コンテンツにスキップする

【今週の債券】長期金利は1.1%台後半か、買われ過ぎの反動や指標強

今週の債券市場で長期金利は1.1% 台後半から1.2%付近で推移しそう。最近の急激な相場上昇の反動で 売りが出やすいほか、日銀の企業短期経済観測調査(短観、6月調査) や鉱工業生産で国内景気の回復基調が示される可能性があるためだ。

みずほインベスターズ証券の井上明彦チーフストラテジストは、 今週の長期金利について、「このところ買われ過ぎた反動で相場は弱含 みとなりそうだ。経済指標が底堅い内容となれば、1.2%台に乗せる展 開になる」と予想している。

長期金利の指標とされる新発10年債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが25日までに市場参加者4人に聞いた今週の予想レン ジは全体で1.10%から1.25%となった。前週末の終値は1.145%。

前週の長期金利は1.2%台前半から1.1%台前半まで低下した。欧 州財政不安に加えて、米国経済の先行き不透明感の強まりで、日経平 均株価が下落基調を強めたことが買い材料視された。22日に1.2%を 割り込み、24日には2008年9月のリーマン・ショック後の最低水準 (1.155%)を下回り、一時は1.125%と約7年ぶりの低水準を付けた。

しかし、前週だけで10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近く も下げたことから、急激な金利低下に対する警戒感が出ている。シテ ィグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは、「現在の水準で積 極的に買う向きは少数にとどまる」とみている。

こうした中、市場の関心が景気動向に向けられ始めており、今週 発表される重要経済統計が注目される。ブルームバーグ調査によると、 7月1日発表の日銀短観で大企業・製造業DIはマイナス3、非製造 業DIはマイナス7と、前回(製造業DIマイナス14、非製造業DI マイナス14)からいずれも改善が続く見通し。6月29日に発表され る5月の鉱工業生産指数は前月比横ばいが予想されている。

米国債市場の動向も注目だ。米10年債利回りは前週に約1カ月ぶ りの低水準となる3.06%程度まで下げた。シティグループ証の佐野氏 は「3.06%はチャート上、ダブルボトムであり、これを割れば2%台 突入といった声が増えても不思議ではない」と分析している。

需給環境は引き続き良好とみられている。4-6月期の四半期末 を迎えて投資家の運用需要が強まっている一方、今週は流動性供給以 外に利付国債入札が予定されていない。さらに月末にかけて投資家が 保有債券の年限を長期化させる買いも期待されている。みずほインベ スターズ証の井上氏は、「月末には債券インデックス(指数)に絡んだ 買いが入れば相場の下支え要因となる」と話した。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、「米国で景気 減速への懸念が高まったことで債券残高の積み増しが十分でない投資 家に焦りが出てきた。10年ゾーンは利益確定売りをこなしながら金利 水準を切り下げたため、当面は1.2%に近づく過程で買いが増えそう」 だと言う。

市場参加者の予想レンジとコメント

25日までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通 り。先物は中心限月9月物、新発10年国債利回りは308回債。

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物9月物140円70銭-141円40銭

新発10年債利回り=1.10%-1.17%

「長期金利は1.1%台でのもみ合いか。米国で景気減速への懸念 が高まったことで、債券残高の積み増しが十分でない投資家に焦りが 出てきた。10年ゾーンは利益確定売りをこなしながら金利水準を切り 下げたため、当面は1.2%に近づく過程で買いが増えそう。鉱工業生 産などの指標は予想対比で弱めの時に買い材料となりやすい」

◎三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長

先物9月物140円50銭-141円50銭

新発10年債利回り=1.10%-1.20%

「10年は1.15%を挟んでもみ合い。買い進みづらい水準だが、四 半期末の駆け込み需要で利回り曲線が平たん化している流れを考える と低下余地も出てくる。円高の進行にも注意が必要だろう。ただ、7 月に入れば相場が一変する可能性もある。短観発表をきっかけにいっ たん売りを出せば、来週の10年入札に向けて水準も調整できる」

◎みずほインベスターズ証券の井上明彦チーフストラテジスト

先物9月物140円20銭-141円10銭

新発10年債利回り=1.15%-1.25%

「買われ過ぎた反動で調整の動きとなり、相場は弱含みか。日銀 短観や鉱工業生産など指標が底堅い数字となれば、1.2%台に戻す展開。 生産は増加基調を継続すると見込んでいる。一方、米長期金利が低下 し、月末に債券インデックスに絡んだ買いが入れば相場の下支え要因 になる。米長期金利が3%を割り込めば日本の1.2%割れに問題はな い」

◎パインブリッジ・インベストメンツの松川忠債券運用第二部長

先物9月物140円50銭-141円30銭

新発10年債利回り=1.10%-1.20%

「ギリシャ財政問題を背景に各国は財政政策をめぐってぎくしゃ くしている。株価も脆弱(ぜいじゃく)だ。米長期金利が3%を割り 込めば日本も1.1%を試しそう。中期債が買われていない半面、超長 期債が買われており、利回り曲線は平たん化している。四半期末で投 資家の需要がある半面、利益確定売りも出やすい」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editors:Hidenori Yamanaka, Masaru Aoki

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 池田祐美 Yumi Ikeda +81-3-3201-2490 yikeda4@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift +81-3-3201-2078 or rswift5@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE