コンテンツにスキップする

消費税と所得税の増税で税収力回復を-税調専門家委報告(Update1)

政府税制調査会(会長・野田佳彦 財務相)の専門家委員会(委員長・神野直彦東大名誉教授)は22日午 前、中間報告を税調に提出した。日本の財政悪化を回避するため「税 収力の回復」は急務とし、消費税引き上げと所得税の累進性の見直し を「車の両輪」に税収の大幅増につながる抜本改革を進めるよう求め ている。同報告は今後の税制改革議論のベースとなる。

野田財務相は同日午前の閣議後会見で、「専門家委の議論の整理 を参考にしながら、政府税調で議論を進めて行きたい」と述べ、参院 選後に税制改正に向けた議論を本格始動させる考えを強調。税調では 早急に議論の行程表を策定する。

報告では「現在の財政状況を放置すれば、欧州の一部で生じてい るような市場を通じた国債の信認低下や金利の急激な状況を招き、財 政がさらに悪化する」とし、「相当程度の増収に結び付く」税制の抜 本的な改革が必要だと指摘。

消費税については、社会保障制度を支える安定的な財源確保を前 提に「高齢者の急増、勤労世代の減少という将来の見通しを踏まえる と、勤労世代に偏って負担を求めるのは困難」とし、「社会で広く分 かち合う重要な税目」と位置づけ、現行5%の税率引き上げは不可避 との認識を明確にした。引き上げの幅と時期は明記してない。

一方で、所得税については「累進構造を回復させる改革を行って、 税制の再配分機能を取り戻す必要がある」と明記し、現在40%の所得 税の最高税率引き上げも念頭に見直しの必要性を示唆。また、再配分 機能を発揮させる方策として、低所得者への給付付き税額控除を活用 すべきとの意見もあった。

その上で、「消費税を重視する方向で国民により幅広く負担を求 める必要がある一方、再配分の観点から累進性のある所得税に一定の 役割を担わせる必要がある」とし、消費税と所得税を2本の柱に増収 を図るべきだとの考えを示した。

法人税率引き下げについては「税制を国際競争力の観点からさら に議論すべきとの意見と、税負担と国際競争力とを安易に結び付けて 議論すべきでないとの意見が両論あった」と述べるにとどめ、「税率 引き下げを行う場合、課税ベースの拡大と併せて実施すべき」として いる。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE