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今日の国内市況:株式続落、長期金利は一時1.2%割れ-ドル売り優勢

東京株式相場は小幅続落。米国の 新規失業保険申請件数などが市場予想に比べ悪く、景気の先行き不透 明感や対ドルでの円高を受け、自動車や電機など輸出関連株が売られ た。海外の金融規制強化の動きを懸念し、銀行や保険株も下落。改正 貸金業法の完全施行による業績警戒から、その他金融株は業種別下落 率1位。

TOPIXの終値は前日比2.84ポイント(0.3%)安の884.64、 日経平均株価は4円38銭(0.04%)安の9995円2銭。東証1部の値 上がり銘柄数は827、値下がりは705。

米景況感の悪化、スペインの国債入札堅調を受けた欧州不安の後 退というマイナス、プラス両面の材料が交錯し、週末の主要日本株指 数は前日終値を挟み気迷い状況が続いた。

米労働省が17日発表した、12日に終わった1週間の新規失業保 険申請件数は前週から1万2000件増加し、47万2000件となった。ブ ルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は45万件。また、 フィラデルフィア連銀が発表した6月の同地区製造業景況指数も8と、 前月の21.4から大幅に低下した。

金融株の下げも目立った。改正貸金業法の完全施行の影響を見極 めたいとして、みずほ証券が妥当株価を引き下げた武富士、プロミス、 アコム、アイフルがそろって値下がり率上位に入った。海外金融規制 への不安も重なり、銀行や保険、証券も業種別下落率の上位に並んだ。

欧州連合(EU)は17日にベルギー・ブリュッセルで開いた首脳 会議で、銀行や金融取引に対する世界規模での課税を推進させる方針 を表明、金融機関を対象にしたストレステスト(健全性審査)の結果 を公表することでも合意した。

需給面では、きのう発表された6月第2週の外国人の売越額が 8562億円と、過去3番目の高水準になったことが注目された。朝方の 外資系証券の10社売買動向は、市場推定で1億円の買い越しだったが、 市場では外国人が下値を売るのではとの懸念が広がった。

もっとも、株価指数の下げ幅も限定的。17日のスペイン国債の入 札が順調だったことで欧州債務危機への懸念が後退、米経済指標が予 想を下回り、ユーロは対ドルで上昇した。ユーロは対円でも堅調に推 移、一定の株価下支え役を果たした格好だ。株価の底入れ期待を背景 に、下値では見直し買いも継続、東証1部の値上がり銘柄数は値下が り銘柄数を上回った。

業種別では情報・通信、医薬品、食料品、陸運など、景気動向に 左右されにくいディフェンシブ関連がTOPIXの上昇寄与度上位に 並んだ。

個別の材料銘柄では、管理するアパート入居率の低下により、増 資リスクが高まるとしてクレディ・スイス証券が投資判断を引き下げ たレオパレス21が急落し、東証1部値下がり率1位。欧州や中国で の自動車販売の減速懸念から日本ガイシも大幅安となった。ゴールド マン・サックス証券が投資判断を引き下げた新日本製鉄や神戸製鋼所 も下落。

半面、中期的な業績拡大やアジアでのサービス企業群への評価か ら、野村証券が目標株価を引き上げたソフトバンクが東証1部売買代 金1位で9連騰。中国での設備投資需要がおう盛だとしていちよし経 済研究所が目標株価を2000円に引き上げたコーセルは急伸した。中国 の経済対策に期待するとし、クレディ・スイス証券が投資判断を引き 上げたダイキン工業は反発。

長期金利は一時1.2%割れ

債券市場では長期金利が約1週間ぶりに一時、1.2%を割り込んだ。 前日の米国債相場の上昇を受けて買いが先行した。政府が消費税率引 き上げを念頭に入れて財政規律維持を重視する姿勢を示したことや、 株式相場が午後に軟調推移となったことも支援材料となった。

現物債市場で新発10年物の308回債利回りは、前日比1.5ベーシ スポイント(bp)低い1.205%で始まった。その後は1.20-1.205%で の推移が続いたが、株安もあって午後3時過ぎには一時2.5bp低い

