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6月17日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ユーロ大幅高、スペイン国債の入札好調で危機懸念後退

ニューヨーク外国為替市場ではユーロがドルに対して上昇。ほぼ3 週間ぶりに1ユーロ=1.24ドル台を回復した。スペインの国債入札が 順調だったことから、欧州債務危機への懸念が後退した。

米フィラデルフィア連銀が発表した6月の同地区製造業景況指数 は前月から大幅に低下。これを嫌気した株安を売り材料に、ユーロは 上げ幅を縮めた。ドルは対円で3週間ぶり安値を付けた。先週の米失 業保険申請件数が予想に反して前週比で増加したことが材料。スイ ス・フランはユーロに対して上昇。スイス国立銀行(SNB、中央銀 行)が、デフレリスクが「大きく後退した」と指摘したことを受けた。

ゲイン・キャピタル・グループ傘下のオンライン為替取引会社F OREXドット・コム(ニュージャージー州ベドミンスター)のチー フストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は「ユーロはスペイン国 債の入札終了後の安堵(あんど)感から恩恵を最も強く受けている」 と分析した。ただ、「米国の景気回復に関しては、依然としてかなり 活力に欠けた状態にあると考えている。それもリスク資産の上昇が失 速する可能性を浮き彫りにしている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時21分現在、ユーロはドルに対し前日 比0.6%高の1ユーロ=1.2387ドル(前日は1.2311ドル)。一 時1.2413ドルと、5月28日以来の高値を付けた。ユーロは対円 で1ユーロ=112円72銭(前日は112円57銭)。スイス・フラ ンは1ユーロ=1.3774フラン(前日1.3924フラン)に上昇した。 ドルの対円相場は前日比0.5%安の1ドル=90円75銭。一時90 円51銭と、5月27日以来の安値を付けた。

米経済指標

フィラデルフィア連銀が17日に発表した6月の同地区製造業景 況指数は8と、前月の21.4から大幅に低下。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は20だった。米労働 省が発表した12日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節 調整済み)は1カ月ぶり高水準に増加した。

シティグループの為替ストラテジスト、トッド・エルマー氏(ニ ューヨーク在勤)は「ユーロのショートカバー(買い戻し)が多少見 られており、それが若干の上昇圧力となっている」と述べた。

商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、ヘッジファ ンドなどの大口投機家の建て玉は8日の時点で、ユーロの売り越しが 過去最高付近となった。

BNPパリバのテクニカルアナリスト、アンドルー・シャベリア 氏(ニューヨーク在勤)は、ユーロが1ユーロ=1.24ドルを突破し たことについて、17日中もしくは18日に1.2455ドルまでさらに 上昇することを示唆している可能性があると指摘した。ユーロは7日 に4年ぶり安値となる1.1877ドルを付けて以降、最大4.5%値上 がりしている。

弱気相場の一時的な戻り

シャベリア氏は「1ユーロ=1.235ドル以上を維持すれば、

1.25ドルに向けて上昇する可能性がある。株式相場の動きに左右 されるところは大きい」と述べた。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンによれば、1ユーロ=1.25ド ルを上抜ければ、1.267ドルに達する可能性がある。マーク・チャ ンドラー氏ら同社アナリストは、顧客リポートで、5月にはユーロが この水準を付けた後に下落し始めており、今回も同様の動きを示す可 能性があることを示唆していると記した。

リポートでチャンドラー氏は「最近のユーロ高は弱気相場におけ る一時的な戻り局面で、トレンドが変わったわけではない」と説明。 「われわれはより弱気な中期見通しを維持する」と指摘した。

◎米国株:上昇、テクノロジー株中心に終盤で反転-アップル高い

米株式相場は上昇。米主要株価指数の年初来パフォーマンスはプラ スとなった。テクノロジー株や生活必需品株、工業株が終盤にかけて値 上がりし、相場全体も上げに転じた。午前に発表された経済統計で景気 回復の鈍化が懸念され、軟調な場面が目立った。

アップルは上昇。コンピューター株の上げをけん引した。携帯電 話の最新モデル「iPhone(アイフォーン)4」をめぐる楽観が 広がった。クレディ・スイス・グループの推奨を好感し、薄膜太陽電 池モジュール・メーカーのファースト・ソーラーに買いが入った。ユ ーロが対ドルでこの日の高値付近まで戻すと、欧州債務危機が抑制さ れているとの見方が強まった。これをきっかけに米主要株価指数はプ ラスに転じた。

S&P500種株価指数は前日比0.1%高の1116.04。3日連 続で200日移動平均を上回った。ダウ工業株30種平均は24.71ド ル(0.2%)上昇して10434.17ドル。一時、90ドル安となる場面 があった。

グリーンウッド・キャピタルのウォルター・トッド共同最高投資 責任者(CIO)は「過去2日間、経済統計の内容を考えると、米株 式相場はよく持ちこたえている。200日移動平均を上回り続けており、 それは良いことだ」と述べた。

