コンテンツにスキップする

日経平均1万円割れ、米経済不安で海運など景気敏感売り

東京株式相場は続落し、日経平均 株価は3営業日ぶりに1万円の大台を割り込んだ。中古住宅統計の低 調を受けて米国経済の先行きに警戒感が広がり、海運や鉱業、機械、 電機、精密機器など景気敏感株が軒並み下落。輸出関連業種にとって は、為替の円高進行も逆風となった。

日経平均株価の終値は前日比189円19銭(1.9%)安の9923円 70銭、TOPIXは同13.72ポイント(1.5%)安の880.84。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストによ ると、「米国では景気対策効果の一巡で、5月から年後半にかけて経 済回復が減速することは既定路線」という。ただ、5月に欧州財政懸 念で金融市場が大荒れとなったばかりで、「リスクに過敏になってい る投資家が、米住宅指標の予想未達に売りで反応した」と見ていた。

全米不動産業者協会(NAR)が22日発表した5月の中古住宅 販売件数は、年換算で前月比2.2%減の566万戸となった。前月比マ イナスは3カ月ぶり、エコノミスト調査の予想中央値は612万戸への 増加だった。22日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均の終値が 前日比148.89ドル(1.4%)安の10293.52ドルと続落した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の山岸永幸ストラテジスト は、「米国の個人消費や住宅関連指標の前月比で見た改善モメンタム が足元で弱まりつつあり、22-23日開催の米連邦公開市場委員会 (FOMC)の声明文で、米景気の減速が示唆されるとの警戒感につ ながった」と話していた。

円高の動き警戒、資源関連も売り

米景気の楽観論後退と欧州の根強い信用不安を背景に、外国為替 市場では、円が主要16通貨に対し上昇。東京時間23日は1ドル=90 円台前半、1ユーロ=110円台後半まで円高方向に振れた。「対ユー ロを中心とした円高進行の動きから、投資家が再びリスク回避に傾き 始めている様子がうかがえる」と、日興コーディアル証券エクイティ 部の西広市部長は言う。

米経済成長の鈍化や円高による収益環境の悪化が警戒され、輸出 関連株に朝方から売りが優勢。ファナック、信越化学工業、TDK、 キヤノン、京セラなどが日経平均のマイナス寄与度上位に入った。

また、東証1部の業種別33指数で下落率トップとなった鉱業は、 海外原油先物相場の反落も重なり、国際石油開発帝石、石油資源開発 をはじめ業種構成7銘柄がすべて下げた。ばら積み船の国際運賃市況 のバルチック海運指数が18営業日続落しており、業況の厳しさが懸 念されやすかった海運株も下げが目立った。

資源関連株については、「世界景気の減速により、原油をはじめ とした資源需要が軟化するとの見方が強まってきたほか、米海底油田 の掘削規制に関する問題が長期化の様相を呈していることも、投資家 の弱気姿勢を招いた」と、三菱UFJモルガン証の山岸氏は指摘した。

日経平均下げ幅200円場面も、個人買い目立たず

上海総合株価指数など中国株安の影響もあり、午後終盤に日経平 均は下げ幅を200円まで広げた。水戸証券の吉井豊投資情報部長は、 「日経平均が心理的節目の1万円を割り込んでも、逆張り志向にある 個人投資家の押し目買いが目立たない」と嘆いていた。

東京証券取引所が22日に発表した18日時点の信用買い残は1兆 9884億円で、小幅ながら3週ぶりに減少。個人マネーの減退兆候を うかがわせている。

東証1部の売買高は概算で16億1302万株、売買代金は1兆 1170億円。業種別33指数は鉱業、海運、不動産、機械、鉄鋼、化学、 精密機器など32業種が下落。上昇はパルプ・紙の1業種のみ。騰落 銘柄数は値下がり1420、値上がり184。

NTTデや東精密が急落、電子書籍のパピレス上場

個別では、特許庁職員への贈賄容疑で社員が逮捕されたNTTデ ータが前日の年初来高値から急落。JPモルガン証券が投資判断を 「中立」に下げた東京精密も、東証1部の下落率上位。会社側の今期 業績計画がアナリスト予想平均に届かなかったツルハホールディング スも大幅安。人民元の弾力化以来、中国需要の拡大を見込んで急伸し ていたツガミ、井関農機、OKKなど中低位の中国関連株も下げた。

半面、10年4-6月期の連結経常損益が5期ぶりに黒字転換す る見通しと、23日付の日本経済新聞朝刊で報じられたユニデンが 20%高で、東証1部の値上がり率1位。債権回収会社から18億円程 度の債務免除を受ける見通しになったと発表したサンシティも大幅高。 防衛大学校で40人が新型インフルエンザに集団感染した、と読売新 聞電子版で伝わったことを受け、シキボウ、ダイワボウホールディン グスなどインフル関連株も急伸した。

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前日比0.5%安の52.22 と小幅ながら3日ぶり反落。東証マザーズ指数は1.1%安の410.39、 大証ヘラクレス指数は0.6%安の623.57とともに続落した。個別で はインフォコム、一建設が下げ、ボルテージ、サイバーエージェント、 日本通信も安い。半面、米アップルの「iPhone(アイフォー ン)」向けサービスを提供すると発表したJストリームがストップ高。 「iPad(アイパッド)」を保護する専用ケースを発売すると公表 したエレコムも大幅高となった。

大証ジャスダック市場にきょう新規上場したパピレスは公開価格 2700円の2.3倍に当たる6210円まで買い気配を切り上げたが、売買 は成立しなかった。上場初日に初値が形成されなかったのは、昨年9 月17日上場のキャンバス以来となる。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE