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6月21日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル指数が上昇、人民元弾力化への楽観後退

ニューヨーク外国為替市場では、主要6通貨に対するインター コンチネンタル取引所(ICE)のドル指数が2営業日連続で上昇。 中国が発表した人民元の弾力性拡大を受けた、景気回復が強さを増 すとの楽観的な見方が後退。ドル指数は朝 方の下げを埋めた。

ドルは主要16通貨中、南アフリカ・ランドやノルウェー・クロ ーネ、カナダ・ドルを含む9通貨に対して上昇。株式相場は値下がり し、ユーロは下げ幅を拡大した。為替ストラテジストらは、人民元の 上昇により消費者は中国製品への支出削減を余儀なくされると指摘 した。オーストラリア・ドルとニュージーランド・ドルはいずれも一 時1カ月ぶり高値に上昇したものの、上げ幅を縮小した。

バークレイズのテクニカルアナリスト、マクニール・カリー氏は 「中国の週末の動きに対する陶酔感は、かなり早く引いてしまった」 と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドル指数は前週末比0.3%上昇 の85.991。ドルはユーロに対して前週末比0.6%高の1ユーロ=

1.2312ドル(前週末は1.2388ドル)。オーストラリア・ドルは対 米ドルで0.5%高の1豪ドル=87.65米セント。一時は同88.59米 セントと、5月17日以来の高値を付けた。ニュージーランド・ドル は対米ドルで1NZドル=70.82セント。一時は同71.53セントと、 5月14日以来の高値を付けた。

円はドルに対して0.4%安の1ドル=91円11銭(前週末は90 円71銭)。円はユーロに対して0.2%高の1ユーロ=112円22銭 (前週末は同112円40銭)。

輸入製品は「より高くなる」

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のマネジ ングディレクター、マイケル・ウールフォーク氏は「われわれは中国 からの輸入品を購入している。こうした製品価格はより高くなる」と 指摘。「それはインフレで、欧州や米国での金利上昇を意味する。ま た、結果的に成長の減速も意味する」と述べた。

ユーロはドルに対して、朝方の上昇を帳消しにした。欧州中央銀 行(ECB)のトリシェ総裁は、欧州連合(EU)の財政規律に違反 する各国政府は、投票権のはく奪を含む、より厳格な罰則に直面する 可能性があるとの認識を示した。格付け会社フィッチ・レーティング スは、仏銀BNPパリバの長期発行体デフォルト格付け(IDR)を 「AA」から「AA-」に引き下げた。フィッチは同行の資産の質 「悪化」を格下げの理由に挙げた。

「ファンダメンタルな問題」

みずほフィナンシャル・グループの米通貨セールス担当責任者、 ファビアン・エリアソン氏は、「欧州資産に買いを入れる動きは見ら れないし、特に聞いてもいない。あまりに時期尚早だからで、下振れ リスクが依然として多く存在する」と述べた。

エリアソン氏は、ユーロはドルに対して年末にかけては1ユーロ =1.15ドルから1.20ドルのレンジで取引されるとの見通しを示し た。ブルームバーグのデータによると、ユーロは年初から14%値下 がりしている。

スイス・フランはユーロに対して一時1ユーロ=1.3667フラン と、過去最高値に上昇。デフレの脅威が後退するなか、スイス国立銀 行(中央銀行)が先週、通貨高抑制姿勢を緩和したことが背景にある。 同中銀は17日、デフレリスクは「大方なくなった」との見方を示し た。

中国人民銀行は19日、対ドルでの人民元相場の1ドル=6.83 元前後での固定を解除すると示唆した。この事実のペッグ制(固定相 場制)は金融危機の際に輸出企業を保護するために導入された。

◎米国株:反落、終盤に騰勢失う-小売株やハイテク株に売り

米株式相場は反落。S&P500種株価指数はトレーダーが注目 する水準を維持することができなかった。中国が人民元のドルとの ペッグ制(固定相場制)を緩和する方針を示したことを受け、楽観 的な見方から買いが先行したが、終盤に売りが優勢になった。

