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ユーロ下落、対円で1週間ぶりの安値近辺-欧州不安でアジア株軟調

東京外国為替市場ではユーロが 対円で1週間ぶりの安値近辺へ下落した。欧州のソブリンリスク(国 家の信用リスク)や金融機関の財務悪化懸念がくすぶるなか、アジア 株の軟調推移を背景にユーロを売って比較的安全とされる円に資金を 戻す動きが強まった。

ユーロは対円で一時、1ユーロ=111円54銭まで下落。朝方に 付けた112円47銭から1円近く値を下げた。

JPモルガン・チェース銀行為替資金本部の棚瀬順哉シニアFX ストラテジストは、「過去2週間ぐらい欧州周辺国の対独スプレッド が安定化し、欧州株が米国株をアウトパフォームするなかでユーロ・ ドルが上昇し、マーケットが少し落ち着いた感じになっていたが、ポ ジション調整にすぎない。どこかで株売り・ユーロ安の方向に戻るの ではないかと思っていたが、そうなりつつあるのかもしれない」と語 った。

ユーロは対ドルでも3営業日ぶりに1ユーロ=1.2300ドルを割 り込み、一時、1.2284ドルまで下落。朝方には中国人民銀行(中央 銀行)が人民元の対ドル相場の中心レートを元高方向に設定したこと を受け、1.2354ドルまでユーロ買い・ドル売りが進む場面も見られ ていた。

一方、軟調な株価を背景に投資家のリスク許容度低下が意識され るなか、円は主要通貨すべてに対してじり高となり、対ドルでも1ド ル=91円ちょうど挟みの展開から一時、90円74銭まで値を切り上 げた。

欧州不安

格付け会社フィッチ・レーティングスの世界経済の責任者ブライ アン・クルトン氏は22日、ソウルで記者団に対し、スペインとポル トガルの中期的な成長見通しについて懸念していると述べた。また、 ギリシャの格付けに関して次の動きを決定する前に、同国の財政計画 の進展とその影響を判断することを明らかにした。

前日の海外市場ではフィッチ・レーティングスによる仏銀BNP パリバの格下げやスペインの金融機関の健全性に対する懸念を背景に ユーロ売りが再燃。この日の東京市場もその流れを引き継ぐ形となり、 ユーロは対スイス・フランで過去最安値を更新した。

東海東京証券金融市場部トレーディンググループマネージャー、 二瓶洋氏は、欧州全体への信用リスクが浸透しつつあるという懸念に 加え、欧州当局者からはユーロ安容認を示唆する発言もあり、「ユー ロは積極的に買えない」と話していた。

中国人民元

一方、中国人民銀は22日、人民元の対ドルの中心レートを前日 よりも0.43%高い1ドル=6.7980元に設定した。人民銀が人民元 の弾力化方針を発表して初めての取引となった21日には元が2005 年7月の切り上げ後で最大の上げを記録。これを反映し、この日の中 心レートの上昇幅は過去5年間で最大となった。

中心レート発表後、外国為替市場では人民元の先高期待からドル 売りが強まり、ユーロが上昇。人民元上昇による中国の購買力向上で 商品需要が拡大するとの期待からオーストラリア・ドルなど資源国通 貨を買う動きも強まった。

JPモルガンの棚瀬氏は、「アジアの注目は相変わらず中国のフ ィクシングとその後のスポットの動きだ。マクロの理由はなかなか不 透明だが、人民元が上昇すると豪ドルをはじめとする主要通貨が対ド ル、対円で買われて、アジア通貨も全般的に上昇する。なぜか人民元 高イコールリスクオンというような感じの動きになっている」と解説 した。

もっとも、その後の中国外国為替取引では人民元が下落。NTT スマートトレード・工藤隆市場情報部部長によると、「人民銀による ドル買い・元売り介入のうわさ」が出ていたといい、ユーロや豪ドル は一転して売りに押される展開となった。

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