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チェルノブイリの記憶薄れ、東欧に原発ブームが再燃-メーカーに好機

ドイツとの国境から車で1時間足 らずのポーランドのクレムピチ村。レフ・ウォイシエシンスキ氏はチ ェルノブイリ原子力発電所事故の悪夢を克服、ポーランド初の原発建 設を望んでいる。

ウォイシエシンスキ氏は「チェルノブイリのことはよく覚えてい る。何年前だっけ。技術は全く違うレベルに進んでいる」と述べた。 同氏は起業家で、原子力政策を管轄する政府関係者と住民との対話集 会を設定した。

ウクライナのチェルノブイリ原発の炉心溶融事故から24年が経過、 東欧では原発ブームが戻った。同事故は原発事故史上最悪で、東欧地 域も放射能で覆われ、原発開発を中止に追い込んだ。110億ドル(約 9900億円)に上る原発開発計画の中で、クレムピチ村は27候補地の うち2番目に挙げられている。年末に決定される。ポーランドは電力 の95%を石炭火力に頼っている。

旧ソ連型原発

欧州連合(EU)に加盟している旧共産圏10カ国のうち8カ国は 大気汚染を減らしロシアからのガス供給依存度を低下させるため、 GE日立ニュークリア・エナジーやウェスチングハウス・エレクトリ ックといった企業が持つ安全な技術に注目している。

雇用をもたらすとして原発建設誘致を望む地元住民に対し、反対 派は環境破壊、放射能漏れ・廃棄物処理のリスクを強調し、社会保障 費や行政費用が削減されている中での多大な投資を問題にしている。

環境保護団体グリーンピースの気候・エネルギー問題広報担当、 カタジナ・グゼク氏は「ポーランドは一歩下がって、本当に原子力が 必要か問い直すべきだ」とし、エネルギー効率を高め再生エネルギー 技術に投資することで安く排気ガスを削減できると主張した。

原発ブームが再燃しているのは、ポーランドだけではない。バル ト3国のエストニア、ラトビア、リトアニアも旧ソ連設計によるイグ ナリナ原発を建て替えたい意向だ。2004年のEU加盟協定に基づき、 同原発はチェルノブイリ原発と同型のため、昨年閉鎖された。

チェコとスロバキアは既存の設備を拡張しようとしている。07年 のEU加盟で原発を閉鎖したブルガリアは原発事業の再建しようとし ているほか、ルーマニアも黒海近くのチェルナボーダ原発で原子炉2 基を新設する意向だ。

脱ロシア依存

東欧諸国はロシアのガス供給停止に陥る状態を避けようとしてい る。09年1月にはロシアとウクライナが対立し、ブルガリアとスロバ キアにガス供給が一時停止されたほか、他の東欧諸国でも配給制を取 らざるを得なくなった。

ベラルーシは22日、代金未納問題で、ロシア国営天然ガス会社ガ スプロムが「ガス戦争」を仕掛けていると非難し、欧州へのガス供給 が止まるリスクが高まった。ガスプロムは24日、両国が未納代金支払 い問題を解決したことで、供給を再開した。

ウェチングハウスやフランスのアレバにとっては、東欧に橋頭保 を築く絶好の機会が訪れている。ポーランドの最大手PGEとチェコ の最大手CEZも原発ブームに乗ろうと狙っている。

CEZは80億ドルをかけテメリンにある2基の原子力プラント を倍増するために、アレバ、ウェスチングハウス、ロシアのアトムス トロイエクスポルトと交渉中。ドコバニ・プラントで5基目の原子炉 を増設するかどうか2年以内に決定する。

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