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債券は反落、株価反発で売り優勢に-急激な金利低下の反動への警戒も

債券相場は反落。国内株市場で日 経平均株価が約1カ月ぶりの高値圏まで上昇する中、前週後半に金利 低下が進展した反動もあって債券市場では売り優勢の展開となった。

三井住友海上きらめき生命保険経理財務部の堀川真一部長は、投 資家による債券買い余力はなお強いとしながらも、先週末には長期金 利の1.2%割れでの買いに慎重な雰囲気があったので、きょうは株高 を手掛かりに売りが出たとの見方を示した。

東京先物市場の中心限月9月物は前週末比12銭安い140円49 銭で始まり、しばらく140円50銭台でのもみ合いとなった。いった んは買いが膨らんで2銭高の140円63銭まで戻したが、午後には再 び株高を受けた売りが入ってこの日の安値となる140円45銭まで下 げた。結局は13銭安の140円48銭で週初の取引を終えた。

中国人民元相場の弾力化を受けて、朝方には円高や株安の観測が くすぶっていたが、実際には株価は前週以降の上昇基調を維持してお り、日経平均は午後の取引で5月18日以来の高値圏まで上昇。ドイ ツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、国内株価が反発して始 まったことから、債券先物には売りが先行する展開だったと指摘した。

みずほ証券の野地慎シニアマーケットアナリストは、人民元の上 昇見通しに円相場が連られなかったほか、日本企業にとって対中国貿 易の改善が期待できることも株式相場の上昇を促したとみており、「債 券市場は投資家の腰がやや引ける中で売りが優勢だった」と言う。

中国人民銀行(中央銀行)は19日、人民元の弾力性を高めると 発表し、カナダ・トロントで26日から開催される20カ国・地域(G 20)首脳会議を前に、約2年間続けてきたドルに対する元レートの事 実上のペッグ制(固定相場制)の終了を示唆した。

もっとも、現物市場では金利上昇時の買い需要が旺盛との見方が 根強く、午後に株高が進展する場面でも売り圧力は限定的だった。大 和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダーに よると、投資家は金利低下を追いかけての買いには動けないものの、 押し目買いスタンスは変わっていないとした上で、「こうした潜在需要 が支えとなって株高のわりに下げ渋った」と言う。

新発10年債利回りは1.215%

現物市場で新発10年物の308回債利回りは、前週末比0.5ベー シスポイント(bp)高い1.205%で開始。その後しばらくは1.205 -1.21%での小動きが続いたが、午後に入ると売りが膨らんで1.5bp 高の1.215%を付けている。

前週後半は、政府が財政規律維持に前向きとの見方が強まる中、 中期から超長期にかけて幅広い年限で買いが優勢となった。この日は 人民元改革の影響などを見極めようと取引が控えられる中、一部では 投資家からの戻り売りが出ていたもよう。

新発10年債の1.2%をはじめ、5年債の0.4%や20年債の2% など主要な年限で債券利回りが節目とされる水準に達している。みず ほインベスターズ証券の井上明彦チーフストラテジストは、政府の財 政規律維持の姿勢は当面の金利上昇を抑制するとしながらも、「今週は 特段の材料は見当たらず、5年債の0.4%や10年債の1.2%といっ た節目からの金利低下余地は小さいだろう」とも言う。

都銀が中期債を買い越し

日本証券業協会が21日に公表した5月の公社債投資家別売買動 向によると、短期証券を除くベースで、都市銀行が2カ月ぶりに1兆 7248億円を買い越していたほか、信用金庫や生保・損保、地方銀行、 その他金融などが買い越しとなった。

都市銀行は超長期債を売り越す一方で中期債を大きく買い越して おり、生保・損保は超長期債の買い越しを維持した。外国人投資家は 中期債を売り越したが、長期債については買い越しとなった。大和住 銀投信投資顧問の伊藤氏は、都銀や生損保など総じて買い越しの業態 が多いとはいえ、一方で年金基金などはなお買い遅れているとの見方 も多く、月末にかけて好需給が維持される見通しだと話した。

みずほ証の野地氏は、生損保の超長期債購入が4月に続いて高水 準だったほか、都銀は国債入札での応札以外にも市中から中期債を大 幅に買い越すなど、「投資家の買い意欲が衰えていないことがうかがえ た」と話した。

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