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対印原発売り込み合戦に号砲-原子力協定交渉28日開始

原子力発電所建設規模で中国ととも に世界的な注目を集めるインドに、日本のメーカーもいよいよ参戦する 道が開けた。外務省はインドとの原子力協定締結に向けた交渉を28日か ら2日間にわたり都内で開催すると発表した。同協定を結んでいないば かりに原発が売り込めなかった日本のメーカーにとっては待ちに待った 朗報だ。

同交渉には日本側から北野充外務省南部アジア部審議官、インドか らゴータム・バンバワレ外務省東アジア局長が出席する。

世界原子力協会がウェブサイトで公開している資料によると、イン ドは今後約35基(4200万キロワット規模)の原発建設を計画。新設計 画の規模では中国に次ぐ世界第2位の市場だ。

原子力協定が締結されれば、海外で原発受注攻勢をかける方針を示 した三菱重工業や日立製作所、東芝といった国内メーカーの商機が一気 に拡大する。原発関連の設備を輸出するには、原子力協定の締結が前提 条件となるが、インドは核不拡散条約(NPT)に加盟していないこと から協定を結ぶ上でネックになっていた。

今回、協定に向け交渉が開始されることになったことについて、早 稲田大学の山本武彦教授は「背景には、商業的なものが色濃い。インド への原子炉や付帯設備の輸出は、日本の今後の貿易収支に大きく貢献す るだろう」と話した。

インドとの間の原子力協定締結については、唯一の被爆国として国 内で反対の声が上がる可能性もある。日米をはじめ英仏、ブラジルなど 46カ国が加盟している原子力供給国グループ(NSG)は2008年にイ ンドへの原子力関連の輸出を例外的に認める判断を下しており、フラン スや米国はインドと既に協定を締結している。NSGは1974年のインド の核実験をきっかけに設立され、原子力関連機材・技術の輸出国が守る べき指針を規定している。

山本氏は「いくらNSGで世界的には容認されたインドであれ、N PTには加盟していないことから、技術の再移転を防ぐ不拡散の条項は 入れないといけない」と指摘。NPTに加盟していないインドと交渉す るということは「日本が基本的な原子力政策を見直すということを意味 する」と述べた。

日本は米国、英国、フランス、カナダ、豪州、中国、欧州原子力共 同体と原子力協定を締結。ロシアやカザフスタン、ヨルダンなどとの間 で交渉している。

地球温暖化ガスの排出削減が急務となっている中で、二酸化炭素 (CO2)をほとんど排出しない原発が世界的に見直されており、日本の 原発各メーカーは世界各国で原発を受注する体制構築を急いでいる。

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