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6月28日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ユーロ下落、インフレ抑制示唆の統計でドルを楽観

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが主要16通貨のほぼすべ てに対して下落した。対ドルでは3週間ぶりの大幅安。朝方の統計で 米国のインフレ抑制が示唆されたほか、20カ国・地域(G20)首脳 会議で赤字削減目標での合意成立が影響した。

ドル指数は上昇。一時はほぼ6週ぶり低水準まで下げる場面もあ った。米10年債が上昇し、利回りが約1年ぶりの低水準に押し下げ られたのが背景。トロントで週末に開催されたG20の首脳会議では、 2013年までに先進国が財政赤字の半減を目指す一方で、景気刺激策 を継続することで合意した。

バンク・オブ・ノバスコシアの為替ストラテジスト、カミラ・サ ットン氏は、「何としてでも経済成長を支援するという従来の環境か ら、財政責任へと状況は変化した」と述べ、「ユーロに関してはまだ 大きなリスクが圧し掛かっている。リスク回避の動きが急速に広がっ ており、ドル買いのきっかけとなっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時23分現在、ユーロはドルに対して1 ユーロ=1.2276ドル。一時は6月4日以来で最大となる0.83% 安の1.2266ドルまで売り込まれた。前週末は1.2369ドルだった。 ユーロは対円では0.6%下げて1ユーロ=109円76銭。前週末は 110円41銭。円は対ドルでは0.2%下げて1ドル=89円42銭 (前週末は89円23銭)。

今年第2四半期でドルは対ユーロでの上昇率が10%と、主要 16通貨のうち4位となる見通しだ。ブラジル・レアルは同10.2%、 シンガポール・ドルは11%。円は最高の15%だった。

米PCE統計

米商務省の発表によると、5月の米個人消費支出(PCE)は前 月比で0.2%増。4月は前月比でほぼ変わらずだった。個人所得は

0.4%増だった。食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数は前年 比で1.3%上昇した。

英HSBCホールディングスの為替戦略世界責任者デービッド・ ブルーム氏によると、G20首脳会議前に先週はドルを売っていた投 資家が、この日は買い戻した。同氏は、「何かが起こるのではないか と市場参加者はやや神経質になっていた」と述べ、「G20前の週に 建てていたドルのロングポジションの一部を建て直したようだ」と指 摘した。

G20声明

トロントで開かれたG20首脳会議で採択された声明は、金融機 関が資本を「大幅に引き上げる」必要があると指摘した。また、各国 は12年末までに新基準を満たすことを目標に新たな規制を段階的に 導入することが認められる。

ドル指数は0.5%上昇して85.699。一時は85.215と、6月 21日につけた5月13日以来の低水準(85.091)に迫った。

BNPパリバの為替ストラテジスト、セバスチャン・ゲーリー氏 は、「月末とあり、ドル需要が強いのは明らかだ」と述べ、「市場参 加者は米連邦公開市場委員会(FOMC)が長期にわたって政策金利 を据え置くと予想している」と続けた。

FRBは23日のFOMC後に発表した声明でフェデラルファン ド(FF)金利誘導目標を「長期にわたって」過去最低の0-

0.25%という「異例な低水準」で据え置く方針を示した。

◎米国株:下落、原油・金属安で商品株に売り-通信は高い

米株式相場は下落。S&P500種株価指数は過去6営業日で5 度目の値下がり。原油や金属価格の下落を背景に、商品株が売られ相 場全体を押し下げた。

エクソンモービルが安い。原油相場は7週間ぶりの高値から下落。 フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドも値下がり した。一方、たばこ会社のアルトリア・グループは上昇。米政府がた ばこメーカーに罰金支払いを求めた裁判で、最高裁はこの日、オバマ 政権による上訴を退けた。スプリント・ネクステルも高い。オバマ大 統領が、多機能携帯電話(スマートフォン)やノートパソコン、新型 のワイヤレス機器向けの周波数帯を2倍近くに増やすと提案したこと が好感された。

