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原油流出は「自然への冒瀆」、世界史上最悪の災難か-米作家バーク氏

米作家ジェームズ・リー・バーク 氏の回想によると、原油流出事故が発生する前のメキシコ湾の湿地帯の 風景はみずみずしく、耳を傾けているだけで触覚を刺激されるような経 験だ。

米最大の湿地帯、ルイジアナ州のアチャファラヤ湿地帯についてバ ーク氏は「数年前、これらの湿地帯はまるでエデンの園のようだった。 米国で最も美しい場所だと思っていた。日の出は静寂に包まれ、天地が 創造された最初の日のようで、イトスギの木々の間から太陽が綿菓子の ように見えた」と振り返る。

そして、73歳のベストセラー作家は「今回起こったことにより、 それらすべてが台無しになってしまった」と怒りを込めた。

バーク氏は1年のうち一部の期間、モンタナ州ミスーラ「郊外約8 マイル(約13キロメートル)にある小さな町」で住んでいる。それ以 外の期間は、ルイジアナ州ニューイベリアで過ごす。著書「The Tin Roof Blowdown」ではハリケーン「カトリーナ」を主題に、ハリケー ンがもたらした人的被害と混乱を見事に描いた。

バーク氏は1950年代、石油精製・石油製品販売会社の米シンクレ ア・オイルの採用補助者として働き学費を稼いだ経験がある。その経験 から、原油が既にこの地域の運河に影響を及ぼし、湿地帯の生態系の維 持に不可欠な根系をむしばんでいることが分かっていた。

バーク氏は「現存する約1万マイルに及ぶ運河が、数十年間にわた ってルイジアナ州の湿地帯を分断してきた」と指摘。「暴風雨による高 波が発生すれば原油はこれらの運河に流れ込むだろう。それはまだ報道 されていない事態だ。そのような事態は今夏にも発生する可能性が高 い」と予想する。

自然への冒瀆

泥が湿地帯に流れ込み、この場所を永久に破壊してしまうことを、 バーク氏は恐れている。

「全くの悲劇だ。湿地帯がいかに破壊されやすいものか、理解して いる人はほとんどいない。湿地帯の生物全ての間には共生関係が成り立 っている。有害廃棄物で傷付けたり毒性物質を注入したりするのは、神 が創造した自然への冒瀆(ぼうとく)だ」と語る。

バーク氏は一時、非公開のインタビューを希望したが、真実を「避 けることには意味がない」として内容の公開を承諾した。

「今回の事態は米国史上最悪の産業災害であり続けるだけでなく、 世界の歴史上でも戦争を除けば最悪の災難と言えるかもしれない。被害 の大きさは計り知れない」と語る。

英BPのトニー・ヘイワード最高経営責任者(CEO)が今回の災 害の環境への影響が「極めて小さい」と考えていたと述べたことについ て、バーク氏は嫌悪感を抱いたという。

「ごまかしているか、自分自身の技術や職業について理解していな いかのどちらかだろう」と述べた。

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