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5月失業率は5.2%に悪化、有効求人は上昇-改善の歩調鈍い

5月の国内雇用指標は、完全失業 率が3カ月連続で上昇した一方、有効求人倍率は改善した。国内景気 の緩やかな回復を背景として、雇用情勢も持ち直しつつあるが、企業 の雇用過剰感は払しょくされておらず、改善の足取りは重い。

総務省が29日発表した労働力調査によると、5月の完全失業率 (季節調整済み)は5.2%と前月から0.1ポイント上昇した。男女別 では、男性が5.5%、女性が4.7%だった。完全失業率は2009年7月 に5.6%まで上昇した後、今年1月には4.9%まで低下したが、3月以 降は再び上昇に転じている。

一方、厚生労働省が発表した5月の有効求人倍率(季節調整値) は0.5倍と前月を0.02ポイント上回った。その月に新たに受け付けた 求人数である新規求人倍率は0.83倍で、前月から0.05ポイント低下 した。ブルームバーグ・ニュースによるエコノミスト調査の予想中央 値は、完全失業率が5.0%、有効求人倍率は0.49倍だった。

回復基調にある国内経済だが、先行き不透明感はぬぐい切れてい ない。今年1-3月期の実質国内総生産(GDP)2次速報値は、4 四半期連続のプラス成長となり、政府は6月の月例経済報告で「自律 的回復への基盤が整いつつある」として、基調判断を3カ月ぶりに上 方修正した。一方で、「失業率が高水準にあるなど依然として厳しい 状況」との認識も示し、景気「回復宣言」は先送りした。

第一生命経済研究所の岩田陽之助エコノミストは、雇用環境の改 善が進まない理由として、企業内の余剰人員が多いために「新規の採 用が滞っていることが考えられる」と指摘。リーマン・ショック後の 景気後退時に、企業は人員削減を回避し、賃金や労働時間の削減で対 応したと述べた上で、「需要の増加があっても、企業内の人員活用が 優先されるため、新規の採用は増えにくい」との見方を示した。

「新たな収入が必要」が前月と同様増加

完全失業者数は347万人と前年同月と同数。求職理由別では、「新 たに収入が必要」が同7万人増加したほか、倒産やリストラなどの「勤 め先都合」が同7万人減少、「自己都合」は同1万人増えた。就業者 数は同47万人減の6295万人と28カ月連続の減少となった。

就業者数を産業別にみると、製造業が前年同月から22万人減り 1056万人、建設業は同16万人減の492万人。一方、医療・福祉は同 39万人増加し658万人、情報通信は同15万人増の202万人となった。

家計支出は小幅減

一方、総務省が同日発表した5月の家計調査によると、2人以上 の世帯の消費支出は前年同月比0.7%減だった。ブルームバーグ・ニ ュースのエコノミスト調査の予想中央値は同0.3%の増加だった。季 節調整済み前月比では0.7%増加した。

総務省の大貫裕二・消費統計課長は、消費支出が減少した理由と して、昨年5月は定額給付金の支給に伴い交際費が増加した事情を挙 げ、同要因を除外すれば前年比で小幅プラスだったと指摘。野菜価格 高騰なども含めた特殊要因を除くと、消費の基調が悪化しているとは 言えないとの考えを示した。

BNPパリバ証券の加藤あずさエコノミストは発表を受け、「雇 用所得環境が緩やかながら持ち直していることに加え、今後は、子ど も手当の支給や高校授業料無償化など家計部門への所得移転の効果も 表れてくる」と指摘。「消費は基調としては回復が続くと予想される」 との見通しを示した。

経済産業省が28日発表した5月の商業販売統計では、小売業販売 額は前年同月比で5カ月連続してプラスとなった。前月比(季節調整 済み)ではマイナスだったが、同省では反動減もあるとして、回復基 調に変化はないとみている。

--取材協力:伊藤亜輝、Minh Bui、Theresa Barraclough Editor: Norihiko Kosaka, Hitoshi Ozawa

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