コンテンツにスキップする

日本株続落、米景気懸念し輸出に売り-売買は2月来低水準

日本株相場は小幅続落。米国景気 の改善ペースが鈍るとの観測から為替相場で円の先高観が出ており、ト ヨタ自動車や東芝、キヤノンといった輸出関連株中心に下げた。海運や 鉱業など景気敏感業種も売られ、金融株も安い。

日経平均株価の終値は前週末比43円54銭(0.5%)安の9693円 94銭、TOPIXは同6.50ポイント(0.8%)安の860.80。5営業日 続落となったTOPIXは、5月14-21日に6日続落して以来の連続 下落記録。全般的に買い見送りムードが強い中、東証1部の売買代金は 9641億円と、ことし2月16日以来の低水準にとどまった。

ちばぎんアセットマネジメントの安藤富士男顧問は、「経済対策効 果が一巡し、米住宅市場の悪化が警戒されている。日本国内の企業収益 の見通しは良いものの、こうなると上値を買いにくい」と話していた。

週明けの日本株は、日経平均株価が上昇して始まったものの、すぐ に下落に転じた。東証1部の値下がり銘柄数は1088と、値上がり484 を大きく上回り、業種別33指数も29業種が下げ、上昇はわずか4にと どまった。週末に20カ国・地域(G20)首脳会合がカナダで開催され たものの、明和証券の矢野正義シニアマーケットアナリストは、「何の 具体策も決めることが出来なかった。欧州問題は依然不透明なまま」と 指摘している。

米景気回復の鈍化警戒、重要統計控える

ここに来て投資家が警戒し始めているのが、米国の景気回復ピッチ の鈍化だ。米国では経済対策の効果が一巡、23日発表の5月の新築一 戸建て住宅販売が過去最低に落ち込むなど、住宅統計にその反動が見ら れ始めている。

米金利は低下傾向をたどっており、ブルームバーグ・データによる と、米10年債利回りは25日時点で3.11%と09年5月14日以来の低 水準。為替相場ではドルが軟調な展開となり、東京時間28日のドル・ 円相場は1ドル=89円23-45銭で推移、前週末まで過去2週間の平均 同91円78銭より2円以上の円高水準となっている。海外需要、輸出採 算への悪影響を警戒する格好で、TOPIXの下落寄与度上位には電気 機器や輸送用機器、機械など輸出関連株が並んだ。

米景気動向が警戒される中、今週は米国で重要な経済指標の発表が 相次ぐ。これらの内容を見極めようと、投資家は積極的にポジションを 作れない状況で、東証1部市場の売買代金はことし6回目の1兆円割れ となった。米国では29日に4月のケース・シラ―住宅価格指数、7月 1日にISM製造業景況感指数、2日に6月の雇用統計が発表される。

明和証の矢野氏は「米景気回復は思ったほどではないという警戒感 が出ている。財政出動し雇用などは改善してきたが、ガソリンが切れた ら減速するのではないかという懸念がある」と言う。

世界景気の先行き懸念が顕著に表れているのが海運市場。ばら積み 船の国際運賃市況のバルチック海運指数は、25日の取引で21日連続安 となった。市況悪化が警戒され、商船三井や日本郵船など海運株の下げ が目立ち、海運指数は東証33業種の下落率1位。中央三井アセットの 寺岡直輝運用部長は「バルチック指数は景気の先行指数。景気回復力が 弱まると市場は見ており、景気敏感銘柄が売られている」と指摘した。

個別では、特別損失の計上で2010年12月期の連結純損益が24億 円の赤字見込みとなったケネディクスが急落。公募増資による需給悪化 懸念から、みずほフィナンシャルグループも安い。半面、医薬品や食料 品、電気・ガスなど景気動向に左右されにくいディフェンシブ株の一角 が相対的に買われ、相場全般の下支え役を果たした。

個別では、いちよし経済研究所がマンション販売回復で残存者利益 が享受できるとし、投資判断を新規「買い」と設定したタカラレーベン や、投資事業などを手がけるネオラインホールディングスと資本業務提 携すると発表したNISグループが急騰。法人税調整額の減少で10年 5月期の連結最終利益が従来予想を4割上回ったもようのインテリック スも買われた。

新興市場も下落

新興市場も軒並み下落した。ジャスダック指数は前週末比1%安の

51.46、東証マザーズ指数は同4.3%安の385.43、大証ヘラクレス指数 は同3.4%安の596.58。個別では、特許に係わる紛争の和解の結果、特 別損失を計上し今期最終利益が従来予想を大幅に下回る見通しとなった シコーが大幅続落。トーセイなど新興不動産株の一角も安い。半面、中 国の駐車場運営で中国天津市と合意契約を締結した駐車場綜合研究所が ストップ高。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE