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金は1300ドル高値も、通貨不安で資金流入-スタンダード銀・池水氏

南アフリカ共和国最大の銀行、スタ ンダード・バンクの池水雄一東京支店長は、金価格が年内に1オンス当 たり1300ドル台まで上昇し、過去最高値を更新する可能性があるとの見 通しを示した。欧米での景気停滞への警戒感の強まりを背景にユーロや ドルの通貨価値が減少することを警戒した投資家の資金が金市場に流入 するという。

金の現物価格は8日に過去最高値となる1オンス=1252.11ドルを 付けた。欧州の財政や経済不安を受け、投資家のリスク回避の動きが活 発化したことが背景だ。18日午前現在も1240ドル台で推移しており、 1999年8月の安値を5倍近く上回っている。

池水氏は17日、ブルームバーグ・ニュースとの都内での単独インタ ビューで「金融の方からの資金の流れが金に集中してきているという感じ だ」と指摘。ユーロ安を受けて、本来なら基軸通貨の米ドルに資金が流れ ることが想定されるとしながらも、「ドル債ばかり持っていてドルのバ リュー(価値)が大きく下がった時にどうなるのかを考えるとポートフ ォリオといった考え方からも危険だ」と述べた。

米国経済がサブプライム問題以降の景気低迷から抜け出せないこと から「ゆっくりとドルの価値は下がっていくだろう」と見込んでいる池 水氏は、ドル通貨から金への資金の流れは、特に中国やロシア、インド など新興国の中央銀行の行動に表れていると指摘した。

欧州では債務問題に対する各国の協調体制が構築されつつあるが財 政問題の深刻化で各国政府が赤字抑制を強いられることから、中長期で は景気減退と物価上昇が同時に起きるスタグフレーションも警戒されて いる。

著名資産家のジョージ・ソロス氏は10日、ウィーンで開催された国 際金融協会(IIF)の会合で「ようやく危機の第2幕が始まった。現 状は1930年代をほうふつとさせる」と述べ、市場には、自らの行き過ぎ た動きを修正するだけの自助能力がないと指摘した。

金の投資需要

金価格については、英貴金属調査会社、ゴールド・フィールズ・ミ ネラル・サービシズ(GFMS)のポール ・ウォーカー最高経営責任 者(CEO)が7日、ブルームバーグ・ニュースとの単独インタビュー で、現在の市況水準である1オンス=1200ドル程度を維持するのに「年 間で600億-800億ドルの正味の資金流入が必要になる」と述べていた。

GFMSのまとめによると、2009年の金供給量は4287トンと前年比

8.3%上昇。中央銀行など公的部門からの売却量が191トン減少したもの の、鉱山生産量が163トン、中古スクラップも358トン増加した。

一方、金需要は、宝飾品など加工用合計量が472トン、金塊退蔵が 199トン、正味生産者ヘッジ解消が98トン減少したが、金ETF(上場 投資信託)などの正味退蔵投資が1759トン増加。需給バランスは、鉱山 生産量やスクラップが加工用需要を大幅に上回り、このギャップを投資 需要が埋めた形だ。

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