1.195%を付けて、10日以来の1.2%割れを記録した。その後は2bp 低い1.20%で推移した。

超長期債が上昇。新発20年債利回りは2.5bp低い1.97%、新発 30年債利回りは一時2.5bp低い2.04%まで低下した。

一方、東京先物市場で中心限月9月物は、前日比14銭高の140 円55銭で始まり、直後に22銭高の140円63銭まで上昇し、10日以 来の高値を付けた。その後は伸び悩んで11銭高まで上げ幅を縮めた。 午後に入ると140円50銭台を中心に推移して、結局は20銭高の140 円61銭で引けた。

朝方は米国市場の流れを引き継いで買いが先行した。17日の米国 債相場は上昇。2年債利回りは3週間ぶりの低水準となった。米新規 失業保険申請件数が予想に反して増加したほか、米消費者物価指数(C PI)が低下したことから、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策 金利を低水準で維持するとの見方が強まった。

菅直人首相は17日夕、民主党代表として行った同党の参院選政権 公約(マニフェスト)発表会で、消費税率の具体的な引き上げを含め た改革案を2010年度中にまとめる考えを明らかにした。自民党が10% への引き上げを主張していることにも触れ、超党派で検討したい考え を強調した。政府が財政健全化に向けて政策姿勢を転換したことから 債券市場では支援材料と受け止められた。

為替はドル売り優勢

東京外国為替市場ではドル売りが優勢だった。米国で経済指標の 下振れが目立っており、米国の景気回復鈍化や低金利政策の長期化の 可能性が意識された。

一方、前日にスペインの国債入札を無事通過し、欧州債務危機へ の不安が和らぐなかユーロは堅調に推移し、対ドルで前日に付けた5 月28日以来3週間ぶりの高値をわずかながら更新した。

ブルームバーグ・データによると、ドルは主要通貨に対してほぼ 前日終値を下回っている。主要6通貨に対するインターコンチネンタ ル取引所(ICE)のドル指数は4週間ぶりの低水準に低下した。

前日の海外市場ではスペイン政府が実施した国債入札が好調だっ たことや、欧州連合(EU)首脳が金融機関を対象にしたストレステ スト(健全性審査)の結果を7月に公表することで合意したことなど が好感されてユーロが上昇。一方、ドルは米新規失業保険申請件数の 増加やフィラデルフィア連銀製造業景況指数の下振れが嫌気され、売 りに押される展開となった。

東京市場もそうした流れを引き継ぎ、ユーロが対ドルで1.23ドル 台後半と高値圏を維持して推移。ロシアのメドベージェフ大統領がユ ーロの崩壊の可能性は否定できないと述べたことも伝わったが、午後 には1.24ドル台を回復し、一時、1.2414ドルまでユーロ高・ドル安 が進む場面も見られた。

ドルは対スイス・フランで5月13日以来の安値を更新。スイス国 立銀行(SNB、中央銀行)は前日、自国通貨高を抑制する姿勢を和 らげ、インフレを加速させずに中期的に政策金利を過去最低水準に維 持することはできないとの見方を示した。

また、ニュージーランド・ドルやオーストラリア・ドルに対して は約4週間ぶりの安値を付けた。

ユーロ・円相場は1ユーロ=112円前半から半ばで一進一退の展 開。前日に5月27日以来のドル安値(1ドル=90円51銭)を付けた ドル・円相場は90円台後半を中心にドルの上値が重い展開が続いた。

一方、日本銀行が18日公表した5月20、21日の金融政策決定会 合の議事要旨では、何人かの委員が「今後、欧州金融市場が一段と不 安定化し、円高・株安がさらに進展するような状況になれば、実体面、 金融面のさまざまなルートから、わが国の金融環境が逼迫(ひっぱく) 化する可能性には留意が必要」と指摘した。

また、政府がこの日の閣議で決定した新成長戦略には、「過度の円 高を回避し、内需とともに外需も下支えする経済成長を実現する」と の表現が盛り込まれており、市場では日銀議事録とともに円売り材料 だとの指摘があった。

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