S&P500種は前週末比0.4%安の1113.20。取引最初の1時 間では1.2%高になる場面もあった。ダウ工業株30種平均は8.23 ドル(0.1%)下落して10442.41ドル。朝方には144ドル上げる 場面もあった。米国株の下げに押されながらもMSCI世界指数は

0.5%と上昇を維持し、10営業日連続高と、過去11カ月で最長の 上昇局面となった。

S&P500種の産業別24種では小売株指数が1.7%安と下げが 最もきつかった。人民元が上昇すれば、中国からの輸入品価格が上昇 するとの懸念が背景。S&P500種は2007年10月につけた最高値 から09年3月につけた弱気相場での底値の半値戻しの水準を割り込 むと、下げ足を速めた。S&P500種は50日、100日移動平均もそ れぞれ下回っている。

リッジワース・インベストメンツのシニア投資ストラテジスト、 アラン・ゲイル氏は、「中国の発表で市場は感情的に反応した」とし、 「発表の詳細を見ると、中国の姿勢は非常に漸進的で、独自のペース を維持していることがうかがえる。厳密に見れば、さほど劇的な動き ではない」と述べた。

小売株が下落

S&P500種の小売株指数の構成銘柄は、メーシーズやJCペ ニーなど全30種が下落。電子書籍リーダー「キンドル」を27%値 下げしたアマゾン・ドット・コムが小売株の売りの中心となった。マ イクロソフトやアップルが下げ、情報技術(IT)株指数は全10業 種で下落率2位。

この日は商品株や工業株を中心に買いが先行した。中国の為替政 策は世界経済が勢いづいていることを示唆しており、人民元が上昇す れば原材料と機械の需要が増えるとの思惑が背景。全10セクターの うち、工業株指数と素材株指数のみがプラスを維持した。

中国人民銀行(中央銀行)は19日、人民元の弾力性拡大を容認 すると発表した。ただ、2008年半ば以降1ドル=6.83元前後で事 実上、固定されている元相場の1度の通貨切り上げを否定した。人民 銀は声明で、世界経済について「緩やかに回復している」とし、「中 国経済の成長は一段と強固になってきた」と指摘した。

リッジワース・キャピタル・マネジメントのファンドマネジャー、 ドン・ワーデル氏は「今回の決定は工業株やエネルギー株、素材株に とって好材料だ。中国の消費者にとって石油価格が下がるため、中国 からの需要が増えるだろう。工業関連企業はエネルギーインフラを建 設し、原材料の生産者は中国の賃金上昇と富の拡大の恩恵を受けるだ ろう」と語った。

◎米国債:下げ幅縮小、人民元弾力化受けた下落は行き過ぎ

米国債相場は下げ幅縮小。中国の人民元弾力化に反応した米国 債の下落は行き過ぎとの見方が広がった。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・ コミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「市場参加者は中国のニュース に対して過剰に反応したとの結論を出しつつある」と述べ、「為替政 策と今回の決定が最終的に何を意味するのか、本当のところはまだ答 えが出ていない。非常にあいまいだ」と続けた。

長期債が特に下落した。中国人民銀行は19日、人民元の弾力性 を高めると発表し、輸出業者を保護するため金融危機の最中に決定し たドルに対する元レートの事実上のペッグ制(固定相場制)の終了を 示唆した。

米財務省は今週、2年、5年および7年物国債の入札(計1080 億ドル)を実施する。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時10分現在、10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の3.25%。同年債価格(表面利率3.5%、 2020年5月償還)は7/32下げて102 5/32。

10年債利回りは一時8.5bp上昇の3.30%と、6月14日以 来で最大の上げを記録した。2年債利回りはほぼ変わらずの0.71%。 一時は4bp上げて0.75%をつけた。

人民元の弾力化

中国人民銀は19日、「大規模な切り上げ」の根拠は存在しない と述べたが、人民元相場の「柔軟性」の上昇容認を示唆した。さらに 20日、人民銀は為替レートに大幅な変更を加える可能性を排除し、 行き過ぎた値動きを阻止すると表明した。

