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民主党・参院選マニフェスト、「菅カラー」前面に-財政再建

民主党は、参院選(24日公示、7月 11日投開票)で掲げる政権公約(マニフェスト)に財政再建を重視する 「菅カラー」を全面的に打ち出した。消費税を含む税制抜本改革は「早 期に結論を得ること」を目指し、「協議を超党派で開始」する方針と明 記した。「子ども手当」など同党が圧勝した衆院選でのマニフェストの 一部修正にも踏み込んだ。

民主党が17日夕に発表した参院選マニフェストによると、2015年度 までに基礎的財政収支の赤字を10年度の2分の1以下に抑え、20年度ま でに黒字化達成を目指す。11年度の新規国債発行額については10年度の 発行額を上回らないよう努力するとし、21年度以降は、長期債務残高の 対国内総生産(GDP)比を安定的に低下させるという。

枝野幸男幹事長は発表会見で、国家財政はギリシャ問題などで急速 に国際社会の問題として焦点化していると指摘した上で、「消費税から 逃げることなく国民と議論したい」と語った。

明治学院大学の川上和久教授は、「国民に責任ある軌道修正をした ということで評価できる。増税は、国民は当然いやだが、それを言わな かったらもっと無責任だというほうが強い。ばらまきだけで国家がだめ になるよりは、自分たちも負担しなくてはいけないという世論はできつ つある」と評価した。

新規施策の財源については「既存の予算の削減または収入増によっ てねん出する」ことを原則として掲げた。昨年の衆院選マニフェストで 11年度から月額2万6000円を支給する方針を打ち出していた「子ども手 当」は現行の1万3000円から「上積みします」と述べるにとどめ、上積 み分に関しては現金給付ではなく、保育所の定員増など現物給付に代え ることも可能とした。

民主党の政調会長を兼務する玄葉光一郎公務員制度改革担当相は会 見で、子供手当ての支給額を修正したことについて、「国民におわびし たい」と述べた。

日本銀行の金融政策に関連しては「政府と日銀が協力して集中的な 取り組みを進め、早期にデフレを克服」と指摘するにとどめた。民主党 の有志でつくる「デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟」(デフ レ脱却議連)が求めている政府が物価等の適正水準について数値目標を 設定するインフレターゲット政策の導入は盛り込まれなかった。

強い経済

経済の拡大、財政の再建、社会保障の充実で「元気な日本を復活さ せる」をキャッチフレーズに、2020年度までの平均で「名目成長率3% 超、実質成長率2%超」の経済成長を目指す方針も示した。

経済を拡大するための成長戦略の具体策としては、地方税を合わせ た実効税率で約40%強と国際的に高いとされる法人税率の引き下げを明 記した。租税特別措置など法人税制の簡素化を前提として、「国際競争 力の維持・強化、対日投資促進の観点から見直しを実施」する方針だ。

具体的な税率の引き下げ幅や実施時期について、今回のマニフェス トでは言及しなかったが、菅直人首相は会見で、中期財政フレームや財 政運営戦略は来週早々に発表する考えを示した。また、消費税について は、「2010年度内にあるべき税率やあるいは逆進性対策を含む消費税改 革案をまとめたい」と明言。あわせて、超党派の合意がなくても民主党 中心に改革を進める意向であることを明らかにした。

首相や閣僚のトップセールスによる、高速鉄道、原子力発電所など のインフラ輸出推進や、エコカー、エコ家電などの普及を支援する「グ リーン・イノベーション」なども成長戦略の柱として掲げた。

このほか、参院議員定数(現行242人)の40人程度の削減、衆院議 員(現行480人、うち比例180人)の比例定数の80人削減、公共事業をは じめとする投資への補助金を2011年度から一括交付金化することも盛り 込んだ。

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