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債券反発、長期金利は再び1.2%割れ-政府の財政規律維持や株安受け

債券相場は反発。日経平均株価が 1カ月ぶり高値圏から反落したほか、政府が閣議決定した中期財政フ レームで財政規律維持の姿勢が示されたことを好感した買いが入り、 長期金利は2営業日ぶりに1.2%を割り込んだ。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は、政府が財政再建の方針を明示したことがあらためて買い材料視さ れた。今後は政府の実行力が問われると述べた上で、「四半期末を前に 残高積み増し需要が強いことが午後の相場を押し上げた」とも言う。

東京先物市場の中心限月9月物は前日比7銭高い140円55銭で始 まり、午前は小幅プラス圏の140円50銭台でもみ合った。午後に入る とじりじりと水準を切り上げて、取引終盤には140円84銭と10日の 限月交代後の高値を付けた。結局は34銭高の140円82銭で終了した。

21日の米国株市場ではダウ工業株30種平均が取引終盤に下げに 転じており、国内市場も日経平均の下げを受けて債券買いが先行した。

さらに午後に入ると政府の財政規律維持が期待され、先物市場の ほかにも現物市場では長期や超長期ゾーンが堅調となった。みずほ証 券の野地慎シニアマーケットアナリストは、中期財政フレームの内容 自体は事前の報道の範囲内だったが、政府が財政再建に向けて退路を 断ったことに市場は一定の評価をしているとした上で、「薄商いの中で 先物中心に買いが入った」と話した。

政府は22日午前の閣議で、2011年度から3年間の国債費などを 除く歳出の大枠を毎年71兆円以下に抑えることを示した「中期財政フ レーム」を決定した。また、遅くとも20年度までに基礎的財政収支の 黒字化を目指すことも決めた。11年度の新規国債発行額を10年度の 約44兆円を超えないようにすることも示した。

10年債利回りは1.19%

現物市場で新発10年物の308回債利回りは、前日比0.5ベーシス ポイント(bp)低い1.215%で始まった。午前には同水準のまま小動 きに終始したが、午後に入ると買いが優勢となって段階的に水準を切 り下げており、午後2時30分前後からは1.19%で推移している。こ れは5月25日や6月10日に記録した今年最低に並ぶ水準。

三菱UFJ投信債券運用部の倉林俊之次長は、きょうは株安に反 応して債券買いが優勢だが、もともと内外株高が加速しても売りの出 にくい地合いだったと指摘。また「消去法的ながらも、買い需要に支 えられて当面は金利の低位安定が続きそうだ」との見方も示した。

市場では、金利水準の面からは買いにくさがあるといった声も聞 かれたが、この日は株安とも相まって投資家の買い需要がにじみ出て いた。みずほ証の野地氏は、10年債の1.2%は節目といった意識が強 いことから、5月後半以降に何度か1.1%台を探る過程で戻り売りも 出ていたと分析。「結果的に債券残高を十分に積みきれていない投資家 が多く、今後もこうした需要が金利上昇を抑制する」と話した。

長期金利には低下余地も

政府が財政規律を維持する方針であることが、今後の金利水準を 低位安定させるとの観測につながっており、四半期末に当たる来週に かけて金利低下余地が拡大するとの見方も出ている。

三菱UFJ投信の倉林氏は、この2週間はユーロ高、株高の基調 となってリスク回避の動きが鈍くなったが、国内債市場では特に売り 圧力が強まっていないと言い、「10年債の1.2%といった節目の水準で も過熱感が強まらないなど需給環境の良さは相変わらずだ」と話す。

実際、今年度入り当初は投資家の債券購入に慎重姿勢がうかがえ たが、長期金利は4月に1.4%台を付けて以降に右肩下がりの推移と なり、結果的に投資家の残高積み増しが遅れたとの見方が有力。

トヨタアセットマネジメントの深代氏は、政府の財政改革路線が 追い風となる中、市場関係者の目は10年債の1.1%台の水準でも徐々 に慣れてきたと言い、「四半期末に向けて買わざるをえない需要がにじ み出てくれば金利水準をもう少し押し下げる」と予想した。新発10 年債利回りが足元の1.19%を下回れば、2009年1月5日に付けた

1.185%、08年12月30日の1.155%が節目として意識されてくる。

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