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需給ギャップとの相関は企業向けサービス価格指数が一番上-日銀報告

日本銀行は24日午後、消費者物価 指数(CPI)や国内企業物価指数(CGPI)よりも企業向けサー ビス価格指数(CSPI)の方が「需給ギャップとの相関が高く、景 気循環に敏感に動く傾向が強い」とするリポートを公表した。

リポートは日銀レビュー「CSPIからみた日本経済」。CSPI が企業間で取引されるサービス価格を調べた物価指数なのに対し、同 じ企業間取引でも財の価格を対象にしているのがCGPIだ。消費者 の購入段階で、財・サービス双方の価格を対象にしているのがCPI だ。リポートは「需給ギャップと各物価指数の前年同期比の相関係数 を計算すると、CSPIが最も高い値となっている」と指摘している。

日本経済の総需要と供給力の乖離(かいり)を示す需給ギャップ との相関が高いのは、CSPI、CPI財価格、CPIサービス価格、 CGPIの順。意外なのは、日銀が金融政策運営上、伝統的に重視し てきたCGPIと需給ギャップの相関が最も低いことだ。リポートに よると、「国際商品市況の影響を強く受ける分、CGPIは国内の需給 ギャップとの連動性が見えにくくなっている」という。

リポートは「CGPIには石油・石炭製品、非鉄金属といった海 外市況や為替にほぼ連動する品目のほか、原料炭や鉄鉱石の市況から 強く影響を受ける鉄鋼・建材関連の品目が含まれるため、国際商品市 況の影響がより強く出やすい」と指摘する。5月のCGPIは前年同 月比0.4%上昇と2008年12月以来1年5カ月ぶりにプラスに転じた。

CPI財価格にも注目

一方、CSPIとCPIサービス価格は、同じサービスを対象に しているにもかかわらず、「両者の相関はさほど高くなく、需給ギャッ プとの相関にも差が生じている」という。企業のサービス需要は「国 内運輸関連をはじめとして、景気変動に合わせてある程度弾力的に調 整される」のに対し、家計のサービス需要は「教育費や介護サービス など、景気に対して非弾力的なものが含まれている」ためだ。

一見すると、あまり関係がなさそうなCSPIとCPI財価格の 相関が高いことも注目される。リポートによると、家計の財需要には 「自動車などの耐久財需要のように、景気感応的に推移するものも含 まれる」ため、「こうした需要の性格を反映して、CPI財は需給ギ ャップとの相関がCSPIに次いで高い値となっており、結果として、 両者の相関も高いものとなっている」という。

24日発表された5月の企業向けサービス価格指数(CSPI)は 前年同月比0.8%下落した。既に水面上に浮上したCGPIと比べる と、出遅れ感がある。

CSPIでもデフレ圧力が緩和

BNPパリバ証券の加藤あずさエコノミストは「製造業セクター を中心に企業業績は改善傾向にある。収益の回復を受けて、企業はコ ストに対する抑制的なスタンスを徐々に緩めつつあり、企業向けサー ビスに対する需要も徐々に持ち直し始めている」と指摘。これを受け て、「企業向けサービス価格(国際運輸を除く)の下落にも歯止めが 掛かってきたようすだ」という。

さらに、「日本経済は09年第2四半期から10年第1四半期の間に 年率平均4%を超える速いペースで拡大しており、需給ギャップの改 善を背景に消費者物価の下落率は既に縮小傾向にある」と指摘。「こ れまで回復が遅れていた企業向けサービス価格指数からも、デフレ圧 力が緩和してきたことが示唆されるようになってきた」としている。

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