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日本株は安値更新、景気二番底警戒-TOPIX7日続落

日本株相場は大幅続落し、日経平 均株価、TOPIXともに年初来安値を更新。世界的に緊縮財政に向か う中、景気が二番底に陥るリスクが警戒された。株安連鎖の動きから投 資家のリスク許容度は低下しており、電機や化学、輸送用機器、機械な ど世界景気に敏感な業種を中心に幅広く売りが出た。

日経平均株価の終値は前日比188円3銭(2.0%)安の9382円64 銭。TOPIXは同10.77ポイント(1.3%)安の841.42と、7日続落 し昨年11月11-19日以来の連続下落記録となった。東証1部市場の売 買代金は1兆3363億円。

ユナイテッド投信投資顧問の井上淳最高投資責任者(CIO)は、 「世界中で長期金利が急低下しており、今後の景気見通しが示唆されて いるようで、買いにくい。各国が緊縮財政に動き始め、景気を抑制する 要因として働くとの懸念が出ている」と指摘した。

この日の日本株は朝方から売りが優勢、日経平均は一時223円安の 9347円と、2009年12月1日以来の安値を付けた。チャート分析上は、 下値抵抗ラインとなっていた9日の直近安値9378円を下回り、昨年11 月27日の9076円まで節目はなく、9000円を当面の下値めどと見る向 きも出てきた。

市場参加者が警戒を強めているのは、世界景気が二番底を打つリス クだ。市場ではこれまで、欧州の景気悪化や新興国の成長鈍化が現実化 しても、米国景気が順調に回復している限り、世界景気は米国主導で回 復するとの見方が支配的だった。しかし、直近の米経済指標は予想を下 回る内容が多く、米景気は予想ほど回復していないとの認識が広がって いる。

緊縮財政への懸念、米統計低調が追い打ち

相場の潮目を変えたのが、カナダで26、27日に開かれた20カ国・ 地域(G20)首脳会議。声明では、先進国は2013年までに財政赤字を 少なくとも半減する方針が示され、財政緊縮の影響による世界景気の回 復スピードの鈍化が警戒され始めた。

こうした中、米民間調査機関コンファレンス・ボードが前日示した 6月の米国の消費者信頼感指数は52.9と、前月改定値の62.7から低下 した。市場予想以上に悪化し、米国民が雇用情勢や景気見通しに悲観的 になっていることが示された。岩井証券イワイリサーチセンター長の有 沢正一氏は、「これまで米景気は回復に向かっているという安心感があ ったが、その期待感は後退している。リスクマネーの収縮が続き、米雇 用統計の発表を控え、押し目買いも入りにくい」と言う。

安全志向

投資資金はリスク資産から逃避し、29日は世界同時株安の様相。 ダウ工業株30種平均は一時300ドル以上下げ、ストックス欧州600指 数は3%安と2月4日以来で最大の下落となった。商品相場も下げ、ニ ューヨーク原油先物は3%安。投資家の悲観度を映すシカゴ・オプショ ン取引所のボラティリティ指数(VIX)は29日に34.13と、今月7 日来の水準へ急上昇した。

一方、資金は安全資産に流れ、米10年債利回りは2.95%と09年 4月以来の低水準へ下げた。欧州では最も安全とされるドイツ国債の需 要が高まり、独10年債利回りは一時2.52%と今月9日以来の低水準に なった。こうした一連の流れが30日の東京、アジア市場でも続いた。

日米金利差などから為替相場では円高が進み、前日のニューヨーク 時間にはドル・円が一時1ドル=88円29銭と、5月6日以来の円高水 準を記録。欧州不安からユーロも売られ、ユーロ・円は一時107円32 銭と2001年11月以来の円高値を付けた。円高への警戒は、特に日本の 輸出株を中心にマイナスに作用した。

全体の8割以上下げ、塩野義逆行高

投資家のリスク許容度の低下から、東京株式市場も景気敏感株中心 に幅広い業種に売りが優勢。東証1部の値下がり銘柄数は1334と、全 体の約8割が下げた。33業種は鉱業、石油・石炭製品を除く31業種が 安く、値下がり率上位はパルプ・紙、ガラス・土石製品、ゴム製品、倉 庫・運輸関連、繊維製品など。東証1部の売買代金上位では三井住友フ ィナンシャルグループ、キヤノン、ソニー、ファナック、野村ホールデ ィングス、ソフトバンク、三井物産などが下げた。

個別では、みずほ証券がDRAM価格の下落見通しなどを理由に投 資判断を「中立」に引き下げた信越化学工業が大幅続落。ドイツ証券が 「株価は合理的水準になった」ことなどを理由に「ホールド」に引き下 げたディーエヌエーが大幅安。前期(10年3月期)決算で債務超過と なったため、8月1日付で東証1部から2部に指定替えが決まった大和 システムも急落した。

一方、高脂血症治療薬「クレストール」の米国での特許訴訟に勝訴 した塩野義製薬が急反発。アジア向けペットボトル製造装置が好調に推 移し、上期の連結純損益が黒字転換したもようと発表したアルテックも 大幅反発。みらかホールディングス、科研製薬など医薬品の上げも目立 った。

新興3市場はまちまち。ジャスダック指数は前日比0.02%高の

51.01、東証マザーズ指数は同1.1%高の387.70、大証ヘラクレス指数 は同1.3%安の580.24。個別では、軽量のエア・フレームの販売が好調 で、2010年8月期業績予想を増額修正したジェイアイエヌが3日ぶり に反発。債務超過解消により上場廃止基準の猶予期間から解除されたと 発表したセイクレストがストップ高。逆に、債務超過に陥り、猶予期間 に入ったと発表したリミックスポイントが急落した。

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