S&P500種株価指数は前週末比0.2%安の1074.57。ダウ 工業株30種平均は5.29ドル(0.1%)下落の10138.52ドル。

マーケットフィールド・アセット・マネジメントのマイケル・シ ョール会長は「今の市場には強い確信というものが欠けている」と指 摘。「一般的に、株式市場では買い手が不足している。この状態は今 四半期末まで続くだろう」と述べた。

S&P500種は4-6月(第2四半期)に今のところ8.1%高 となっている。上昇を維持すれば、4四半期連続のプラスとなる。世 界経済の改善の兆しを背景に、同株価指数は昨年末から4月23日に つけた年初来高値までに9.8%上昇した。その後は欧州の債務危機 が景気回復を妨げるとの懸念から今月7日までに14%下落した。

年初からの下落

同指数はなお年初から3.6%安。指数構成銘柄の株価収益率 (PER、業績ベース)は約16倍と、ほぼ1年ぶりの低水準となっ ている。

主要株価指数はこの日、上昇して始まった。5月の個人消費支出 (PCE)が前月比0.2%増加したことを好感した。前月はほぼ変 わらずだった。5月の個人所得は前月比0.4%増加。貯蓄率は8カ 月ぶりの高水準となった。

エクソンモービルは1.1%安。エネルギー株指数は1.3%安と、 S&P500種の業種別10指数で値下がり率トップ。

ニューヨーク原油先物相場は反落。メキシコ湾での原油生産が熱 帯性暴風雨の影響を受けないとの見方から売りが優勢になった。ニュ ーヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前営業日比 61セント(0.77%)安の1バレル=78.25ドルで取引を終了した。

フリーポート・マクモランは2.9%安。ニューヨーク金先物相 場は反落。最高値を狙う展開となったが失敗し、オンス当たり1260 ドル以上を維持できなかったため、売りに押された。

たばこ会社は高い

アルトリアは3.3%高。たばこ大手は軒並み上昇。米政府によ るたばこ業界を相手取った訴訟は過去10年続いているが、米最高裁 は、今回オバマ政権による上訴を拒否した。今回の棄却により、喫煙 の危険性を隠ぺいして国民を欺き不当な利益を上げたとして、たばこ 業界を相手取りクリントン元大統領が最初に起こした訴訟で、たばこ 会社アルトリア・グループのフィリップ・モリスUSAやレイノル ズ・アメリカンのRJレイノルズ・タバコに対し、罰金が科されない ことが確定しつつある。

レイノルズ・アメリカンは4.1%高。たばこ株を含む生活必需 品株指数は1.1%高と、S&P500種の業種別10指数の値上がり 率トップとなった。

スプリント・ネクステルは6.2%高。AT&Tは0.7%値上が り。通信関連株指数は業種別の値上がり率2位。

ジョンソン・イリントンで18億5000万ドルの運用に携わる ヒュー・ジョンソン会長は、「市場の強気派と弱気派の対立は今後3 週間で決着しそうだ」と指摘。「だれも時期尚早な動きを望んでいな いため、わずかな上下動にとどまっている。大きく動いている銘柄は ない」と述べた。

◎米国債:上昇、10年債は09年4月来の低利回り-成長懸念

米国債相場は上昇。10年債利回りは2009年4月以来の水準に 低下した。景気回復のペースは緩慢なものにとどまるとの懸念が背景 にある。

この日発表された5月の個人消費支出(PCE)では、インフレ の抑制が示された。また今週発表される6月の雇用統計では、非農業 部門雇用者数で11万5000人の減少が見込まれている。これらを 手掛かりに、米国債相場は上昇。週末に開かれた20カ国・地域(G 20)首脳会議では、先進国が2013年までに財政赤字を少なくとも 半減させる目標で合意した。

ドイツ銀行のプライベート・ウェルス・マネジメント部門の債券 トレーディング責任者、ゲーリー・ポラック氏(ニューヨーク在勤) は、「年末までの経済成長は、多くの人にとって期待外れとなるだろ う」と指摘。「同時に、インフレの状況は良好だ。金融当局が政策金 利を据え置いていることから、10年債で3%の利回りというのは、 向こう数カ月は悪くはないかもしれない」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時現在、10年債利回りは前週末比9ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の3.02%。これは09年4月29日以 来の低水準となる。同年債(表面利率3.5%、2020年5月償還) 価格は、3/4上げて104 1/32。

