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円が対ドルで約1カ月ぶり高値圏-欧米不安でリスク回避、G20注目

東京外国為替市場では円が対ド ルで約1カ月ぶりの高値圏で推移した。欧州の財政・金融不安や米国 の景気回復鈍化懸念を背景にアジア株が軟調に推移するなか、リスク 回避に伴う円高圧力がくすぶった。

一方、週末に20カ国・地域(G20)首脳会合を控えて、欧州債 務危機への対応や金融規制などの行方を見極めようと、積極的な取引 は手控えられがちだった。

ドル・円相場は前日の海外市場で1ドル=89円23銭と5月21 日以来、約5週間ぶり円高値を付けたが、この日の東京市場でも89 円71銭を日中安値に円が底堅く推移。一時は89円42銭まで円が買 われる場面も見られた。

シティバンク銀行個人金融部門リテール・プロダクト本部為替市 場調査の尾河真樹シニアマーケットアナリストは、今週発表された米 住宅指標の下振れやFOMC(米連邦公開市場委員会)の景気判断引 き下げを受け、「市場では米国の出口がさらに後退したとの見方が台 頭している」と解説。米国の長期金利が低下傾向にあるなか、「日米 利回り格差が縮小すると、短期的にはどうしてもドル安・円高方向に 圧力がかかりやすい」と指摘した。

欧州不安と景気の先行き懸念

前日の海外市場では、ギリシャ国債の保証コストが過去最大に上 昇したことや米景気の回復鈍化懸念を背景に欧米株式相場が下落。 25日のアジア株も軟調な展開となり、日経平均株価は前日比190円 86銭(1.9%)安で取引を終えている。

東海東京証券金融市場部トレーディンググループマネージャー、 二瓶洋氏は、市場では金融規制強化への警戒感があるほか、株価の伸 び悩みによる景気の二番底リスクも懸念されていると指摘。「きょう もリスク回避で消去法的に円が買われやすい流れが続く可能性が高く、 ドル・円、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)ともにある程度、 下押しのバイアスを意識しておく必要がある」と話していた。

また、カナダロイヤル銀行債券為替部の高安佳子部長は、円買い について、「円のファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)に基づ いているわけではない」といい、「消去法的な円買い」が長続きする と見ている向きは少ないだろうと語った。

ユーロ相場

ユーロ・円相場は1ユーロ=110円台半ばを中心にもみ合う展開 が続いた後、午後には一時、110円4銭まで円が上昇。ただ、前日の 海外市場で付けた2週間ぶり円高値(109円54銭)に向けてさらに 円を買い上げる動きは見られず、その後は円が伸び悩んだ。

また、ユーロ・ドル相場は一時、1ユーロ=1.2300ドルを割り 込む場面が見られたが、1.23ドル台前半でもみ合う時間帯が長かっ た。

シティバンク銀の尾河氏は、ユーロについて、来月に欧州の金融 機関に対するストレステスト(健全性審査)の公表を控えて、「一部 ではこれ以上金融不安が広がらないのではという楽観的な見方も出て いるが、一方で財政不安が収まったわけではなく、綱引きの状態」と 解説した。

カナダロイヤル銀の高安氏は、「ギリシャの国債保証コストが過 去最高水準を更新したり、国債の対独スプレッド(上乗せ利回り)が 拡大しつつあるなどマイナスの材料がまた出てきているが、半期末や 週末を前にユーロの巻き戻しがまだ出ているので、意外に下がらない。 ただ、7月以降をにらんでユーロを売ってくる向きも出てくる可能性 があるので、ユーロの上値は重いだろう」と指摘していた。

G20首脳会議

中国人民銀行(中央銀行)は25日、人民元の対ドルの中心レー トを過去最高の1ドル=6.7896元に設定した。週末のG20首脳会 議を控え、前日の中心レートより0.3%高い水準に設定した。前日の 終値も0.15%上回った。

シティバンク銀の尾河氏は、G20では欧州の債務危機に対する 対応などが焦点になるとした上で、中国が弾力化方針を発表した人民 元については、「まだ米議会の一部で不満もあるようだが、一定の成 果は見せたので、為替については大きな変動はない」とみている。

カナダのフレアティ財務相は24日、G20首脳会合で「鍵」と なる議題は、いかにして成長と赤字のバランスをとるかだと指摘。ド イツのメルケル首相は、同会合では経済政策から金融規制に至る幅広 い議題で意見の対立が起きると予想した。

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