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ユーロはさらに20%下落も、長期金利は年末1.0%目指す展開-RBS

RBS証券は、ユーロ圏が欧州債 務危機を背景に、財政再建と金融機関の資産・債務圧縮による低成長・ デフレ圧力に苦しむ一方、ユーロ安は景気・物価の押し上げ要因にな ると予想する。日本経済は実質金利の高止まりと円高の悪循環が続く 限り低成長から抜け出せず、長期金利は今年末に約7年ぶり低水準の

1.0%を目指すとの見通しも示した。

西岡純子チーフエコノミストは23日午後の顧客向けセミナーで、 欧州の財政再建に伴い「GDPは伸びにくく、デフレ議論も表面化し てくる」と分析。ユーロ・ドル相場は「金利差とインフレ格差、経常 収支から推計した適正水準より、なお割高だ」と指摘。「さらに20% 下落しても、まだ割安とは言えない」と語った。

同社の経済見通しによると、ユーロ圏の実質国内総生産(GDP) は今年1.2%、11年も1.3%増にとどまる。米国は3.4%、4.3%。日 本は3.2%、1.8%と見ている。ギリシャの財政危機に端を発した債務 不安が欧州連合(EU)内の重債務国にも広がる中、ユーロ相場は急 落。7日には対ドルで一時1ユーロ=1.1877ドルと06年3月以来、 円に対しても1ユーロ=108円8銭と01年11月以来の安値を付けた。

西岡氏は、低成長・デフレ懸念などがもたらす「ユーロ安は景気 を下支えする面もある」と述べた。主な貿易相手国に対するユーロ相 場が10%下落すると、GDPを3年目までに1.7%、インフレ率を1% 押し上げると推計。ユーロ圏は最終的には、域内経済規模の約3分の 1を占め、輸出の対GDP比率が高いドイツがけん引する形で景気回 復に向かうと予想した。

日本の実質金利は「最悪」

日本経済に関しては、名目金利からインフレ率を差し引いた「実 質金利の高止まりが最悪の問題点だ」と強調。他国より実質金利が高 いため円高になりやすく、円高が物価の下落を通じて実質金利を押し 上げるという「デフレのループ」に陥っていると説明した。「実質金利 が高いと、企業の設備投資も伸びない」と指摘。国内景気は世界的な 金融危機後、外需主導で持ち直してきたが「平均的な成長率は1%台 半ばを目線の置きどころにせざるを得ない」と話した。

西岡氏は、実質金利を下げるには「円安誘導が効果的だ」と主張 した。円安が進めば輸入物価が上がり、インフレ期待が高まると指摘。 過去にインフレ期待が急速に高まったのは、08年夏にかけての原油高 局面ではなく、政府・日本銀行が巨額の円売り介入を実施した03年だ ったと述べた。円安誘導の可否は、人民元の切り上げ問題を抱える米 国や中国も含めた「国際的なパワーバランスなどによる」と語った。

長期金利は1.0%目指す展開

一方、国内債券相場について、福永顕人チーフ債券ストラテジス トは、年末に向けて一段と金利が低下する見通しを示し、長期金利の 指標とされる新発10年物国債利回りは、「瞬間的に1.0%を目指す動 きになる可能性がある」と述べた。実現すれば、日本銀行が量的緩和 政策を実施していた2003年8月14日以来、約7年ぶりの低水準とな る。新発10年債利回りは24日午前に1.14%まで低下した。

福永氏は、ユーロ圏の財政危機に関して、「日本の97年初めの状 況に近い」と語り、質への逃避やデフレ懸念を背景に、欧米の金融政 策引き締め時期がかなり遠のいたとの見方を示した。

米連邦準備制度理事会(FRB)は22、23日に開いた連邦公開市 場委員会(FOMC)で、欧州危機が米国の経済成長に打撃を与える 可能性について言及し、政策金利であるフェデラルファンド(FF) 金利の誘導目標を「長期にわたり」ゼロ近辺にとどめる方針を示した。

投資家動向に関して、福永氏は、銀行は預貸ギャップが拡大する 中、余剰資金を次第に長い年限の国債に振り向ける環境にあると指摘。 また生命保険は、海外の金利低下に加え、為替差損を回避するヘッジ コストの上昇により、ヘッジ外債の魅力が低下していることから、外 債から円債へ資金回帰を進める可能性があると分析。このため、利回 り曲線については、短中期債の金利低下が限られ、長期・超長期債の 金利低下余地を探る展開となり、ブル・フラット(平たん化)局面が 続くと見込む。

菅直人内閣は22日、国債費などを除く歳出の大枠を11年度から の3年間については今年度並みの年71兆円以下に抑えるとした「中期 財政フレーム」を閣議決定。基礎的財政収支の黒字化を遅くとも20 年度までに実現する目標も掲げた。歳入面では個人所得税、法人税、 消費税、資産課税など税制の抜本的な改革を行うため「早期に具体的 内容を決定する」などと強調。11年度の新規国債発行額を今年度の約

44.3兆円以下に抑制する方針も示した。

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