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ドルが対円で約1カ月ぶり安値圏、米指標発表控えて金利低下を意識

東京外国為替市場ではドルが対円 で約1カ月ぶりの安値圏で推移した。週内に注目の米経済指標の発表 を控えるなか、米中長期金利の低下を背景にドルが売られた前週末の 流れを引き継いだ。ただ、積極的に円を買う材料にも乏しく、一段の ドル安・円高には歯止めがかかった。

ドル・円相場は朝方に1ドル=89円23銭を付け、前週末に付け た5月21日以来のドル安・円高水準(89円22銭)に接近。午後に かけては89円45銭まで値を戻したが、ドルの上値は重かった。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクターの斎藤裕司氏 は「ドルの下を見ている向きが多いため、マーケットはドル・ショー ト(売り持ち)になりやすく、東京時間もドルの下値を攻めたものの、 89円20銭あたりが堅かったので、ドル・ショートの調整が入った」 と解説。ただ、「FOMC(米連邦公開市場委員会)以降、市場は米国 の出口戦略の遅れを織り込みにいっている」といい、基本的な流れは ドル安、と説明した。

一方、ユーロ・ドル相場は朝方に1ユーロ=1.2398ドルと1週 間ぶりのユーロ高・ドル安水準を付けたが、その後はドル売りも一服 し、欧州市場に向けては1.23ドル台半ばまでユーロ売り・ドル買い が進んだ。

斎藤氏は「前週末には週末のG20(20カ国・地域首脳会議)で のユーロ安をめぐる欧米間の摩擦が懸念され、ユーロの買い戻しが出 ていたが、何もなかったということで取りあえずユーロを売る動きが 出ている」と話していた。

ユーロは対円でも1ユーロ=110円台前半から110円台後半へ強 含んでいたが、午後には売りが優勢となり、110円台半ばまで値を戻 した。

米景気動向を警戒

先週は米住宅関連指標の下振れやFOMCによる景気判断の引き 下げを受け、米景気の先行き懸念が台頭。週末には2010年第1四半 期(1-3月)の米実質国内総生産(GDP)確定値が下方修正され たことを背景に、米2年債利回りが昨年11月以来の水準付近まで低 下した。

今週は米国で6月のISM(米供給管理協会)製造業景況指数や 6月の雇用統計など注目指標の発表が目白押しだ。予想を下回る経済 指標が相次いだ場合には、米金利が一段と低下し、ドルが売られる可 能性があるとみられている。

斎藤氏は「非農業部門雇用者数で、民間部門の伸びがないと米金 利は一段と低下しやすい。悪い材料にはドル売りで反応するだろう」 と予想している。

一方、三菱UFJモルガン・スタンレー証券クレジット市場部為 替課長の塩入稔氏は、米金利低下の背景には米国の経済指標がさえな いということがあるため、米国を中心とした株価動向次第では一方向 にドル安が進まない可能性もあると指摘。「米金利低下でドル安となる のか、株安でリスク回避のドル買いの方にウエートがかかるのかを見 なければならない」と話していた。

ドルは対スイス・フランで一時、5月4日以来、初めて1ドル=

1.0900フランを突破。ただ、1.08フラン台の滞空時間は短く、午後 にかけては1.09フラン台前半でもみ合う展開となった。

G20

G20首脳は26、27の両日開いた会合で、財政赤字削減の目標設 定を支持し、景気回復が定着した段階で金融機関に資本引き上げを求 めることで合意した。

オバマ米大統領は、2013年までに財政赤字を半減させるG20の 方針について、なお脆弱(ぜいじゃく)な世界経済の回復を確実に持 続させるには刺激措置を拙速に打ち切るべきではないという米国ほか 各国の従来の認識に反するものではないと説明。また、各国は貿易で 公平に競争する必要があるとの考えを示し、中国政府の人民元弾力化 の方針にあらためて支持を表明した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証の塩入氏は、G20声明につい て「『財政か成長か』というのは相反する問題なのでもともと玉虫色以 外の答えは出せなかっただろう。人民元についてもあえて触れている わけではないし、そういう意味では何か踏み込んだというところはな く、材料にはなっていない」と語った。

一方、みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、G20でも う一段の人民元切り上げ要求といった話になれば、リスクが高まる形 で円高圧力になっていた可能性もあったが、市場に緊張感を与えなか ったということで、円高警戒感がそがれた面があると指摘していた。

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