日本株は反落、日米景気や円高を警戒-輸出、景気敏感売り

東京株式相場は反落。7月の米国 小売売上高の伸び悩みや日本の4-6月の実質国内総生産(GDP) の下振れ、円高への警戒が重なり、電機や自動車など輸出関連株中心 に売られた。商社や海運、鉱業など景気敏感業種も安い。

日経平均株価の終値は前週末比56円79銭(0.6%)安の9196円 67銭、TOPIXは2.61ポイント(0.3%)安の828.63。

ちばぎんアセットマネジメントの桶矢正嗣運用部長は、「現在の為 替水準が定着すれば、市場関係者が株価の下支え要因だと見ていた企 業業績の好調が否定される」と指摘。買い手不在により、日経平均の レンジは「これまでの9000円-1万円から、8500-9500円へ下がり そうだ」と見ていた。

国内外で景気指標の鈍化が相次ぎ、株価指数は終日マイナス圏で の動きとなった。上値を買う材料に乏しい半面、日経平均9000円に接 近する場面では公的資金の下支え期待が高まるとあり、売り一巡後の 相場はこう着ムード。そうした中、日米の長期金利が一段と低下する など、世界的に投資マネーは比較的リスクが低い債券市場に流れてお り、東証1部の売買代金は5営業日ぶりに1兆円を割り込んだ。

米商務省が13日に発表した7月の小売売上高(速報値)は前月比

0.4%増と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の 中央値0.5%増に届かなかった。また、朝方発表された日本の4-6 月国内総生産(GDP)1次速報値は前期比0.1%増と、エコノミス ト予想の中央値0.6%増を大きく下回った。米国など外需が減速する 中、個人消費などの内需は失速しつつある。

年内円高進行の予想

一方、企業業績のカギを握る為替市場では、円が対ドルで85円 70銭台まで上昇、13日の東京株式市場の通常取引終了時点86円8銭 に比べ円高で推移した。JPモルガン・チェース銀行では、米景況感 悪化に伴う投資家のリスク回避姿勢の強まりなどを理由に、9月末は 1ドル=80円、12月末を79円へと予想を変更。1ユーロは、年末ま でに100円を割り込むと見る。

三井住友アセットマネジメント・国内株式アクティブグループの 生永正則ヘッドは、「GDPの下振れで円安になってもおかしくないが、 むしろ円高が進んだ」と指摘。国内景気が減速する状況にある中、為 替がさらに景気の下押し要因になっており、「株式市場にとっては最も 悪いパターンだ」と言う。

シカゴ先物市場(CME)の投機筋の円の買い越しポジション(持 ち高)は、8月10日時点で5万2478枚まで増加した。「2008年のピー クだった6万4000-5000枚から判断し、投機筋にはまだ円の積み増し 余地がある」と、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投 資情報部長は強調。今回の円高は、米マクロの減速によるドル安とい う日本固有の要因ではないだけに、円高プレッシャーは長期化する可 能性があると予想する。

ディフェンシブや不動産支え下げ渋る

もっとも、株価指数は午後に下げ渋った。景気や円高警戒の根強 さを裏付けるように、食料品や医薬品、電気・ガス、情報・通信など の内需関連が堅調で、相場全体を下支えした。「為替感応度が相対的に 高い業種から低い業種へリバランスの動きが出ている」と、ちばぎん アセットの桶矢氏は見ていた。このほか、市況改善や調達コスト低下 期待から不動産も上げた。

東証1部の売買高は概算13億2160万株、売買代金は同9094億円。 値上がり銘柄数529、値下がり986。

新光電工が大幅安、グリーは急伸

個別の材料銘柄では、先週末の米インテル株が競争激化懸念で下 落した流れが波及し、同社と取引がある新光電気工業が大幅安となり、 イビデンも反落。世界経済の短期循環の減速で増益が一時鈍化すると して、野村証券が格下げしたSMCは年初来安値。公募増資などで最 大12億9000万円を調達する山一電機が、東証1部の値下がり率1位 となった。

半面、会社側が決算と株式分割を発表、11年6月期業績は会社計 画から上振れが期待されるとシティグループ証券が指摘したグリーは 東証1部の売買代金上位で急騰。みずほ証券が大型新製品をけん引役 に業績がボトムアウトするなどと評価し、投資判断を「ニュートラル」 から「アウトパフォーム」に引き上げたメガチップスは4日ぶり急反 発。4-9月連結営業利益計画に対する4-6月の進ちょく率が74% に達したファンケルは大幅続伸した。

新興3市場は高安まちまち

国内新興3市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前週 末比0.02%高の48.45と小幅続伸。東証マザーズ指数は1%安の

370.04と反落し、大証ヘラクレス指数は1.9%安の565.32と4日続落。

11年6月期の連結営業利益が前期比18%見通しとなったフルヤ 金属が5日ぶりに反発。9月末の株主を対象に、1株を3株に株式分 割するベストブライダルは大幅続伸した。売買代金上位では、日清医 療食品、アルデプロ、中小企業投資機構が高い。

半面、会社側の11年6月期の営業利益計画がブルームバーグ・デ ータによるアナリストの予想平均値を16%下回ったレーザーテック、 11年6月期も連結営業赤字が継続見通しのデジタルガレージはそろ って業績失望から急落した。売買代金上位ではユビキタス、ブイ・テ クノロジー、セラーテムテクノロジーが安い。

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