スタイフェル・ニコラスのボルティモア部門で政府債トレーディ ング責任者を務めるマーティン・ミッチェル氏は「人民元の上昇で中 国の輸出は一段と割高になる。人民元上昇はインフレを誘発すると受 け止められている」と述べた。

米国債入札

米財務省の発表によると、3-4月にかけての中国の米国債保有 額は2.6%増の9002億ドル。昨年11月から今年2月にかけては毎 月保有額を減らし、計6.5%縮小させた。

米財務省は22日、2年債の入札(400億ドル)を実施する。 23日には5年債380億ドル、24日には7年債300億ドルの入札が 行われる。今回の一連の入札額は前月よりも50億ドル少ない。

グッゲンハイム・パートナーズの米政府トレーディングディレク ター、ジェーソン・ローガン氏は、「2年債入札は大成功とはならな いだろう。しかし短期債への需要は依然として強い」と述べた。

5月25日の2年債入札では、外国中央銀行を含む間接応札が落 札全体に占める割合は36%だった。過去10回の平均値は42%。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト93人の予想 によると、全員が23日に発表されるフェデラルファンド(FF)金 利誘導目標は0-0.25%で据え置かれると予想している。

◎NY金:1カ月ぶり大幅安、ドル上昇で過去最高値から下げに転じる

ニューヨーク金先物相場は1カ月ぶりの大幅安。欧州時間には過去 最高値を付けたものの、ドルの上昇を背景に代替投資先としての金への 需要が弱まった。

中国人民銀行(中央銀行)は約2年間続けてきた元をドルに事実 上固定する措置の解除を示唆した。解除はインフレ抑制につながると みられている。主要6通貨に対するドル指数は上昇。商品19銘柄で 構成するロイター・ジェフリーズCRB指数は1.6%上昇した後、 上げ幅を縮小した。金は欧州時間の取引でオンス当たり1266.50ド ルと、先週金曜に付けた過去最高値を更新した。

プロスペクター・アセット・マネジメントのレナード・カプラン 社長は、「今は人民元の上昇を認めることが、世界の経済にとりプラ スとなる」と指摘。「ドルは大幅上昇するはずだ」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場8月限は前週末比17.60ドル(1.4%)安の1オンス=

1240.70ドルで取引を終了。中心限月としては5月19日以来の大 幅安となった。年初からは13%上昇している。

◎NY原油:上昇、中国為替政策で需要増に期待-77.82ドル

ニューヨークの原油先物相場は上昇。中国が人民元の米ドルとの固 定解除を示唆したことで、需要が拡大するとの見方につながり、6週間 ぶりの高値を付けた。

中国人民銀行(中央銀行)は20日、世界的な金融危機の際に輸 出企業保護を目的として採用した米ドルに対する人民元レートの事実 上のペッグ制(固定相場制)の終了を示唆。これを受けて原油は一時、 バレル当たり78ドルを突破した。この政策は同国の購買力強化につ ながる可能性がある。人民銀はペッグ制終了の時期には言及しなかっ た。

ドイツ銀のエネルギー担当チーフエコノミスト、アダム・シミン スキー氏(ワシントン在勤)は、「この日の原油の上昇は人民元の切 り上げ観測に基づくものだ」と指摘。「人民元の上昇とドルの下落は 大半の市場にとりプラスとなる」と付け加えた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物7月限は前営 業日比0.64ドル(0.83%)高の1バレル=77.82ドルで取引を終 了した。一時は78.92ドルと、5月6日以来の高値を付けた。過去 1年間では12%上昇している。

◎欧州株:9日続伸、中国の人民元弾力化を好感-リオ・ティント高い

欧州株式相場は9営業日続伸と、過去11カ月間で最長の連続高。 中国が人民元の対ドル固定相場を緩和させる方針を示唆したことで、世 界的な景気回復への信頼感が強まった。

