債券続伸、長期金利は7年ぶり低水準を更新-日米景気減速や好需給で

債券相場は続伸。長期金利は0.945% まで低下して7年ぶりの低水準を更新した。米国の長期金利が景気減 速を手掛かりに低下したほか、日本でも経済成長率が大幅に減速した ことや需給の良さも相まって金利低下が進展した。

三菱UFJ投信債券運用部の倉林俊之次長は、10年債利回りの 1%割れを喜んで買っている向きはいないが、このタイミングで国内 景気の踊り場が意識されれば買いで追随せざるを得ないと指摘。その 上で、「利回り水準の高い長期や超長期ゾーンが金利低下をけん引する 展開が続く」とも話した。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の309回債利回り は、前週末比2.5ベーシスポイント(bp)低下の0.955%で開始。新 発10年債として2003年8月13日以来の低水準を記録した。その後は

0.96%を付ける場面もあったが、午後2時過ぎには再び買いが膨らん で水準を切り下げ、一時は3.5bp低い0.945%まで低下した。その後 は0.95%で取引されている。

13日の米国市場では小売売上高が予想を下回ったことなどをき っかけに債券買いが活発化して、米10年債利回りは1年4カ月ぶり低 水準となる2.67%で引けた。さらに、日本で朝方発表された4-6月 期の国内総生産(GDP)が予想対比で下振れたことも材料視された。

309回債利回りは4日の取引で1%の大台を割り込み、その後い ったんは1.06%まで上昇する場面もあったが、前週半ば以降にじりじ りと金利水準を切り下げる展開となっている。

市場では、309回債利回りの1%割れでの売り圧力が次第に和ら いできたもよう。大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2 グループリーダーは、単なる金利の水準感から1%割れは行き過ぎと の見方もあったが、外部環境がこれだけ追い風となると売りを出すわ けにもいかないと指摘。その上で、「足元の地合いからはいよいよ押し 目買いの水準を1%付近に下げざるを得ない雰囲気もある」と話した。

今週は19日の流動性供給以外に利付国債の入札が予定されてい ないため、市場ではあらためて需給の良さが意識されている。ドイツ 証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、米国で低金利政策が長期 化する見通しの下では、仮に日銀が金融緩和に動いても円高基調が反 転するか疑問だと指摘。その上で、「投資家は債券残高を落とすに落と せない状況が続く」とみており、10年債利回りは0.9%台でもなお低 下余地が見込めるとの見方を示した。

先物は7年2カ月ぶり高値圏

東京先物市場の中心限月9月物は前週末比16銭高い142円55銭 で開始。12日に付けた直近高値142円42銭を上回り、中心限月とし て03年6月27日以来の高値を付けた。その後は142円60銭を中心に 一進一退が続いたが、引けにかけて一時は142円70銭まで上昇した。 結局は29銭高の142円68銭とこの日の高値圏で取引を終えた。

米国市場で長期金利が低下したことが国内債市場でも買い材料視 されたほか、GDP統計を受けて国内景気の減速懸念が広がると日経 平均株価が続落しており、大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、国内外 から債券買いの材料が手を替え品を替えて出てくるとの見方を示した。

朝方に発表された4-6月期の実質GDPは前期比0.1%増、年 率換算では0.4%成長となり、前期の年率4.4%成長から急減速。みず ほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、在庫がマイナス 寄与となったほか、内需の寄与度もマイナスに転じるなど政策効果の 息切れが印象づけられた上、外需のプラス寄与度も前期に比べて半減 しており、内需・外需とも先行きの下振れ懸念が強まったとの見方を 示した。

ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査(中央値) によると、4-6月期の実質GDPは前期比0.6%増、年率換算では

2.3%のプラス成長が予想されていた。

JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは、もともと7 -9月期からGDP減速が明確になるとみていたが、4-6月期から すでに減速が始まっていたと分析。内需と輸出の減速が年後半に出て くるほか、円高が進んで企業収益環境への影響も懸念されるため、猛 暑で7-9月期に一時的に消費が盛り返しても、年末に向けて海外要 因による減速が見込まれると予想している。

実質GDPの伸び率が4-6月期に縮小した上、その後の為替相 場がドル安・円高方向に動いていることから、市場の景況感が前倒し で悪化していくリスクが意識されている。ドイツ証の山下氏はこの日 の債券相場に関して、「先週末の米債上昇もあってそもそも堅調見通し だったが、GDPの減速が債券買いを駄目押しした」と指摘した。

--取材協力:池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka, Masaru Aoki

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