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長期金利は7年ぶり水準、1.135%まで低下-米景気懸念や投資家買い

債券相場は3日続伸し、長期金利 は約7年ぶりの水準まで低下した。前日の米国市場で、連邦公開市場 委員会(FOMC)の声明を受けて景気懸念が強まり、米国債相場が 上昇した流れを継続して買いが優勢となった。

東京海上日動火災保険投資部の岳俊太郎債券投資グループリーダ ーは、投資家の買いが継続している背景として、米住宅関連指標の悪 化やFOMC声明文などを受けて、米国の景気減速に市場のテーマが 移っていると説明した。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の308回債利回 りは、前日比2ベーシスポイント(bp)低い1.145%で始まった。こ れは2003年8月18日に付けた1.105%以来の低水準。直後には2.5bp 低い1.14%まで低下した。いったんは1.145%を付けたが、再び水準 を切り下げ、午後4時30分過ぎからは1.135%に低下している。

新発10年債利回りは、市場で節目とみられていた08年12月に付 けた1.155%をあっさりと下抜けした。大和証券キャピタル・マーケ ッツの小野木啓子シニアJGBストラテジストは、「現物債はあすの取 引までは月内受け渡しが可能であるため、新年度入り以降に残高を十 分に積めていない投資家から資金流入が続く可能性が高い」と話して いた。

超長期債が上昇。20年物の118回債利回りは一時4.5bp低い

1.885%まで低下。新発20年債利回りとしては09年3月以来の1.9% 割れとなった。新発30年債利回りも一時5bp低い1.95%と、昨年3 月以来の水準まで下げた。東京海上日動火災の岳氏は、「ここ数日間は 利回り曲線のブル・フラット(平たん)化が続いている。中期債ゾー ンの金利が低下したため、長い年限に買いの手が伸びている」と説明 した。

FOMC声明が支援材料

朝方は前日の海外市場動向を受けて買いが先行した。クレディ・ スイス証券の河野研郎債券調査部長は、「期間の長いゾーンの金利の低 下が目立っている」と指摘。FOMCの声明については、金融の状況 は総じて経済成長を支える方向性を弱めているとの表現やインフレの 低下基調に言及するなど債券の買い材料とみなされていると述べた。

23日の米国市場では、5月の米新築住宅販売が大幅に減少したほ か、FOMC声明文で国外要因が米経済成長の障害になる可能性を示 唆したことを受けて、米国債相場が上昇し、米株式市場ではS&P500 種指数が3日続落した。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコ ノミストは、「市場がこのところ特に注視している米国の景気・物価の 下振れリスク増大と、超低金利政策の一層の長期化観測について、今 回の声明文は、いわばお墨付きを与えた形」との見方を示した。

一方、東京先物市場で中心限月9月物は3日続伸。前日比15銭高 の141円7銭で始まり、直後に買いが増えると141円13銭まで上昇し、 中心限月ベースで9日以来の高値を更新した。その後は上値が重くな り、141円ちょうどまで伸び悩む場面があったが、結局は14銭高の141 円6銭で終了した。

2年債入札は無難な結果

財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)0.2%の2年利付国 債(294回債)の価格競争入札の結果は、最低落札価格が100円9銭、 平均落札価格は100円9銭2厘となった。

最低落札価格は、事前の市場予想(100円9銭)と一致した。最 低と平均落札価格との差である「テール」は2厘となり、前回と横ば い。市場では無難な結果との声が聞かれた。一方、応札倍率は4.31 倍となり、前回の3.68倍から上昇した。日経テレコンによるとRBS 証券が2340億円を落札した。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、2年債入札に ついて、「余剰資金の運用先として、たんたんと買いが入っている」と 述べた。

日本相互証券によると、この日入札された2年物の294回債利回 りは業者間市場では0.155%で寄り付き、その後も0.155%で推移して いる。

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