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正念場迎えた国内商品取引所、中部大阪は解散以外の選択肢困難

出来高の減少に歯止めがかからない 国内商品取引所が生き残りを賭けた正念場を迎えている。中部大阪商品 取引所は、来年1月末をめどにすべての取引の休止を決めた。出来高の 急速な減少傾向は、他の3取引所にとっても対岸の火事と呼べない状況 で今後も再編・淘汰(とうた)が進む可能性がある。

中部大阪の黒岩進理事長は18日に都内で開いた会見で、「解散以外 の選択肢は考え難い」と述べ、現在4つある国内商品取引所の解散第一 号になる可能性を示唆した。5年前まで7つあった国内の商品取引所は 提携や合併をしても活路を見いだせないでいる。

日本商品清算機構(JCCH)のまとめによると、国内4取引所の 総出来高は2003年度に史上最高となる1億5500万枚(枚は取引の最低単 位)超を記録。その後は6年連続で減少し、09年度はピーク時のほぼ5 分の1となった。

国内総出来高の8割を占める東京工業品取引所の09年度の1日平均 出来高は11万5000枚弱と、目標とした15万枚を大きく下回った。取引所 の主な収入源は、出来高に応じて商品取引員(取引所会員)から徴収す る会費のため、取引の減少は収益の圧迫要因となる。09年度決算では11 億2700万円の純損失を出し2期連続で最終赤字を計上した。東京穀物商 品取引所など残りの3取引所も同様に赤字を出している。

売買高の減少は、個人投資家の数が急減したことが背景にある。商 品取引所の会員会社で構成する業界団体の日本商品先物振興協会の秋田 治常務理事は、個人投資家の減少について「2004年の営業規制の強化が 原因」と指摘。これまでの営業手法の主流だった電話による再勧誘など が禁止されたため、営業が立ち行かなくなり外務登録員(営業マン)の 数は6年で2割程度にまで激減した。

政府は、商品市場の信頼性確保や利便性強化を目指し商品取引所法 を改正、来年1月をめどに「不招請勧誘」の禁止を実施する。その結果 営業マンは取引を望まない個人投資家への勧誘ができなくなる。

東京工業品取引所の江崎格社長は、不招請勧誘の禁止について「商 品取引全体が衰退していくような方向になるのは何としても食い止めた い」とし、海外投資家が参入できる環境づくりを進めている。海外取引 所との提携も含め、「取引活性化につながるのであればあらゆる選択肢 を追求しようと思う」という。

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