S&P500種は15日以降、200日移動平均を上回って取引を 終了している。それまでは約1カ月近く同平均を下回っていた。15日 に2.4%高をつけると、投資家がチャート上の重要な節目と見なす 200日線を6.5ポイント上回った。

フィラデルフィア連銀指数

S&P500種はこの日0.8%安まで下げる場面もあった。フィ ラデルフィア連銀が発表した6月の同地区製造業景況指数は8と、前月 の21.4から大幅に低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめた エコノミスト調査の予想中央値は20だった。同指数はゼロが拡大と 縮小の境目を示す。

S&P500種は4月23日の1年7カ月ぶり高値から6月7日ま でに14%下落した。欧州の債務危機で景気が回復軌道を外れるとの 懸念やBPの原油流出事故などが影響した。S&P500種は7日以降 これまでに6.2%値を戻している。欧州債務懸念の緩和や米中の経済 成長が世界の景気回復を押し上げるとの見方が強まった。

VIX

米国株オプションの指標、シカゴ・オプション取引所(CBOE) のボラティリティ指数(VIX)は3.4%低下して25.05と、6週 ぶり低水準だった。

アップルは1.7%上昇と、6日続伸。アップルに関する非公式情 報や憶測を扱うウェブサイト、アップルインサイダーはモルガン・ス タンレーのアナリスト、ケイティ・ハバーティ氏を引用し、アイフォ ーン加入者は2011年末までに3倍以上増加して1億人に達する可能 性があると述べた。

ファースト・ソーラーは3.9%高。クレディは同社の株式投資判 断を引き上げた。

一般消費財・サービス株

S&P500種一般消費財・サービス株価指数は下落。米労働省が 発表した12日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節調整 済み)は前週から1万2000件増加して47万2000件。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は45万件だっ た。

また米労働省が発表した5月の米消費者物価指数(CPI、季節 調整済み)は前月比0.2%低下。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミストの予想中央値と一致した。

◎米国債:上昇、失業保険申請増で-低金利長期化を予想

米国債相場は上昇。2年債利回りは3週間ぶりの低水準となった。 米新規失業保険申請件数が予想に反して増加したほか、米消費者物価 指数(CPI)が低下したことから、米連邦公開市場委員会(FOM C)が政策金利を低水準で維持するとの見方が強まった。

フィラデルフィア連銀が発表した6月の同地区製造業景況指数 が8と、前月の21.4から大幅に低下したことが示されると、米国 債は上げ幅を拡大した。同指数ではゼロが拡大と縮小の境目を示す。 米財務省は来週、1080億ドル規模の償還期限が短い国債入札を実施 すると発表。これは先月の規模を50億ドル下回る。

野村ホールディングスの金利戦略責任者、ジョージ・ゴンキャル ベス氏は「投資家は景気回復見通しについて神経質になっている」と 指摘。「デフレの風が引き続き吹いている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時42分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.19%。一時は3.18%と、10 日以来の低水準を付けた。同年債(表面利率3.5%、2020年5月 償還)価格は18/32上げて102 19/32。2年債利回りは2bp低 下の0.71%。一時は0.69%と、5月25日以来の低水準となった。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、政府関連 債券の保有を昨年11月と並ぶ高い水準に増やした。同社のウェブサ イトによると、トータル・リターン・ファンド(運用資産2279億 ドル)に占める、政府関連債券の保有比率は5月に51%に増加。前 月は36%だった。

最高の保有資産

グロース氏は今月、政府関連債券の一角である米国債は、債券投 資家にとっては最高の保有資産だとの見方を示した。米国の民間部門 の雇用創出が実現していないことや、欧州のソブリン債危機が域内の 銀行セクターにとって脅威になっていることを理由に挙げた。

米財務省は来週22日から3日間連続で実施する入札の規模を発 表。2年債が400億ドル、5年債は380億ドル、7年債は300億 ドルとなる。先月はそれぞれ、420億ドル、400億ドル、310億ド ルだった。

ジェフリーズ(ニューヨーク)のチーフ金融エコノミスト、ウォ ード・マッカーシー氏は「財務省の発表は、同省の資金調達が当面は 引き続き減少することを新たに示唆するものだ。これは入札規模が継 続して縮小することを意味している」と指摘。「発行高の縮小は期間 の短い国債に集中しており、財務省は期間の長い債券で資金調達して いる。これは利回り曲線のわずかなスティープ化を意味する」と述べ た。

経済統計

米労働省が発表した12日に終わった1週間の新規失業保険申請 件数(季節調整済み)は前週から1万2000件増加して47万2000 件。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値 は45万件だった。

フィラデルフィア連銀区製造業景況指数で、ブルームバーグがま とめたエコノミスト調査の予想中央値は20だった。今回の指数8は 10カ月ぶりの低水準。

米労働省が発表した5月の米CPI(季節調整済み)は前月比

0.2%低下。低下率は2008年12月以来最大となった。5月の食品 とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.1%上昇だった。

CMEグループの取引所の金利先物動向によると、FOMCが 12月の会合までに政策金利を少なくとも0.25ポイント引き上げる 確率は26%。1カ月前の38%から低下した。

