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富士通総会で会長など再任、野副氏は欠席-株主から批判も

元社長・野副州旦氏の辞任問題で 揺れる富士通の定時株主総会が21日開かれた。議決権行使助言会社の 米グラス・ルイス社が再任すべきでないとした会長の間塚道義氏と社 外取締役の大浦溥氏(アドバンテスト相談役)を含む10人の取締役候 補者選任など全議案が可決され、午後1時前に終了した。

経営陣と対立する野副氏は出席せず、代理人の弁護士は入場を拒 否された。総会の議長を務めた社長の山本正已氏は冒頭、野副氏の辞 任問題について「株主の皆さまにはたいへんご心配をおかけし、申し 訳なく思っている」と陳謝した。

この問題で、間塚氏は約30分を割き「反社会的勢力との関係が疑 われるファンドの代表者と親交があり、ニフティの売却案件に同ファ ンドを関与させようとした」などと経緯を説明。野副氏に「付き合い をやめるよう注意したにもかかわらずやめなかった」とし、「怪しげな 実態のわからないファンドと付き合うのは、当社の社長として不適格」 と辞任を求めた理由を述べた。

株主からは、野副氏の辞任は「妥当だった」との声もあった一方 で、「野副氏に辞任を迫った中で重要な役割を果たしたと思われる秋草 直之 氏には、相談役からも辞任してもらいたい。今回の問題発覚後、 株価も一時的に大きく下がった」と厳しい指摘が出たほか、「社外取締 役は機能していない」「取締役会でこの問題を議論しなかったのはなぜ か」「野副氏の任命責任はどうなるのか」などと批判の声が相次いだ。

「大人の嘘」

6人の幹部が野副氏に辞任を迫った昨年9月25日朝、取締役会前 の会話を富士通が録音、4月に野副氏がこれを公開した音声では、オ ウム事件などを手掛けた山室恵監査役が多くの質問を行った。これに ついて株主に問われると「辞任理由を病気療養としたのは嘘だったの で監査役として非常に抵抗はあったが、『大人の嘘』としてやむを得な いとの決断もあった。不適切な対応だった」と釈明した。

総会終了後、ブルームバーグ・ニュースの取材に、富士通の株式 を1株約1500円で購入したという個人株主の奈良幹朗氏は「判断し納 得するには情報が少なすぎる。業績を改善し、株価を上げてもらわな いと」と困惑気味。リテラ・クレア証券投資情報部の井原翼顧問は「途 中退席する人もいて、会社の説明にしらけたのでは。富士通の社是で ある『夢をかたちに』は、今の富士通にはふさわしくない」と述べた。

野副氏の代理人を務め、委任状を託された港国際法律事務所の小 澤幹人弁護士によると、傍聴を希望したが入場を断られた。小澤氏は 10時前、会場前で記者団に対し「遺憾だ」とした上で、「新任される取 締役には、しがらみなく野副氏の辞任問題を真摯(しんし) に議論し てほしい。コーポレート・ガバナンス(企業統治)の回復を引き続き 求めていく」と語った。

野副氏本人は同日、「総会は私個人の問題を追及する場ではなく、 1年に1度、広く株主が会社に対してさまざまな質問をするための場 と考え、欠席した」との談話を発表した。

富士通広報室の発表によると、出席株主数は1947人(去年は1403 人)、所要時間は169分(同114分)。11人の株主が24件の質問を行っ た。富士通が公表した資料によると、取締役選任議案などに対する株 主の決議の結果は以下の通りで、連結報酬などの総額が1億円以上の 取締役と監査役はいないとしている。

(注)カッコ内%は賛成比率

第1号議案(取締役の選任)
間塚道義氏(86.57%)
大浦溥氏  (85.36%)
伊藤晴夫氏(89.34%)
山本正已氏(98.68%)
石田一雄氏(98.73%)
藤田正美氏(98.41%)
加藤和彦氏(98.73%)
肥塚雅博氏(98.46%)
石倉洋子氏(99.01%)
國分良成氏(99.25%)
第2号議案(役員賞与支給)(72.47%)

富士通の株価終値は前週末比20円(3.3%)高の619円。

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