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日本株は下落、輸出主導でTOPIX4連続安-欧米不安

東京株式相場は下落。米国の一部 企業業績が市場予想に届かなかったほか、ギリシャ国債の保証コスト が過去最高に上昇し、世界経済の先行きが不安視された。為替の円高 方向への動きも警戒材料となり、電機や精密機器など輸出関連、ガラ ス・土石製品や鉄鋼、海運といった景気敏感業種中心に下げた。

日経平均株価の終値は前日比190円86銭(1.9%)安の9737円 48銭と反落、TOPIXは同12.47ポイント(1.4%)安の867.30 で4日続落となった。

ちばぎんアセットマネジメントの桶矢雅嗣運用部長によると、 「毎日のように欧米で悪材料が出てくるので、株価に割安感があって も買いの手を伸ばせない」という。世界的に金利が低下傾向にあると ころを見ても「投資家全般のリスク回避姿勢の強さがうかがえ、積極 的に動ける状況にはない」と話した。

24日の米国株市場では、スポーツ用品のナイキなどが前日夕発 表した決算や業績見通しが市場予想を下回ったことを受け、消費関連 や素材、エネルギー、金融株などが幅広く売られ、ダウ工業株30種 平均は前日比145.64ドル(1.4%)安の10152.80ドルで終えた。立 花証券の平野憲一執行役員は、「米国では住宅指標などマクロ経済統 計の悪化に続き、ミクロ面でも危うさが見え始めた」と指摘している。

一方、ギリシャ国債を保証するクレジット・デフォルト・スワッ プ(CDS)のスプレッドは24日、145ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇し1077bpと過去最高を更新。景気回復の足 踏みが同国の債務問題の解決を難しくするとの懸念がリスク警戒感を 高めた。欧州では、24日発表された4月のユーロ圏鉱工業新規受注 の伸びが予想以下にとどまり、前日には6月のユーロ圏のサービス業 と製造業統計で、活動拡大ペースの鈍化も示されていた。

G20不安も、25日線割れ

外国為替市場では、リスク回避先として円を買う動きが続き、東 京時間午後には1ドル=89円40銭台、1ユーロ=110円4銭まで前 日比較で円高方向に振れた。収益への悪影響が不安視され、ファナッ ク、キヤノン、オリンパスが下落。欧州売上比率の高い旭硝子や日本 板硝子などガラス・土石製品株が下げ、世界的な海上荷動きの鈍化を 懸念し、商船三井など海運も安い。三菱商事など商社株も売られた。

みずほインベスターズ証券の稲泉雄朗エクイティ情報部長は、 「金融市場での株売り、債券先物買い、円買いを見ると、まるで世界 景気の二番底を確信したかのような動きだ」と言う。また、週末にカ ナダで開催される20カ国・地域(G20)首脳会議で、「欧州と米国の 対立関係が鮮明になることへの警戒感も重しになった」としていた。

日経平均は、午後に230円安まで下げ幅を拡大。16日にはダブ ルボトム(Wボトム)を形成、先高観も出ていたが、きょうは一転し て投資家の短中期売買コストを示す「25日移動平均線(9782円)を 割り込んだことで、上昇期待は一気にしぼむ」と、立花証の平野氏は 警戒感を示している。

もっとも、野村証券金融経済研究所の若生寿一シニアストラテジ ストは、世界景気の循環的な回復は崩れてないとの見方だ。G20会 議で、「財政再建を急がずに、景気重視の方向性が示されれば、ファ ンダメンタルズに対する過度の不安は和らぎ、株式相場では来週に買 い戻しも見込める」と予測していた。

東証1部の売買高は概算で18億8921万株、売買代金は1兆 2772億円。業種別33指数は電機や輸送用機器、機械、化学、卸売、 不動産、銀行、鉄鋼など29業種が下げ、電気・ガス、医薬品、パル プ・紙、ゴム製品の4業種が高い。騰落銘柄数は値下がり1243、値 上がり322。

半導体関連下げ、ディフェンシブ堅調

個別では、クレディ・スイス証券とみずほ証券から投資判断の引 き下げを受けた東京エレクトロンが急落。みずほ証が投資判断を下げ た大日本スクリーン製造やエルピーダメモリ、ディスコが売られ、ア ドバンテスト、SUMCOなど半導体関連株は軒並み安い。クレディ S証が投資判断を弱気に下げたキヤノンは、2月来の安値を付けた。

公募増資を発表したスクロールは、1株価値の希薄化懸念などで ストップ安。金利低下メリット期待で前日堅調だった不動産株が反落 し、業種別33指数で値下がり率トップ。三井不動産、三菱地所、住 友不動産がいずれも3%超下げた。このほか、みずほフィナンシャル グループが最大60億株の公募増資を実施する方針を固め、きょう開 く取締役会で発行決議する、と午後にロイター通信で報じられたこと を受け、みずほFGが年初来安値を更新した。

半面、景気動向の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄の一角が 堅調で、塩野義製薬、ツムラ、関西電力が高い。円高メリット業種の パルプ・紙では、レンゴー、王子製紙が上昇。値上げ浸透などが寄与 し、未公表だった2010年12月期の連結純利益見通しを770億円(前 期実績は10億4300万円)と発表したブリヂストンは4日ぶり反発。 サッカーのワールドカップで日本が決勝トーナメント進出を決めたこ とから、スポーツ用品関連のミズノ、ゼビオも小高い。

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前日比0.4%安の51.97 と小幅に3日続落。東証マザーズ指数は2.1%安の402.88、大証ヘラ クレス指数は1.8%安の617.43とともに反落。

11年3月期の業績予想の開示を延長すると発表したインスパイ アーが急落。一建設、サイバーエージェントが売られ、前日まで4日 連続で上場来高値を更新していたスタートトゥデイが反落。半面、23 日に新規上場のパピレスが13%高と急騰。自社株買い方針を示した 総合臨床ホールディングスがストップ高。第1四半期の営業利益が前 年同期比2.4倍となったパレモも急伸。

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