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高ボラティリティ数年続く、年末日経平均は11500円へ-ステートS

2008年のリーマン・ショック後 に高まった株式相場のボラティリティ(価格変動性)は今後数年続く 可能性があり、株式投資ではリスクをより抑えた運用が重視されてい く――。米資産運用大手、ステート・ストリート・グローバル・アド バイザーズ(日本)の高山秀樹最高投資責任者(CIO)はこう見て いる。

高山氏がこのほど、ブルームバーグとのインタビューで語った。 ギリシャに代表されるように、主要国の財政赤字問題が景気や株価に 与える影響に不透明感があり、投資家のリスクテーク力は低下してい る。2008年に日経平均株価が42%下落するなど世界の金融市場が大 きく変動した経験から立ち直るには時間がかかり、「年単位でボラテ ィリティが高い相場展開が続くだろう」と、同氏は言う。

ブルームバーグ・データによると、2000-07年までの8年間に 日経平均の月次収益率の絶対値が10%を超えたのは、大量の採用銘 柄入れ替えで急落した2000年4月の1度だけ。しかし08年以降は、 10年5月までの2年5カ月ですでに6回を数える。

ボラティリティが高い中で、日経平均は年末に1万1500円程度 に上昇すると高山氏は予想。首相交代で政策が市場にフレンドリーに なってきた上、「高い流動性が供給されており、どんどん下がる環境 ではない」とみている。

足元で、経済ファンダメンタルズは改善傾向だ。それを映して今 年度の企業収益見通しも悪くない。欧州財政問題についても、実際は 日本の欧州に対する貿易依存度は高くなく、「欧州経済のスローダウ ンは日本経済に大きな悪影響は及ぼさないだろう」と高山氏は指摘す る。

このため、主にコスト削減で実現してきた企業業績の回復傾向が、 最近のこうしたイベントでも大きな影響を受けないことが明確になり、 不透明感がある程度払しょくされれば、「リスク資産への資金流入は 起こり得るだろう」と高山氏は予測した。

野村証券が7日にまとめた企業業績予想によると、NOMURA 400(除く金融、353社)の10年度経常利益予想は前期比57%増で、 2002年度以来の高い増益率が見込まれている。為替市場での円高ユ ーロ安がマイナスに働くものの、売上高が3期ぶりに増加に転じるこ とが利益を押し上げる。

「最小分散ポートフォリオ」

ボラティリティが高い相場が続く場合、運用面ではリスク管理が 一段と重要になるとステート・ストリートでは判断、09年8月に日 本株を対象とした最小分散ポートフォリオ戦略の私募投信を、みずほ コーポレート銀行を通じて金融法人に提供を始めた。この戦略は個別 銘柄のリスク量に焦点を当て、その割合をコントロールしてポートフ ォリオ全体のリスクを最小化するというもの。

ステート・ストリートの開示資料によると、5月末現在の同ファ ンドの設定来騰落率はマイナス6.51%。TOPIX(配当込み)の マイナス7.22%をやや上回る。一方、リスク(標準偏差)は年率

14.57%でTOPIXより3.36ポイント低く、短期間ながらリターン が市場平均並みでリスクを2-3割抑えるという商品性を示している。

組み入れ上位銘柄はNTTドコモ、トヨタ自動車、九州電力、J R東海、JR東日本など。TOPIX対比で見ると、電力や陸運とい った業績が景気変動に左右されにくいディフェンシブ業種が多めだ。

同じ戦略のエマージング株ファンドを合わせた現在の運用資産残 高は数十億円。高山氏は、「市場環境の不透明感が続く中、当戦略に 対する需要は増え、残高も堅調に積み重ねていかれるだろう」とみて いる。ステート・ストリート(日本)の運用資産残高は3月末時点で 7兆5986億円、グローバルでは約180兆円。

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