ブルームバーグのデータによれば、4-6月(第3四半期)の米 国債の投資リターンは4.05%と、世界の国債の中で上から3番目。 トップはデンマークの5.10%、2位は英国で4.32%。

2年債

2年債利回りは3bp下げて0.63%。一時0.62%と、昨年 11月27日以来の低水準を付けた。2年債利回りは、米金融当局が 政策金利を実質ゼロに引き下げた翌日の08年12月17日に付けた 過去最低水準、0.6044%に近づきつつある。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト64人を対象に実施し た調査の中央値によれば、10年債利回りは年末までに3.78%に上 昇する見通しだ。またブルームバーグの別の調査の中央値では、2年 債利回りは1.32%への上昇が見込まれている。

10年債と2年債の利回り格差はこの日、2.40ポイントに縮小 し、5月26日(2.37ポイント)以降で最小となった。

イールドカーブ(利回り曲線)は、償還までの期間が異なる債券 の金利を線で結びグラフ化したもの。カーブのフラット化(平坦化) の進行は、経済の低成長とインフレの鈍化を見込む投資家による長期 債への需要の高まりを反映している。

「大きくフラット化」

サントラスト・バンクのプライベートウェルスマネジメント部門 のストラテジスト、アンディ・リッチマン氏は「イールドカーブは大 きくフラット化してきている」と指摘。「発表される経済指標は予想 よりも弱いものが続いている」と述べた。

米国の投資家が4-6月(第2四半期)末に伴うベンチマークに あわせたポートフォリオ調整による国債買いも相場を押し上げた。

5月のPCEでインフレの抑制が示されたことが、長期債の下支 え要因となった。

商務省の発表によれば、PCE価格指数は前年同月比で1.9% 上昇。前月は2%の上昇だった。

◎NY金:反落、最高値うかがうも達せず失望売り

ニューヨーク金先物相場は反落。最高値を狙う展開となったが失 敗し、オンス当たり1260ドル以上を維持できなかったため、売り に押された。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、ヘッジファンドな ど投機的な投資家の買越幅は22日に終わった1週間に3.6%増加 し、23万8634枚だった。金相場は一時1263.70ドルと、1週間 前につけた最高値1266.50ドルにあと0.2%に迫る場面もあった。

プロスペクター・アセット・マネジメントのレナード・カプラン 社長は、「現在、金に買いを入れているのは投資家だけだ」と指摘。 「投資家は移り気だ」と述べ、金は1230ドルまで下落する可能性 があるとの見解を明らかにした。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場8月限は、前営業日比17.60ドル(1.4%)安の1オンス=

1238.60ドルで取引を終了。中心限月としては21日以来の大幅安 となった。

◎NY原油:反落、暴風雨への懸念が緩和―終値78.25ドル

ニューヨーク原油先物相場は反落。メキシコ湾での原油生産が熱 帯性暴風雨の影響を受けないとの見方から売りが優勢になった。

原油は一時1.5%下落した。熱帯性暴風雨「アレックス」はメ キシコ湾南部を進み、ハリケーンに発達して7月1日にメキシコの米 テキサス州との国境に近い地域に上陸すると予想されている。マイア ミ時間午後2時現在、アレックスはメキシコのカンペチェの沖、西北 西135キロメートルに位置している。

MFグローバルのエネルギー担当バイスプレジデント、マイケ ル・フィッツパトリック氏は、「リグ(石油掘削装置)や製油所が集 中している地域を避けそうだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前営 業日比61セント(0.77%)安の1バレル=78.25ドルで取引を 終了した。前週末は終値ベースで5月5日以来の高値をつけていた。

