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歴史は緊縮財政に賭ける日英に味方か-刺激策拡大の米国とは対照的

菅直人首相やキャメロン英首相ら 世界各国の首脳は、経済的な繁栄を損ねずに緊縮財政が可能だという 戦略に賭けている。歴史が示唆するのは、そうした考えが正しいとい うことだ。

米ハーバード大学のアルベルト・アレシア教授と米ゴールドマ ン・サックス・グループのエコミスト、ケビン・デイリー、ベン・ブ ロードベント両氏の研究によれば、増税ではなく歳出削減に焦点を絞 った緊縮政策が景気拡大を促すことが可能なことは、すでに各国政府 が証明している。

アレシア教授はインタビューで、「政府の歳出削減が景気拡大と関 連しているという証拠は山ほどあるが、いまだに理解されていない」 と語る。同教授はマドリードで4月に開催された会合で欧州各国の財 務相にこの問題について説明した。

ゴールドマンの4月14日付リポートによれば、過去のこうした 戦略は「債券・株式相場の大きな改善」につながったという。

この見方には冷淡な投資家もいる。カナダのトロントで26、27 両日開催される20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)で菅首 相やキャメロン英首相らと会談するオバマ米大統領でさえ、景気刺激 策の縮小ではなく拡大を目指している。

オバマ米大統領は16日付のG20首脳あての書簡で、「財政再建 のペースを調整するに当たっては柔軟性を持ち、景気刺激策の解消が 早過ぎて新たな経済の苦境とリセッション(景気後退)を招いた過去 の重大な過ちから学ばなければならない」と指摘した。

G20サミット

中国が約2年続けた人民元をドルに実質固定させる措置の解除を 打ち出したことで、G20サミットで人民元が取り上げられる可能性は 低下。中国の動きで世界的な景気回復が勢いを得ているとも示唆され、 サミットで財政政策への関心が一段と高まるのは必至だ。

米ピーターソン国際経済研究所のニコラス・ラーディ上級研究員 は、「中国が動いたことで人民元は事実上、G20サミットの議題から 外れた」と話す。

ゴールドマンの両エコノミストは、増税ではなく歳出削減を重視 することが鍵だと強調する。歳出削減が意味するのは、消費者と企業 が増税を恐れる必要がないということであり、需要が加速するとの主 張だ。

1975年以降の先進24カ国の大規模な財政調整44件を調査した 結果、対国内総生産(GDP)比1ポイントの増税は年間成長率を平 均0.9ポイント引き下げた。対照的に、年1ポイントの歳出削減は成 長率を同0.6ポイント押し上げたという。

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