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日本株は小幅続落、米経済不透明で輸出関連に売り-金融も

東京株式相場は小幅続落。米国の 新規失業保険申請件数などが市場予想に比べ悪く、景気の先行き不透明 感や対ドルでの円高を受け、自動車や電機など輸出関連株が売られた。 海外の金融規制強化の動きを懸念し、銀行や保険株も下落。改正貸金業 法の完全施行による業績警戒から、その他金融株は業種別下落率1位。

TOPIXの終値は前日比2.84ポイント(0.3%)安の884.64、 日経平均株価は4円38銭(0.04%)安の9995円2銭。東証1部の値上 がり銘柄数は827、値下がりは705。

トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテジ ストは、米新規失業保険申請件数について「40万件を下回らなければ 持続的な雇用回復に自信が持てない」と指摘。日経平均の1万円水準は バリュエーションから見て割安な部類に入るが、「米中欧の下期以降の 景気先行きに不透明要因が多く、株価が本当に割安なのかどうか、確信 が持てない」と話した。

米景況感の悪化、スペインの国債入札堅調を受けた欧州不安の後退 というマイナス、プラス両面の材料が交錯し、週末の主要日本株指数は 前日終値を挟み気迷い状況が続いた。「株価が売り込まれる原因となっ た悪材料は織り込まれてきているが、海外金融規制などなお不透要因も あり、新規に買い上がる材料には乏しい」と、中央証券の大越秀行株式 部長は言う。市場の様子見ムードを映し、日経平均の値幅は63円95銭 にとどまり、売買も低迷した。

回復トレンドには景況感改善が必要

米労働省が17日発表した、12日に終わった1週間の新規失業保険 申請件数は前週から1万2000件増加し、47万2000件となった。ブル ームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は45万件。また、フ ィラデルフィア連銀が発表した6月の同地区製造業景況指数も8と、前 月の21.4から大幅に低下した。

大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所・投資戦略部の高 橋和宏部長は、「欧州に対するリスク警戒度は低下しているが、相場が 回復トレンドに入るには米国などの景況感が強まる必要がある」と見て いる。為替が対ドルで90円台と、きのうの東京株式市場の通常取引終 了時の91円29銭より円高で推移したことも加わり、海外景気に敏感な 業種は軟調な値動きを強いられた。特に自動車株は、中国での販売軟調 や欧州での販売減など実需面、人件費などコスト増への懸念が響いた。

金融株の下げも目立った。改正貸金業法の完全施行の影響を見極め たいとして、みずほ証券が妥当株価を引き下げた武富士、プロミス、ア コム、アイフルがそろって値下がり率上位に入った。海外金融規制への 不安も重なり、銀行や保険、証券も業種別下落率の上位に並んだ。

欧州連合(EU)は17日にベルギー・ブリュッセルで開いた首脳 会議で、銀行や金融取引に対する世界規模での課税を推進させる方針を 表明、金融機関を対象にしたストレステスト(健全性審査)の結果を公 表することでも合意した。

外国人売り警戒も、ユーロ堅調が支えに

需給面では、きのう発表された6月第2週の外国人の売越額が 8562億円と、過去3番目の高水準になったことが注目された。朝方の 外資系証券の10社売買動向は、市場推定で1億円の買い越しだったが、 「市場は外国人が下値を売り叩くのではないかと警戒している」と、岡 三証券の森本敏喜商品運用部長は話していた。

もっとも、株価指数の下げ幅も限定的。17日のスペイン国債の入 札が順調だったことで欧州債務危機への懸念が後退、米経済指標が予想 を下回り、ユーロは対ドルで上昇した。ユーロは対円でも堅調に推移、 一定の株価下支え役を果たした格好だ。株価の底入れ期待を背景に、下 値では見直し買いも継続、東証1部の値上がり銘柄数は値下がり銘柄数 を上回った。

業種別では情報・通信、医薬品、食料品、陸運など、景気動向に左 右されにくいディフェンシブ関連がTOPIXの上昇寄与度上位に並ん だ。「相場全体の上値が重く、景気への不安がぬぐい切れないため、安 全なディフェンシブ関連に資金をシフトする動きが出ている」と、トヨ タアセットの浜崎氏は見ていた。東証1部の売買高は概算15億5513万 株、売買代金は同1兆1387億円。

レオパレス値下がり1位、ソフバンクは9連騰

個別の材料銘柄では、管理するアパート入居率の低下により、増資 リスクが高まるとしてクレディ・スイス証券が投資判断を引き下げたレ オパレス21が急落し、東証1部値下がり率1位。欧州や中国での自動 車販売の減速懸念から日本ガイシも大幅安となった。ゴールドマン・サ ックス証券が投資判断を引き下げた新日本製鉄や神戸製鋼所も下落。

半面、中期的な業績拡大やアジアでのサービス企業群への評価から、 野村証券が目標株価を引き上げたソフトバンクが東証1部売買代金1位 で9連騰。中国での設備投資需要がおう盛だとしていちよし経済研究所 が目標株価を2000円に引き上げたコーセルは急伸した。中国の経済対 策に期待するとし、クレディ・スイス証券が投資判断を引き上げたダイ キン工業は反発。

新興市場は続落

新興市場はそろって続落。ジャスダック指数の終値は前日比0.1% 安の51.74、東証マザーズ指数は1.1%安の408.72、大証ヘラクレス指 数は0.9%安の623.12。

個別の材料銘柄では、抗がん剤「CBP 501」について武田薬品工 業との事業化契約を解消したと発表したキャンバスが値幅制限いっぱい のストップ安。いちよし経済研究所が業績予想を下方修正したジャスト プランニングは続落した。売買代金上位では、デジタルガレージ、日本 風力開発、アイレップが下げた。

半面、10年5月期利益が従来予想を上回ったもようだと昼に発表 した日本ERIは大幅高。発光ダイオード(LED)製造装置で第2の 創業期を迎えると野村証券が指摘したサムコも高い。売買代金上位では スパークス・グループ、トランスジェニック、クルーズが上げた。

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