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郵船:定期船事業黒字が予想以上に進展も-運賃回復基調(Update1)

売上高で国内海運最大の日本郵船 では、収益悪化の主因だったコンテナ船運賃の回復により、定期船事 業の今期(2011年3月期)黒字転換が予想以上に進展する可能性が出 てきた。欧米向けの荷動きはリーマンショックの最悪期を脱し回復の兆 しを見せており、同社は今後、運賃の改定交渉を進め収益拡大を目指 す。

郵船の甲斐幹敏経営委員は24日のインタビューで、運賃改定につ いて、主要航路の北米向けで荷主側と7-9月の繁忙期のサーチャー ジ(特別付加運賃)上乗せの交渉中であることを明らかにした。改定 が実現すれば、業績の上振れ要因になると指摘する。

運賃は今年に入り、すでに2回値上げ。標準的な20フィートのコ ンテナにつき、200ドル前後の運賃改定を要求している。甲斐氏は「現 時点で具体的な数字はまだ分からず、交渉がどう決着するのかは予断 を許さない」と述べた。

甲斐氏は「(燃料)コスト削減のため、コンテナ船のスロースチー ミング(減速運航)を徹底しているが、これが結果的に需給バランス をタイトにしている要因の一つ」と述べ、「今後もスロースチーミング は相当期間、継続する。今の海運業界で解除は考えにくい」との認識 を示した。

欧米の荷動き回復基調

世界的な景気動向に関して甲斐氏は「米国は力強い回復ではない が、最悪期だった昨年の秋あたりから自動車部品、電気製品などが回復 してきた」と述べたほか、「今年に入ってようやく、07年から落ちっぱ なしだった家具や建築資材などの住宅関連が動き始めた」という。

アジアから欧州向けのコンテナ船運賃については「需給はタイト で、すでに今期予想を上回る水準で推移している」と述べ、「今となっ ては多少、保守的な予想だった」との認識を示した。一方、現在その兆 候はないと断った上で、「欧州経済の先行きやユーロ通貨の下落などの 可能性が懸念材料」と付け加えた。

郵船が4月27日に発表した今期業績予想で、定期船事業は売上高 4400億円(前期3781億円)、経常損益が5億円の黒字(同554億円の 赤字)をそれぞれ見込んでいる。

中国やや減速も「強気維持」

甲斐委員は、不定期船事業では、鉄鉱石や石炭、穀物を運ぶばら積 み船事業部門について、鉄鉱石世界最大の消費国である中国の輸入に関 連した荷動きと中国政府の動向には常に注視していると述べた。さら に、景気過熱抑制の政策で「建設がスローダウンしている影響などで鋼 材価格が下がっている」と指摘、ばら積み船の主力である積載重量15 万トン超の「ケープサイズ・バルカーの市況動向を少し心配している」 という。

ただ、「中国の駐在からの報告では、内陸部の需要は依然旺盛で、 実需が激減していることはない」と語り「基本的には強気」とのスタン スを維持する考えを示した。現在96隻のケープサイズ船隊を、2年後 をメドに120隻規模まで拡大させる方針だという。同社はケープサイズ の4航路平均運賃は今期1日当り4万ドルを見込んでいる。

甲斐氏は、不定期船事業のもうひとつの柱である自動車専用 輸出船事業部門では、今期の輸送予想台数の前年同期比13%増の267万 台は「現時点では予想通りの推移で、四半期ごとに66、67万台程度だろ う」とし、前期第3四半期の65万台の水準をやや上回る格好が続くとの 見方を示した。

同社は今期、ばら積み船事業と自動車輸送事業を含む不定期専用船 事業では、売上高7900億円(前期7335億円)、経常利益550億円(同 366億円)をそれぞれ見込んでいる。

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