◎NY金:最高値に接近、通貨に代わる需要-終値1248.70ドル

ニューヨーク金先物相場は上昇。ドルの低迷と欧州のソブリン債 危機をめぐる懸念から、通貨に代わる投資需要が高まり、過去最高値 に接近した。

主要6通貨に対するドル指数はほぼ4週間ぶりの低水準まで低下。 米失業保険申請件数が予想外に増加したことに反応した。ユーロ圏の 財政危機を背景に、ユーロの対ドル相場は年初から14%下落してい る。金相場は8日にオンス当たり1254.50ドルを付け、過去最高 値を更新した。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズのヘッドディ ーラー、フランク・マギー氏(シカゴ在勤)は「金は世界の負担を一 身に受けている」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場8月限は前日比18.20ドル(1.5%)高の1オンス=

1248.70ドルで取引を終了。上昇率は7日以降で最大となった。一 時は1252.80ドルまで上昇した。

◎NY原油:6週間ぶり高値から下落、米経済統計悪化に反応

ニューヨークの原油先物相場は6週間ぶり高値から下落。米失業 保険申請件数が予想外に増加したほか、フィラデルフィア地区の製造 業の拡大ペースが減速したことを嫌気した。

原油は4日ぶりに下落。米労働省が発表した12日に終わった1 週間の新規失業保険申請件数は過去1カ月で最高となった。フィラデ ルフィア連銀が発表した6月の同地区製造業景況指数は昨年8月以来 の低水準となった。

IAFアドバイザーズのマネジングディレクター、カイル・クー パー氏(ヒューストン在勤)は「フィラデルフィア連銀指数と失業保 険申請件数の結果を受け、経済成長とそれに伴うエネルギー需要をめ ぐる懸念が高まっている」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物7月限は前日 比0.88ドル(1.13%)安の1バレル=76.79ドルで取引を終了 した。過去1年間の上昇率は8%。

◎欧州株:7日続伸、スペイン国債入札で懸念後退-英BPも急伸

欧州株式相場は7営業日続伸と、過去9カ月で最長の上昇局面と なった。米国の経済指標が市場予想を下回ったものの、スペインの国 債入札を受けて欧州の債務問題をめぐる懸念が後退し、買いが優勢と なった。英BP株は急伸した。

スペインのサンタンデール銀行が上昇。スペインは17日に国債 入札を実施し、35億ユーロを調達。この日調達を目指した最高額を 確保した。BPは6.7%高。同社はメキシコ湾での原油流出事故に よる被害の補償基金として200億ドルの拠出を米国から求められた ことを受けて、配当を取りやめ、予定より多くの資産を売却すること を明らかにした。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%高の254.88で終了 した。

ブルーウィン・ドルフィン・ホールディングスのチーフストラテ ジスト、マイク・レンホフ氏は「欧州ソブリン債危機の問題はなおも 見られるが、政策努力は正しい方向に向かっているようだ」とした上 で、「しばらくはボラティリティ(変動性)の高い状態が続くだろう」 と述べた。

スペインの銀行最大手、サンタンデールは1.6%高の9.03ユ ーロ。バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)は

1.3%上げて8.86ユーロ。

◎欧州債:スペイン債上昇、独国債との利回り格差縮める-入札順調

欧州債市場でスペイン国債相場が上昇し、ドイツ国債とのスプレ ッド(利回り格差)が縮小した。スペインの国債入札が順調だったこ とから、スペインが債務返済で苦慮するとの懸念が和らいだ。

スペイン10年債利回りは2008年7月以来の高水準から下げ に転じた。35億ユーロと想定発行額最大となったスペイン国債の落 札利回りは市場水準を下回った。応札倍率は2.45倍。

クレディ・アグリコルCIBの債券ストラテジスト、ピーター・ チャットウェル氏は「スペイン国債入札後の安堵(あんど)感からの 典型的な相場上昇だ。織り込まれていた高い不透明感がこの日は解消 されている」と語った。

ロンドン時間午後4時40分現在、ドイツ10年債利回りは

2.67%と、前日からほぼ変わらず。同国債(表面利率3%、2020 年7月償還)価格は0.04ポイント上げ102.88。

スペイン10年債の利回りは前日比12ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の4.81%。ドイツ債とのプレミアム(上乗 せ金利)は11bp縮小し210bpとなった。

◎英国債:10年債上昇、ドイツ債への上乗せ利回り縮小-入札好感

英国債市場では10年債相場が上昇。ドイツ国債に対する上乗せ 利回りが縮小し、終値ベースとしては2月以来の最小となった。 2014年償還の国債(発行額40億ポンド)入札がきっかけ。

国債入札の平均落札利回りは2.03%と、前回実施の2.07%を 下回った。10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の3.49%。独10年債に対するプレミアム(上 乗せ金利)は82bpとなった。

BNPパリバの金利ストラテジスト、マテオ・レゲスタ氏(ロン ドン在勤)は「好調だった入札が、市場参加者の気分を高揚させたの は明白だ」と語った。

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