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ドルの上昇、1ユーロ=1.20ドルで小休止か-ストラテジストらが予想

世界最大の為替ヘッジファンド を率いるジョン・テイラー氏は今年3月、ドルがユーロに対し、当 時の1ユーロ=1.35ドル前後から1.20ドルに上昇すると予測した。 それから2カ月後、テイラー氏の見方は正しかったことが証明され た。

ニューヨークに拠点を置くFXコンセプツの会長を務めるテイ ラー氏は、ドル指数が今年、2005年以来の好スタートを切り、09年 末から9.57%上げていることから、現時点ではドルの上昇がいった ん小休止すると予想している。ドルを押し上げる前に、欧州連合 (EU)がまとめた7500億ユーロ(約83兆円)規模の支援策が機 能していないとの証拠を待とうとするトレーダーが増えており、テ イラー氏もその1人だ。

75億ドルの資金を運用するFXコンセプツを率いるテイラー氏 は、「われわれはユーロを恐る恐る保有している。ユーロの上昇が 7月いっぱい、8月に入るまで続くと願っている。とはいうものの、 欧州は抜きさしならない状態にあるため、ユーロは押しつぶされる だろう」と語った。

テイラー氏と同様の見方をしている市場参加者は多い。ブルー ムバーグが27人のストラテジストとエコノミストを対象に行った調 査によると、年末時点のドル・ユーロ相場予想の中央値は6月2日 以来、1ユーロ=1.20ドルのままとなっており、今年に入ってから 最長期間、引き上げられることなく据え置かれている。1月初め時 点では、1ユーロ=1.45ドルで今年を終えると予想されていた。

ユーロと円、ポンド、カナダ・ドル、スイス・フラン、スウェ ーデン・クローナに対する米ドルの水準を示すドル指数は6月7日 以来、3.5%下落している。背景には、欧州の債務危機がユーロ導入 国のデフォルト(債務不履行)につながるとの懸念が後退したこと がある。

現状維持

リコン・カレンシー・マネジメントのマネジングディレクター、 ピーター・ジェイコブソン氏(シンガポール在勤)は「今後数週間 から数カ月間は、たいした動きがなく、現状維持を予想している」 と語った。同氏によると、通常、現状維持はリスクテークには追い 風となるため、「そうなれば、今年前半にみられたようなドルの上 昇相場は、やや衰えるもようだ」という。

先物市場では、ドル上昇を見込むポジションが記録的な水準に 膨らんでいたが、トレーダーらはこれらの解消に動いている。米商 品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、シカゴマーカン タイル取引所(CME)の国際通貨市場(IMM)では、ヘッジフ ァンドやその他投機家の買い持ちのドルポジションが6月22日終了 週に4万9335枚と、ピークだった6月8日時点の16万3085枚か ら70%減少している。

ドルは先週、対ユーロで1ユーロ=1.2369ドル、対円では1ド ル=89円23銭で取引を終えた。昨年末時点の1ユーロ=1.4321ド ルから、今年6月7日には1.1877ドルまで上昇したが、その後は下 げている。

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