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セブン&アイ:池袋西武買い戻しで異例起債、総額1100億円

国内流通最大手のセブン&アイホー ルディングスが2年ぶりに大型起債を行った。2000年に証券化した西武 百貨店池袋店をグループの信用力で安く調達した資金で買い戻す。ブル ームバーグ・データによれば、企業が証券化した物件を買い戻すのに社 債発行で調達した資金を充てる例は確認できておらず、極めて珍しいケ ースだ。

事務主幹事の野村証券デット・シンジケート課担当者が電子メール で22日発表した資料によると、セブン&アイは、総額1100億円の国内普 通社債(SB)を3本建てで発行する。

池袋店の証券化をめぐっては、05年の借り換えのために行った再証 券化を経て、今年9月に償還期日を迎える。

セブン&アイの財務企画部担当者によると、不動産市場が厳しい状 況の中、コストが高くなる証券化を再び行って借り換えを行うよりも、 AAと高い格付けを利用して、低コストで買い戻す方が合理的と判断し たという。また、物件を自ら保有することで、池袋西武の機動的な店舗 運営も可能となるとしている。

実際の買い取りは、セブン&アイが今年9月に設立する資産管理会 社「セブン&アイ・アセットマネジメント」を通じ、証券化の受け皿であ るSPC(特別目的会社)から池袋西武が担保の裏づけとなっている信 託受益権を取得する。

セブン&アイは、イトーヨーカ堂、セブン-イレブン・ジャパン、デ ニーズジャパン、そごう・西武を傘下に持つ持ち株会社。06年12月には 西武百貨店とそごうの持ち株会社ミレニアムリテイリングを買収。西武 百貨店とそごうは、09年8月に合併して、そごう・西武となった。

ブルームバーグ・データによると、小売業による社債発行は、09年 12月発行のドン・キホーテ債(110億円)と09年7月発行のイオン債 (340億円)以来。セブン&アイにとっても、08年6月の起債(1000億 円)以来となる。

当初600億円から需要調査-高格付け評価

29日に発行するセブン&アイ債は、発行価格が3本とも100円。表 面利率は、5年債が0.541%、7年債が0.852%、10年債が1.399%。発 行利回りの対国債比スプレッド(金利上乗せ幅)は、それぞれ+14bp、 +17bp、+18bp(1bp=0.01%)。格付けは、ムーディーズのAa3、 格付投資情報センター(R&I)のAAを取得した。

事務主幹事の野村証券デット・シンジケート課担当者は、当初5年 債200億円、7年債100億円、10年債300億円から需要調査を開始して最 終的にそれぞれ、300億円、200億円、600億円まで需要が積み上がった という。当初の需要調査のレンジはそれぞれ、国債+13bpから+17bp、 +16bpから+20bp、+17bpから+21bpだった。

5年債と年債では、中央の大手機関投資家から地方の金融機関、諸 法人などが、また、10年債では、まとまった額を購入する投資家もあり 生保、投信・投資顧問などに販売できたという。AAという高い信用力 が評価されたようだ。

7&iをAAと格付けしたR&Iは発表資料で、「総合スーパーや百 貨店など採算確保に苦しんでいる事業の動向には注視が必要だが、グル ープ全体として、今後も高水準で安定した利益・キャッシュフローを確 保していけるとみている」と述べている。

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