資源の英豪系BHPビリトンとリオ・ティント・グループは4 月以来の高値。人民元の上昇が中国の金属需要を押し上げるとの見方 につながった。オランダのアクゾ・ノーベルは上昇。傘下のナショナ ル・スターチを米食品原料メーカーのコーン・プロダクツ・インター ナショナルへ売却することに合意したのが好感された。オフショア油 田サービス会社のアサジー、沖合海中建設請負会社のザプシー7はい ずれも上昇。事業統合での合意が手掛かりだった。

ストックス欧州600指数は前営業日比1.1%高の258.18で 終了。7週間ぶりの高値で引けた。同指数は5月25日につけた年初 来安値から11%値を戻した。欧州債務危機の影響で景気が回復軌道 から外れるとの懸念が緩和されたのが背景。

フランクフルト・トラスト・インベストメント(フランクフル ト)のファンドマネジャー、ライムント・ザクシンガー氏「中国人民 銀行の発表は投資家心理には好材料であり、これで楽観的な見方が再 び強まっている」と述べたものの、「発表は予想通りなので、実際の 影響は小さいだろう。またその効果も短期間の可能性がある」と続け た。

BHPビリトンは4.7%高。リオ・ティントは5%上昇した。

アクゾは2.1%上昇。同社はナショナル・スターチを13億ド ルの現金で売却することに合意した。

アサジーは9.6%急伸。同社はザプシー7を約158億クロー ナの株式交換方式で買収、海底エンジニアリング・建設で「世界的リ ーダー」を目指す構えだ。

◎欧州債:独10年債下落-利回り1カ月ぶり高水準、スペイン債堅調

欧州債市場では、ドイツ国債相場が下落。独10年債利回りは1カ 月高水準となった。中国が人民元の弾力性強化を容認したことを背景に 株式相場が上昇し、最も安全とされるドイツ国債への需要が後退した。

前週のドイツ債利回りは週間ベースで年初来最大の上昇となっ ていた。この日のMSCI世界指数は上昇し、米10年債の利回りは 前週末を5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回ってい る。

スペイン国債は3営業日続伸し、ドイツ国債に対する上乗せ利回 りが縮小した。同国が債務支払いで困難に直面するとの懸念が後退し たことが背景にある。欧州中央銀行(ECB)が先月10日に始めた 公社債の買い取り規模は、開始以来の最小となった。

コメルツ銀行(フランクフルト)の金利ストラテジスト、マルセ ル・ブロス氏は、「中国の発表がドイツ債と米国債の弱い地合いを浮 き彫りにした。ただ、長期的な効果について明言することは困難だ」 と語った。「スペイン国債は先週金曜日に極めて健全に取引されてい た。こうした利回り格差縮小はまだ続いている」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時42分現在、ドイツ10年債利回りは前週 末比4bp上昇の2.78%と、5月20日以来の高水準となった。同 国債(表面利率3%、2020年7月償還)価格は0.40ポイント下げ

101.92。

一方、スペイン10年債の利回りは11bp低下の4.52%。独 10年債との利回り格差は17bp縮小の174bpとなった。

◎英国債:上昇、10年債利回り3.52%に低下-緊急予算案に期待

英国債相場は、緊急予算案の発表を明日に控える中、上昇した。 10年債利回りは前週末比2ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の3.52%、2年債利回りも2bp下げ0.86%となっ た。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)15社を対 象とするブルームバーグの調査によると、オズボーン英財務相が財政 赤字を削減し、最上級格付けを維持するために歳出カットを実施する のに伴い、今年度の英国債発行額は前年度比28%減少する可能性が ある。

同調査によると、英国の今年度(2010年4月-11年3月)の国 債発行額は1650億ポンド(約22兆2000億円)となる見通し。こ れは4月時点の予想(1852億ポンド)、過去最高だった昨年度の 2276億ポンドをいずれも下回る。

オズボーン財務相は22日発表する緊急予算案で、国内総生産(G DP)比11.1%に達する先進7カ国(G7)中最悪の財政赤字を抑制 するため、1970年代以降で最大となる歳出削減の概要を示す。

この日の英国債は、米国債相場を上回る伸びとなった。米国債に 対するプレミアム(上乗せ金利)は24bpと、18日の32bpから 縮小した。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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