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ボルカー・ルール、生みの親も失望-自己勘定取引「禁止」されず

【記者:Yalman Onaran】

6月30日(ブルームバーグ):ポール・ボルカー元米連邦準備制度 理事会(FRB)議長は、妥協の末に修正された「ボルカー・ルール」 の最終的な姿に失望している。

金融危機を助長したリスクテークを抑制する狙いから、ボルカ ー・ルールの当初の案は、銀行によるプライベートエクイティ(PE、 未公開株)ファンドとヘッジファンドの運営禁止を想定していた。し かし、共和党の支持獲得を目指す議会での土壇場の交渉の結果、中核 的自己資本の最大3%まで投資を認めることで妥協が図られた。

ボルカー氏の考え方を知る関係者の1人は、当初の案で想定され た規制がこれほど大幅に薄められるとは同氏も予想していなかったと 話す。この関係者によれば、銀行の自己勘定取引を禁止するという表 現が盛り込まれて初めて同氏は満足できるという。

ジョージ・メーソン大学経営学大学院(米バージニア州)のアン ソニー・サンダース教授(金融学)は「ボルカー・ルールはリスクの 高い取引と投資を規制する厳格なルールとして出発したが、交渉を通 じて弱められ、最終的に多くの抜け穴が残った」と解説する。

議会交渉の事情に詳しい2人の関係者が匿名で語ったところでは、 民主党のカール・レビン(ミシガン州)、ジェフ・マークリー(オレゴ ン州)の両上院議員も、ボルカー氏と同じ理由でこの結果に満足して いない。レビン、マークリーの両議員は銀行が経営の行き詰まったヘッ ジファンドを救済することを禁止する条項とボルカー・ルールについて、 最終案を骨抜きにする監督当局の能力を弱める表現を最終段階で盛り込 んだ。

ボルカー氏は28日、上下両院で一本化された金融規制改革法案に ついて、「金融システム改革のための建設的な法的枠組みを提供する」 と歓迎するコメントを公表。ボルカー氏は法案の条項について、「わた しが特に関心を持ってきた商業銀行による自己勘定取引の強力な制限 が盛り込まれている」と指摘したが、ヘッジファンド投資の側面には 触れず、その後もそれ以上の発言を控えている。

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