コンテンツにスキップする

日銀議事要旨:リスクは上下両方向に幾分拡大している(Update1)

日本銀行は18日午前、5月20、 21日の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。それによると、多く の委員は、日本経済の先行きについて、ギリシャの財政問題に端を発 した国際的な金融市場の混乱という下振れリスクと、中国など新興国 の力強い成長という上振れリスクがあり、「リスクは上下両方に幾分 拡大している」との認識を示したことが分かった。

大方の委員は「欧州金融市場が依然不安定な状況にあることを踏 まえると、こうした一部欧州諸国における財政状況をめぐる動きが国 際金融資本市場の緊張をさらに高め、さまざまなルートを通じて世界 経済を下振れさせるリスクには十分注視していく必要がある」と述べ た。

一方で、多くの委員は「最近の新興国・資源国の力強い成長は予 想を上回り続けている」とした上で、「上振れリスクとして一層の注 意が必要である」との認識を示した。

ギリシャの財政問題に端を発した欧州金融市場の混乱が国内の金 融環境に与える影響について、委員は「これまでのところ株式市場な ど限定的であり、金融環境の緩和方向への動きは途切れていない」と の認識で一致した。

ただし、何人かの委員は「今後、欧州金融市場が一段と不安定化 し、円高・株安がさらに進展するような状況になれば、実体面、金融 面のさまざまなルートから、わが国の金融環境が逼迫(ひっぱく)化 する可能性には留意が必要」と指摘した。

成長基盤強化

4月30日の決定会合で、議長である白川方明総裁は執行部に対し、 成長基盤強化のために民間金融機関を資金供給面から支援する方法が ないか検討するよう指示した。これを受けて5月20、21日の決定会合 では、執行部から、民間金融機関等との意見交換を踏まえ、「低利・ 長期の資金供給を金融機関による融資・投資に対応する形で実施する ことには一定のニーズがあるものと考えられる」との報告があった。

同日の会合では、討議の結果、政策金利(現在0.1%)で期間は 原則1年、借り換えも可能とする骨子を決定した。

さらに今月14、15日の決定会合では、環境・エネルギー、医療・ 介護、観光、農林水産業、保育・育児など18分野を対象に総額3兆円、 貸出期間は最長4年とすることを決定した。

臨時会合

日銀は5月10日に開いた臨時の金融政策決定会合の議事要旨も 公表した。同会合では、米連邦準備制度理事会(FRB)との間で米 ドルスワップ取り決めを再開することと、米ドル資金供給オペの実施 体制をあらためて整備することを決定した。

議事要旨によると、委員は「ギリシャをめぐる問題が一段と悪化 したことから、欧州において、米ドル短期金融市場における緊張が再 び高まっており、他の市場や他の金融センターへの波及が懸念される 状況にある」ことを確認。

その上で、委員は「わが国金融市場への影響は限定的であり、邦 銀の資金繰りに支障は生じていないものの、国際協調策の一環という 観点を踏まえ、予防的な措置として、米ドル資金供給オペレーション を導入することが適当」との見解で一致した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE