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5月の輸出額は6カ月連続増加-アジア向けの伸びに一服感

日本の5月の輸出額は前年同月比 で6カ月連続の増加となったものの、急回復してきたアジア向けに一 服感が見られ、伸び率は3カ月連続で小幅縮小している。

財務省が24日発表した5月の貿易統計速報(通関ベース)による と、輸出額は前年同月比32.1%増の5兆3110億円となったが、伸び 率は前月(同40.4%増)に比べて縮小した。輸入額は鉄鉱石や石炭な ど鉱物性燃料の価格上昇を背景に、同33.4%増の4兆9868億円と5 カ月連続で増加した。この結果、貿易収支(原数値)の黒字額は同

15.2%増の3242億円となった。

政府が18日に公表した6月の月例経済報告は、輸出や政策効果に 支えられて「景気は着実に持ち直してきており、自律回復への基盤が 整いつつある」とし、基調判断を3カ月ぶりに上方修正した。一方で、 設備投資や個人消費の増加も十分ではないとして、「回復宣言」は先 送り。輸出の自律回復への波及効果が焦点となっている。

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストはブルーム バーグ・ニュースに対し、「輸出主導の持ち直しが続いていることを 裏付けた内容だった」と指摘。一方で、先行きについては欧州の景気 動向や中国の人民元の切り上げなどのリスクを挙げ、「この先は輸出 の伸びは鈍化していく」と予想している。

クレディ・アグリコル証券の加藤進チーフエコノミストも「輸出 はかなり伸び切っていて、当初のV字型回復と同じスピードで回復す ることは期待できない。この先は金融市場の不安定な状況などを踏ま え、輸出の伸びは減速していく」との見方を示している。

エコノミスト調査の5月の予想中央値は輸出額が前年同月比

36.5%増、輸入額が同34.2%増で、貿易収支は4800億円の黒字だっ た 。

中国向け輸出、伸び率大幅低下

輸出を地域別でみると、アジア向けが前年同月比34.4%増の3兆 225億円と7カ月連続増加したものの、伸び率は前月(同45.2%増) に比べて縮小した。このうち、中国向けは同25.3%増の1兆212億円 で、前月(同41.4%増)に比べて伸び率が16.1ポイント下がった。

米国向けは同17.7%増の7580億円と5カ月連続で増加。欧州連 合(EU)向けは同17.4%増の6158億円と6カ月連続で増えた。

輸出入の品目では、輸出は米国やロシア向けの中型車やサウジア ラビア向けの大型車などを中心に自動車が前年同月比51.9%増加し たほか、鉄鋼が同73.6%増、半導体など電子部品が同25.6%増と好調 だった。輸入では原粗油が同49.1%増、液化天然ガスが同63.5%増、 非鉄金属が130.3%増と大幅に増加した。

季節調整値でみると、5月の輸出額は前月比1.2%減の5兆7988 億円と2カ月ぶりに減少。輸入額は同0.4%増の5兆3827億円だった。 同省は輸出の減少について月前半の黄金週間の影響を挙げている。

黒字額を主要地域別にみると、対米は前年同月比6.9%増の2392 億円、対EUは同51.9%増の1273億円。対アジアは前年同月比30.7% 増の7744億円だった。

--取材協力 氏兼敬子 Editor:Hitoshi Ozawa,Norihiko Kosaka,Kenshiro Okimoto

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