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今日の国内市況:TOPIX続落、長期金利7年ぶり低水準-89円後半

東京株式相場は、TOPIXが小 幅に3日続落。相次ぐ住宅関連統計の低調などで米国経済の先行き不 透明感が強まったほか、為替相場が1ドル=89円台の円高方向で推移、 収益の先行き懸念から自動車やゴム製品など輸出株の一角が売られた。 金利敏感業種の銀行や保険株も安い。

一方、直近の下げで割安感が台頭した不動産やその他金融など内 需関連株が上昇。医薬品や陸運といった景気動向の影響を受けにくい ディフェンシブ業種も堅調だった。長期金利が約7年ぶりの水準に低 下したことは、不動産をはじめ負債が相対的に多い業種にはプラスと なった。

TOPIXの終値は前日比1.07ポイント(0.1%)安の879.77。 日経平均株価は同4円64銭(0.1%)高の9928円34銭と3営業日ぶ りに小反発となった。

米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOM C)で、欧州の債務危機が米国の経済成長に打撃を与える可能性につ いて言及。FOMC声明は、「金融の状況は総じて経済成長を支える方 向性を弱めており、これは主に国外の展開を反映している」と指摘し た。

このほか、米商務省が発表した5月の新築一戸建て住宅販売(季 節調整済み、年率換算)は前月比33%減少し30万戸と、1963年の集 計開始以来の最低に落ち込んだ。減少率も過去最大、エコノミストの 予想中央値は41万戸だった。

外国為替市場では景気減速に対する逃避先として円を買う動きが 先行。東京時間は1ドル=89円台後半、1ユーロ=110円台後半で推 移する時間帯が長かった。このため、収益への影響を不安視する見方 が広がり、時価総額上位では信越化学工業、TDK、トヨタ自動車、 コマツなど輸出株の一角が下げた。

一方、日経平均の日足チャートは16日に「ダブルボトム(Wボト ム)」を形成し、目先は先高観を抱く市場参加者が少なくないほか、市 場の心理的節目とされる1万円を割り込む場面では、割安感が意識さ れやすいといった指摘も出ていた。

このほか、世界的な景気の先行きに不安が強い中、投資資金はデ ィフェンシブ業種に向かい、エーザイ、アステラス製薬、JR西日本 といった医薬品、陸運株が上昇。

業種別33指数はガラス・土石製品、ゴム製品、輸送用機器、銀行、 その他製品、鉱業、鉄鋼など20業種が下げ、不動産、その他金融、医 薬品、精密機器、水産・農林、海運、陸運、建設、卸売など13業種が 上昇。騰落銘柄数は下落791、値上がり711。

個別では、金利低下による利ざや縮小の連想から三菱UFJフィ ナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループなどの銀行株 が下げ、第一生命保険など保険株も軟調。前日に急伸したシキボウ、 ダイワボウホールディングスといったインフルエンザ関連が反落。エ ー・アンド・デイ、ソースネクスト、日本電産トーソク、新日鉄ソリ ューションズなどが東証1部の下落率上位に並んだ。

半面、債権回収会社から債務免除を受ける見通しになったサンシ ティがストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)。米アップルの新型携帯 電話「iPhone4」がきょうから発売開始となり、国内販売代行のソフト バンクが買われ、積極的なテナント誘致などが寄与し、3-5月期の 連結純利益が前年同期比3.5%増となったイオンモールも上昇。

長期金利は7年ぶり低水準

債券相場は3日続伸して、長期金利は約7年ぶりの水準まで低下 した。前日の米国市場で、連邦公開市場委員会(FOMC)の声明を 受けて景気懸念が強まり、米国債相場が上昇した流れを継続して買い が優勢となった。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の308回債利回 りは、前日比2ベーシスポイント(bp)低い1.145%で始まった。こ れは2003年8月18日に付けた1.105%以来の低い水準。その後は1.14 -1.145%で推移していたが、午後4時半過ぎには1.135%まで低下し た。

市場で節目とみられていた08年12月に付けた1.155%をあっさ り下抜けたことについて、現物債はあすの取引までは月内受け渡しが 可能で、新年度入り以降に残高を十分に積めていない投資家の資金流 入が続くなど好需給を反映した動きだとの解説があった。

超長期債相場も上昇。20年物の118回債利回りは一時4.5bp低い

1.885%まで低下。新発20年債利回りとして09年3月以来の1.9%割 れとなった。新発30年債利回りも一時は5bp低い1.95%と、昨年3 月以来の水準まで下げた。

東京先物市場で中心限月9月物は3日続伸。前日比15銭高の141 円7銭で始まり、直後に買いが増えると141円13銭まで上昇して、中 心限月ベースで9日以来の高値を更新した。その後は上値が重くなり、 141円ちょうどまで伸び悩む場面があったが、結局は14銭高の141円 6銭で終了した。

朝方には前日の海外市場の動向を受けて買いが先行した。23日の 米国市場では、5月の米新築住宅販売が大幅に減少したほか、米FO MCの声明文で国外要因が米経済成長の障害になる可能性を示唆した ことを受けて、米国債相場が上昇する一方で、米株式市場ではS&P 500種指数が3日続落した。

一方、財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)0.2%の2年 利付国債(294回債)の価格競争入札の結果は、最低落札価格が100 円9銭、平均落札価格は100円9銭2厘となった。

最低落札価格は事前の市場予想(100円9銭)と一致。最低と平 均落札価格との差である「テール」は2厘となり、前回と同じ水準に 決まっており、市場では無難な結果との声が聞かれた。応札倍率は

4.31倍となり、前回の3.68倍から上昇した。日経テレコンによると RBS証券が2340億円を落札した。

日本相互証券によると、2年物の294回債利回りは業者間市場で は0.155%で寄り付き、その後も0.155%で推移している。

為替は1カ月ぶりドル安水準

東京外国為替市場では、ドルが円に対して1ドル=89円台後半を 中心に、約1カ月ぶりの安値圏で推移した。米連邦準備制度理事会(F RB)の慎重な景気認識を背景に超低金利政策の長期化観測が強まる 中、引き続き経済指標の弱含みが警戒され、ドル買いを進めにくい展 開が続いた。

ドル・円相場は前日の海外市場で一時89円74銭と、5月25日以 来、約1カ月ぶりのドル安値を付けている。東京市場においてドルは 下げ渋りとなったものの、90円台乗せ目前で跳ね返される展開が続い た。

また、ユーロ・ドル相場は正午過ぎに一時1ユーロ=1.2352ドル と、2営業日ぶりの水準までドル売りが進んだ。

一方、アジア時間には、オーストラリアのラッド首相が辞任した ことを受けて、政府が提案していた資源税の修正観測を背景に豪ドル が上昇。クロス・円(ドル以外の通貨と円の取引)全般に円売り圧力 が波及する場面もみられた。

FRBが23日に発表したFOMC声明では、政策金利であるフェ デラルファンド(FF)金利の誘導目標を「長期にわたり」ゼロ近辺 にとどめる方針があらためて示された。市場では、当局の景気認識に 下振れ感がにじみ出ていることから、米金利低下を通じてドルにとっ てはネガティブに作用するとの声が聞かれた。

米住宅市場の低迷が鮮明となる中、この日の米国時間には新規失 業保険申請件数など雇用関連指標や耐久財受注が発表される。市場が ドル売りの材料に反応しやすい地合いにあることから、景気指標が市 場予想を下回るなど弱い内容となれば、海外市場でドルの下値が崩れ る展開もあるといった見方も出ていた。

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