8月16日の米国マーケットサマリー:円上昇、世界的な景気減速懸念

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.2820 1.2754 ドル/円 85.33 86.20 ユーロ/円 109.38 109.92

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 10,302.01 -1.14 -.0% S&P500種 1,079.38 +.13 +.0% ナスダック総合指数 2,181.87 +8.39 +.4%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .49% -.04 米国債10年物 2.58% -.09 米国債30年物 3.72% -.13

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,226.20 +9.60 +.79% 原油先物 (ドル/バレル) 75.18 -.21 -.28%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、円が主要通貨の大半に対して上 昇。世界的に景気回復が腰折れしつつある兆候が示されたことで、逃 避先としての魅力が高まった。

円は対ドルで前週末まで続落していたが、日本の4-6月期の実 質国内総生産(GDP)が市場予想を下回ったことを受けて、この日 は反発した。ドルは対ユーロで下落。先週の4%上昇は、米経済の成 長見通しに照らし妥当ではないとの見方が広がった。スイス・フラン は主要16通貨すべてに対して上昇した。

バンク・オブ・ノバスコシアの為替ストラテジスト、カミラ・サ ットン氏(トロント在勤)は、「リスク回避の動きが強い」とした上 で、「投資家は、介入リスクの高まりや弱い数字となった日本のGD Pに注目している。円の見通しは下振れ方向だが、フランは依然とし て強い」と指摘した。

ニューヨーク時間午後2時9分現在、円はドルに対して1ドル= 85円33銭と、前週末の86円20銭から1%上昇。対ユーロでは

0.5%高の1ユーロ=109円41銭。ドルはユーロに対して0.5%安 の1ユーロ=1.2822ドル(前週末1.2754ドル)。一時1.2734 ドルと、7月21日以来の高値を付けた。先週は週間ベースで4%高 と、5月7日終了週以来の大幅高だった。

スイス・フランはユーロに対し0.6%高の1ユーロ=1.3328フ ランと、5営業日続伸。

◎米国株式市場

米株式相場は総じて上昇。S&P500種株価指数は5営業日ぶり にプラスに浮上した。この日は金相場が6週ぶり高値を付けたのを材 料に素材株が上昇したほか、テクノロジー株が先週の下げから反発し た。

オンラインオークションのeベイは上昇。決済サービス部門の 「ペイパル」が米グーグルの携帯電話に採用されるとの観測が背景。 資源大手フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドも 上昇。ドルの下落で銅や金に買いが入ったほか、米ゴールドマン・サ ックス・グループが商品への投資判断に「オーバーウエート」を付与 したことが好感された。一方、営利教育機関のカプランを経営するワ シントン・ポストとコリンシアン・カレッジはいずれも下落。政府提 供の学生ローンを利用できなくなるとの懸念が背景。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は5対3。ニ ューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指数 は前営業日比0.1%未満高の1079.38。ダウ工業株30種平均は

1.14ドル(0.1%未満)下落の10302.01ドル。

プルデンシャル・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジス ト、クインシー・クロスビー氏は、「明確な変化を示す経済統計が発 表されれば、投資家は株式買いを再開するだろう。投資家は利回りを 求めている。いつかは債券利回りが上昇を始めるだろうが、それは堅 調な経済統計が発表されてからということになるだろう」と続けた。

◎米国債市場

米国債市場では10年債利回りが約1年4カ月ぶりの水準に低下し た。ニューヨーク連銀製造業景況指数が予想ほど上昇しなかったこと に加え、外国人投資家による米国債購入の増加が買いを誘った。

2年債利回りは過去最低に低下。米連邦準備制度理事会(FRB) が17日から景気浮揚策の一環として米国債を購入することが背景に ある。2年債と10年債の利回り差は3営業日連続で縮小。2009年 4月以来で最小となった。全米ホームビルダー協会(NAHB)とウ ェルズ・ファーゴが発表した8月の米住宅市場指数は予想外に低下し た。

ソシエテ・ジェネラルの米国債トレーディング責任者、セオド ア・エーク氏は「景気は下振れ方向に再び向かっている」と指摘。 「リセッション(景気後退)には入っていないものの、そのような感 覚がある。新たなバブルが形成されつつあるが、1-2年は破裂しな いだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後1時32分現在、10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の2.61%。一時は2.579%とまで低下。ブル ームバーグがまとめたデータによると、それは09年3月以来の低水 準。同年債(表面利率2.625%、2020年8月償還)価格は18/32 上げて100 4/32。

30年債利回りは09年4月以降で最低となる3.74%まで低下す る場面があった。今月初めて0.5%を割り込んだ2年債利回りは

0.4882%まで低下した。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は上昇。世界的な景気足踏みの兆しから 価値保存手段としての金への需要が強まり、6週間ぶり高値を付けた。

日本の4-6月期国内総生産(GDP)はエコノミスト予想を下 回り、米国、中国に次ぐ3位となった。ニューヨーク連銀が16日に 発表した8月の同地区の製造業活動は伸びが予想を下回った。先週ま での金は安全への逃避先としての需要から、週間ベースで2週連続上 昇した。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レ シュ氏(シカゴ在勤)は、「安全への逃避的な買いが続いている」と 指摘。「景気に対する先行き不透明感は強く、景気は減速しているか もしれないと投資家は感じている」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は前営業日比9.60ドル(0.8%)高の1オンス=

1226.20ドルで取引を終了。一時は1229.50ドルと、7月1日以 来の高値を付ける場面もあった。

◎原油先物市場

ニューヨークの原油先物相場は小安い。ドルがユーロに対して下 げた一方、世界的な景気回復足踏みの兆しに原油価格は圧迫され、5 週間ぶりの安値を付けた。

原油は7月12日以来の安値に下落。8月のニューヨーク連銀景 況指数や米住宅市場指数、また日本の4-6月期国内総生産(GDP) はいずれも予想を下回った。一方で、先週4%上昇したドルはこの日 は下げ、代替投資先としての商品の魅力を強めた。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチの マイケル・リンチ社長は、「相場を左右しているのは景気見通しだ」 と指摘。「現時点では、投資家心理はどちらかというと弱気だ」と続 けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前営 業日比15セント(0.20%)安の1バレル=75.24ドルで取引を終 了。一時は74.86ドルまで下げる場面もあった。先週は週間ベース で6.6%安と、6週間ぶりの大幅安となった。過去1年間では11% 上昇している。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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