高・ドル安水 準に達し、日本政府が輸出業者支援に向けて円高抑制策を講じるとの 観測が広がった。円の対ドル相場は午後2時41分現在、85円30銭で 取引されている。

榊原氏は「米国のサポートなくして、日本政府による市場介入は 効果ない」との見方を示した。

日本政府は、109円前後となり、2000年以来の円安に近づいた04 年3月以降、外国為替市場に介入していない。日本銀行は03年に過去 最大となる20兆4000億円規模の市場介入に続き、04年1-3月(第 1四半期)には14兆8000億円規模の円売り・ドル買いを実施した。 04年末時点での円・ドル相場は102円63銭。

榊原氏はまた、「日本の金融政策はすでに極めて緩和的である ため、一段の緩和が実際に為替相場に与える影響はそれほどない」と 述べ、一層の金融緩和が円高を抑制する可能性は小さいと予想した。

実効為替レート

榊原元財務官は、米国による日本製品の購入減少に伴い、円高が 日本の輸出企業に与える影響を重要視していない。政府のデータによ ると、2009年の対米輸出は39%減少し、1981年以降の最小だった。

「実質ベースで、80円を突破した1995年と比較して円はそれほ ど強くない。現在の実効為替レートが80円だとしても極めて非常に弱 い。95年の80円は、現在の60円または70円に比較できるだろうこ とから、現時点で85円ないしは80円だったとしてもそれほど懸念す ることではない」との考えを示した。

さらに「1995年には日本は危機下にあった。それに比べれば、米 景気が失速しつつあり、国内経済が比較的良好であるという点を考慮 すれば、現状は危機的状況とは呼べないと思う」と指摘した。

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