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長期金利1.15%に上昇、急激な金利低下の反動で売り-超長期債が安い

債券市場で長期金利は1.15%に上 昇した。最近の急激な金利低下に対する警戒感から、現物債市場では 長期債や超長期ゾーンを中心に売りが優勢となった。一方、前週末の 米国債上昇や日経平均株価の下落が相場の支えとなり、先物は底堅く 推移した。

モルガン・スタンレーMUFG証券の伊藤篤債券ストラテジスト は、期間の長いゾーンの金利が上昇していることについて、「前週まで の急激な利回り曲線の平たん化の動きが水準感からいったんは調整の 売りが出ている」と説明した。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の308回債利回 りは、前週末比変わらずの1.145%で開始した。その後は1.145-

1.15%の狭いレンジでの推移が続いており、午後4時1分現在では

0.5ベーシスポイント(bp)高い1.15%で取引されている。

長期金利は前週初めの1.2%台前半から、24日には1.125%と約 7年ぶりの低水準を付けた。一時は10bp近くも下げた。大和証券キャ ピタル・マーケッツの尾野功一シニアストラテジストは、「現物債は長 いゾーンを中心に金利が低下していた反動が出た。最近の金利低下に は行き過ぎ感があった」と話した。

また、来週7月6日には10年債入札を控えており、金利低下に対 する警戒感が出ている。HSBC証券の白石誠司チーフエコノミスト は、来週の10年債入札ではクーポン(表面利率)が1.3%から2003 年8月以来の低水準となる1.1%に引き下げられる可能性が出てくる ため、「一段と買い進むことに戸惑いがある」と語った。

超長期債が売られた。20年物の118回債利回りは1.5bp高い

1.89%に上昇した。前週末に一時1.865%と、新発20年債利回りとし て昨年3月以来の低水準を付けた反動が出た。また、30年物の32回 債利回りも1bp高い1.95%に上昇した。前週末には1.925%と新発30 年債利回りとして昨年2月以来の水準まで下げていた。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「超長期ゾーンのブ ル・フラット(平たん)化にはやや過熱感がある」と分析していた。

先物は小幅高

東京先物市場で中心限月9月物は、前週末比7銭高の141円13 銭で始まった。直後に141円19銭まで上昇し、中心限月ベースで9日 に付けた高値に並んだ。その後は徐々に上げ幅を縮め、1銭安まで下 げる場面もあった。午後は141円10銭付近で推移し、結局は3銭高の 141円9銭で終了した。

ブルームバーグ・データによると、9月物の日中売買高は1兆 2761億円にとどまり、中心限月ベースでは2月12日以来、約4カ月 ぶりの低水準となった。

前週末の米国市場動向を受けて、買いが先行した。25日の米国債 相場は上昇した。今年第1四半期の実質国内総生産(GDP)確定値 が前期比年率2.7%増と、改定値から下方修正されたことが買いを誘 った。10年債利回りは4bp低下の3.11%程度。米株式市場でダウ工 業株30種平均は8.99ドル(0.1%)下げて10143.81ドルとなった。 この日の日経平均株価は続落した。

こうした中、カナダのトロントで26、27日に開かれた20カ国・ 地域(G20)首脳会議の声明で、先進国は2013年までに財政赤字を少 なくとも半減させ、16年までに公的債務の国内総生産(GDP)比率 を安定させることを目指す方針が示された。もっとも、財政赤字削減 と景気回復を持続させる取り組みは各国で異なり、各国の個別の情勢 に応じて調整されるとした。

G20声明について、バークレイズ・キャピタル証券の森田長太郎 チーフ債券ストラテジストは、日本としては「財政再建について相当 な圧力を感じてゆかざるを得ない状況」だという。モルガン・スタン レーMUFG証の伊藤氏は、「財政再建を背景とした買いの流れは変わ らない」と語り、円債市場の支援材料との見方を示した。

一方、大和証券キャピタル・マーケッツの尾野氏は、「菅直人首相 になって財政再建の話が出てきたことは支援材料だが、今後は実際に どの程度赤字削減が進むのか、他国との対比でスピードなどに関心が 移り、金利低下は鈍化しそう」と述べた。

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