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債券は反発、5年債利回りが一時0.4%割れ-米債上昇や国内株反落で

債券相場は反発。景気の先行き懸 念に伴う米債相場の上昇や、国内株式相場の反落が買い材料視された。 新発5年債利回りが1週間ぶりに0.4%割れとなったほか、中期から 超長期ゾーンにかけて幅広い年限で買いが優勢となった。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は、欧州の財政問題が長期化するとの見通しから、投資家の需要は引 き続き旺盛のようだと指摘。「金利自体は各年限で節目の水準に達した が、買いがじわりとにじみ出る展開がなお続きそう」とも言う。

東京先物市場の中心限月9月物は前日比15銭高い140円43銭で 開始。株安もあって直後に買いが先行すると、15日に付けた日中高値 に並ぶ140円50銭まで上昇した。その後は140円40銭を挟んでのも み合いとなり、結局は13銭高の140円41銭で終了した。

前日の米国市場で長期金利が低下したほか、欧州の財政懸念が根 強いことが買い材料視された。岡三証券の坂東明継シニアエコノミス トは、欧州の財政問題に関しては漠然とした不安がくすぶり続けてお り、もともと需給環境が良好な債券相場を押し上げたと言う。

16日の米債市場では住宅や物価関連の指標発表を受けて買いが 膨らみ、米10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp)低下の

3.26%付近で引けた。また、スペイン銀行(中央銀行)は、同国の銀 行について実施したストレステスト(健全性審査)の結果を公表する 方針。欧州の財政と景気に対する不透明感が広がったこともあり、安 全資産とされる米国債の買いにつながった。

また、前日には株価の堅調推移が債券売りを促していただけに、 日経平均株価が下げに転じたこともサポート材料となっていた。ドイ ツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、世界的に金融緩和策が 出尽くしたほか、財政政策が緊縮方向に向かうとなれば、景気回復が 鈍るとの警戒感が高まるのは自然だとみており、「株式などリスク資産 が一段と反発すると確信できる状況ではない」との見方を示した。

10年債利回りは1.22%

現物市場で新発10年物の308回債利回りは、前日終値より1.5bp 低い1.22%で始まり、その後は1.225%で推移していたが、午後4時 過ぎから再び1.22%で取引されている。

前日には20年債の入札で無難な結果が示されたことから、債券市 場ではあらためて現物債の需給の良さが意識されている。岡三証の坂 東氏は、投資家はここ数年の経験則から4-6月期の金利上昇を想定 していたが、欧州の財政問題によってトレンドが変わってしまったと 分析。その上で、「その後も押し目買いを狙ったことで買いそびれた向 きが、債券残高積み増しの決断を迫られている」と言う。

実際、朝方に308回債はじめ10年ゾーンに買いが先行した以外に も、中期から超長期ゾーンにかけて満遍なく買いが入った。新発5年 物の89回債利回りは0.4%を下回る0.395%を付け、20年物の118回 債利回りは2%割れの1.99%まで低下するなど、それぞれ節目とされ る水準を下回った。

もっとも、308回債利回りは10日の取引で1.19%まで低下したも のの、その後は1.2%台前半でのこう着が続いており、この日も日中 は小幅な値動きに終始した。みずほ証券の野地慎シニアマーケットア ナリストは、欧州の問題は根強いとはいえ今週はギリシャの格下げが あっても市場が混乱するに至っておらず、国内債市場もここから買い 進むには材料不足の感が否めないとの見方を示した。

中期財政フレームに注目

政府が来週にもまとめる見通しの「中期財政フレーム」にも注目 が集まっている。みずほ証の野地氏は、菅政権の下では中期財政フレ ームで歳出抑制の考えが示されることから、鳩山政権のまま参院選を 迎えるより財政規律維持への期待が高まると予想している。

岡三証の坂東氏も、財政再建といってもどれだけ具体的な中身が 示されるか不透明だとしながらも、政府の方針自体は債券市場にとっ て支援要因だとみていた。

中期財政フレームは2011-13年度の予算編成の大枠を定めるこ とで、一段の財政悪化を回避することを狙っており、国債費を除く一 般歳出と地方交付税交付金の合計を10年度の約71兆円以下に抑える 方針が示される見通し。

菅直人首相は14日、今後3年間の新規国債発行額を今年度並みの

44.3兆円程度に抑えても、債務残高は国内総生産(GDP)比で200% を超えると指摘し、発行額を11年度以降は同水準以下に抑制する方針 を「中期財政フレーム」に盛り込む考えを示した。

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