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円が底堅い、米景気先行き懸念や欧州金融不安でリスク回避圧力残る

東京外国為替市場では円が底堅く 推移した。半期末で新たに持ち高を傾けにくい状況のなか、円の上昇 には一服感が出ているものの、米景気の先行き懸念や欧州の金融シス テム不安がくすぶるなか、リスク回避に伴う円高圧力が残った。

ドル・円相場は前日に5月6日以来の円高値、1ドル=88円29 銭を付けたが、この日の東京市場でも88円70銭を下値に円が底堅い 展開となった。

みずほコーポレート銀行国際為替部のマーケット・エコノミスト、 唐鎌大輔氏は、前日に大きく動いた後なのであまり動きはないが、リ スク回避の地合いは変わっていないと説明。慎重な景気判断が示され た米連邦公開市場委員会(FOMC)から潮目が変わり、「経済成長に 対して確信が持てないムードになってきた」と指摘した。

唐鎌氏はまた、「ドル・円に関しては、基本的に2年債の日米金利 差に引っ張られている部分が大きい」と言い、「今は昨年11月ぐらい の水準まで金利差が縮小してきており、当時のドル・円のレベルを考 えれば、ドルはまだまだ下に行ける可能性がある」と話した。

円は対ユーロでも前日に1ユーロ=109円台後半から2001年11 月以来の高値(107円32銭)まで急伸。この日の東京市場ではやや 売りが優勢となったが、戻りは108円54銭までとなっている。

リスク回避くすぶる

この日の東京市場は世界的な株安を背景に円高が加速した前日の 流れを引き継いで始まった。背景にあるのは世界景気の腰折れ懸念の 高まりで、29日には中国の4月の景気先行指数が下方修正されたほか、 6月の米消費者信頼感指数が予想以上に悪化し、米2年債利回りは過 去最低水準に低下した。

30日の日本株は大幅続落し、日経平均株価、TOPIXはいずれ も年初来安値を更新。資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥 宏調査役は、米国では政府の支援効果がはく落し、景気実態の悪さが 浮き彫りになってきているうえ、欧州の金融不安も根強く、いい材料 が全く見当たらないと指摘。前日は中国株も大幅安となり、「頼みのア ジアが駄目だと、八方ふさがりといった感がある」と語っていた。

もっとも、半期末で様子見を決め込む向きが多いなか、この日の 東京市場では積極的に円の上値を試す動きは見られなかった。NTT スマートトレード・工藤隆市場情報部部長は「朝方は投機筋の円買い も見られたが、本邦からの投信設定絡みの円売りで相殺されてしまっ た」と話していた。米株価指数先物が小幅ながらプラスに転じたこと も、一段の円高に歯止めをかける形となったようだ。

欧州不安

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で今月14日以来の水準とな る1ユーロ=1.2152ドルまでユーロ安が進行。この日の東京市場で はユーロの買い戻しが先行したが、戻りは1.22ドル台前半までとな った。

みずほコーポレート銀の唐鎌氏は、欧州中央銀行(ECB)によ る1年物の資金供給オペ(公開市場操作)の期落ちをあすに控え、「ど のくらいロール(借り換え)されるのかという不透明感がある」と指 摘。その上で、「6月はユーロ安がやや一服したが、ファンドの決算期 であるため、売られていたものが買い戻されただけ。ポジション調整 以外の何ものでもなく、6月ももう終わるので、再び5月までの相場 に戻るのではないか」と話した。

ブルームバーグ・データによると、ユーロは今四半期(4-6月) に対円で約14%下落。対ドルでは9%超下げている。円は対ドルで約 5%高。

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