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G20声明:財政目標合意、先進国13年までに赤字半減

カナダ・トロントで2日間の日程 で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議は27日閉幕した。G20 は、財政赤字削減の目標設定を支持し、景気回復が定着した段階で金 融機関に資本比率の引き上げを求めることで合意した。

首脳会議で採択された声明によると、先進国は2013年までに財 政赤字を少なくとも半減させ、16年までに公的債務の国内総生産(G DP)比率を安定させることを目指す。ただ、財政赤字削減と景気回 復を持続させる取り組みは各国で異なり、各国の個別の情勢に応じて 調整されるとした。声明はまた、金融機関が資本を「大幅に引き上げ る」必要があると指摘した。各国は12年末までに新基準を満たすこ とを目標に新たな規制を段階的に導入することが認められるという。

ドイツのメルケル首相は記者団に対し、財政赤字削減目標につい て言及し、「正直なところ、非常に具体的で私の予想以上だ」と述べ、 「先進国全体としてこれを受け入れたことは成功だ」と付け加えた。

G20はまた、既存の景気刺激策を維持し、景気回復の持続に向け て「協調行動」を取る決意も表明。最近の情勢を踏まえて、各国の財 政赤字抑制で「適切な段階を踏んだ」計画を確立する必要性が強調さ れた。一方、新興市場国は社会的セーフティーネットの強化とインフ ラ投資の拡大、為替レートの弾力化に向けた措置を講じるとした。

ヘッジファンドと格付け会社の監視改善

声明には、カナダのハーパー首相が支持する財政赤字と債務削減 に関する目標が盛り込まれている。

G20声明は、「質の高い会計基準」と経営幹部の報酬ルール実施 の重要性をあらためて強調。G20首脳はヘッジファンドと格付け会社、 店頭デリバティブ(金融派生商品)の透明性と監視について、「国際的 な一貫性と公平性を伴う形」で改善を図る必要性で一致した。

通商問題に関しては、新たな貿易障壁を増やさない合意を13年 末まで延長する方針を確認した。

G20では、景気浮揚に重点を置きたいオバマ大統領らと、赤字削 減を優先するメルケル首相らの意見調整が必要となった。声明は世界 的な景気回復について、予想よりも速いペースだが、依然「格差があ り、ぜい弱だ」と指摘した。

協議でブラジルなどは、具体的な赤字目標について、成長への悪 影響なしに達成するのは難しいとして設定に反対。G20の合意では、 各国は自国の景気回復が完全に定着するまで政府支出の削減着手を義 務付けられるべきではないとする米国の懸念を認める一方で、英国が 示した緊縮財政計画を支持した。

主要国の財政調整が重なるリスク

声明は「主要数カ国の財政調整が同時期に重なった場合、景気回 復に悪影響を及ぼすリスクがある」と指摘した。

会議では、欧州諸国が財政赤字の削減を主導した。メルケル首相 は独ZDFテレビとのインタビューで、「堅実な」財政政策追求に向け、 主要8カ国(G8)首脳会議で各国首脳の説得に努めたほか、ドイツ の財政赤字を年間約100億ユーロ(約1兆1000億円)縮小させる自 身の計画に理解を求めたと語った。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 米国債の今年のリターンは、6月24日の時点でプラス5%と、1995 年以降で最も良い。ギリシャとスペインの国債格下げを受け、投資家 が欧州に代わる投資先を模索した。

ブッシュ前政権時代に報道官を務めたトニー・フラット氏は「欧 州諸国は、ギリシャ問題で瀕死(ひんし)の状態だった」と指摘。「一 部の国は、同じ運命をたどることを恐れている」と説明した。

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