◎欧州株:5日ぶり上昇、自動車や鉱業株が押し上げ-プジョー高い

欧州株式相場は5営業日ぶりに上昇。自動車や鉱業株が堅調に推 移し全体を押し上げた。週末の20カ国・地域(G20)首脳会議で、 財政赤字削減の一方で、経済成長確保に向けた決意が示されたことが 背景。

フランスのプジョー・シトロエンが上昇。同社が「DS3」モデ ルの販売目標を引き上げたとする、仏紙ラ・レトゥル・ドゥ・レクス パンションの報道がきっかけ。銅相場が3営業日続伸したことを背景 に、鉱山会社の英豪系リオ・ティントも値上がり。英石油開発会社プ レミア・オイルは急伸。同社は北海の油井で含油砂岩が出たことを明 らかにした。

ストックス欧州600指数は前営業日比1.2%高の251.36と、 2週間ぶりの大幅高で引けた。同株価指数は4月15日に付けた年初 来高値から7.6%下落、欧州の債務危機の影響に対する懸念が高ま った。一方、昨年3月からはなお59%上昇。各国政府による景気刺 激策が世界的な回復を支えたことが背景にある。

バークレイズの調査責任者、ラリー・カンター氏(ニューヨーク 在勤)はブルームバーグラジオのインタビューで、「現在実施されて いる金融緩和と財政引き締めの政策混合は、伝統的に株式には強材料 だ」と指摘。「当社は特に米国や欧州の株式を選好している。消費者 と企業の景況感を示す指標は、実際にはあまり落ち込んではいない」 と述べた。

プジョーが高い

プジョーは2.8%高と、自動車株指数の上昇をけん引。同指数 はストックス600の業種別19指数の値上がり率トップ。

リオ・ティントは2.1%高。ロンドン金属取引所(LME)で 銅や鉛、ニッケル、亜鉛が上昇した。

プレミア・オイルは7.1%急伸し、約1年ぶりの大幅高。

◎欧州債:ドイツ債上昇、危機悪化懸念-イタリア・スペイン債下落

欧州債市場ではドイツ国債相場が上昇。同国の10年債利回りは 2週間余りの最低となった。ユーロ圏の債務危機が悪化するとの懸念 から、ドイツ債に対する各国の債券の上乗せ利回りが拡大した。

イタリアとスペイン、ギリシャの国債相場は下落。ユーロ圏諸国 が実施した総額107億ユーロの国債入札への需要が弱かった。ドイ ツの6月のインフレが鈍化したことから、同国の10年債と2年債の スプレッド(利回り格差)は昨年12月以来の最小となった。財政問 題で今年の危機の発端となったギリシャは来月に債務の借り換えが必 要なほか、ドイツとスペイン、フランスも今週入札を実施する。

クレディ・スイス・グループ(チューリヒ)の債券ストラテジス ト、カーステン・リノウスキー氏は、「リスク回避の動きが高まりつ つある。多くの国が入札を実施することから、市場はそれに備えてい る」と語った。

ロンドン時間午後3時55分現在、独10年債利回りは前週末比 2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.58%。一 時は2.57%まで下げ、11日以来の低水準を付けた。同国債(表面 利率3%、2020年7月償還)価格は0.35ポイント上げ103.72。

イタリア10年債利回りは4bp上昇の4.13%と、9日以来の 高水準となった。独10年債に対するスプレッドは8bp拡大の 155bp。スペイン10年債は6bp上げ4.56%。ギリシャ10年 債利回りは10.66%と、前週末を14bp上回った。

◎英国債:10年債利回り、一時昨年10月来の低水準-2年債下落

英国債市場では、10年債利回りは前週末比1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下し3.37%。一時は3.36%まで下 げ、昨年10月9日以来の低水準を付けた。一方、2年債利回りは2 bp上昇の0.74%。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はプラス5.6%。これに対しドイツ国債はプラス6.7%、米国債は

5.2%となっている。欧州のソブリン債危機で経済成長が足踏みする との懸念が支援要因。

英国政府は今週、銀行団を通じた国債(表面利率4.25%、 2040年償還)入札を予定している。この日はイタリアやベルギーな どが120億ドル余りの国債を発行した。

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