4月30日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルと対円で3日続伸。 ギリシャ支援策をめぐり合意成立の兆候が示されたのが背景。

月間ベースでは、主要16通貨のうちスイス・フランだけがユーロ に対して下落した。スイス国立銀行(SNB、中央銀行)が行き過 ぎたフラン上昇に対し断固たる行動を取るとの姿勢を示したのが背 景。ブラジル・レアルは対ドルで3カ月連続の上昇。ブラジルは今 週、約1年ぶりに政策金利を引き上げ、中南米諸国では利上げ一番 乗りを決めた。

ゲイン・キャピタル・グループ傘下のオンライン為替取引会社F OREXドット・コム(ニュージャージー州ベドミンスター)のチ ーフ為替ストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は、「ユーロが 上昇しているのは支援策が近く発表されるとの見通しがあるからだ」 と述べ、「向こう3年間はギリシャのデフォルト(債務不履行)を 防ぐには十分な内容との憶測が出ている。ギリシャにはまだ問題が 残るが、状況は改善しつつある」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時27分現在、ユーロは対ドルで0.6% 値上がりして1ユーロ=1.3312ドル。前日は1.3233ドルだった。ユ ーロは対円で0.6%上昇して1ユーロ=125円14銭(前日は124円 45銭)だった。ドルは対円で1ドル=94円(前日94円3銭)とな っている。

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のバローゾ委 員長は、ギリシャに対する支援策が「数日中に」まとまると確信し ていると述べた。同氏が30日、北京での記者会見で語った。

フラン下落

月間ベースでユーロは対ドルで1.5%下落。5カ月連続安は2008 年11月以来の最長。ユーロは対円では0.9%値下がりした。

スイス・フランは月間ベースでユーロに対して昨年6月以来で初 の下落。スイス国立銀行のヒルデブラント総裁は、スイス・フラン の対ユーロでの「行き過ぎた」上昇を阻止するため断固たる行動を 続けると表明した。

講演テキストによると、同総裁はベルンで30日開かれた年次株主 総会で、スイス・フランが「安全逃避先の通貨として急上昇」すれ ば「マイナスの影響」があると指摘した。

フランは今月ユーロに対して0.6%下落。この日は対ユーロではほ ぼ変わらずだった。

対円でのドル

朝方発表された米国の第1四半期の実質国内総生産の伸びがエコ ノミスト予想を下回ったのをきっかけに、ドルは円に対して上げを 一部失った。

米商務省が発表した第1四半期実質国内総生産(GDP、速報値、 季節調整済み、年率)は前期比3.2%増加した。GDPの伸びは、ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は

3.3%増だった。昨年第4四半期は5.6%増だった。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニア 為替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は、「統計内容 は景気回復を示しているが、米連邦準備制度理事会(FRB)の政 策に変化はないだろう」と語った。

◎米国株式市場

米株式相場は反落。米検察当局がゴールドマン・サックス・グルー プの捜査を進めていることが売りを誘った。シリコンウエハー・メー カーのMEMCエレクトロニック・マテリアルズが損失を計上したた め、ハイテク株も安い。週間ベース では1月以来の大幅安となった。

ゴールドマンは9.4%下げ、昨年7月以来の安値を付けた。事情 に詳しい複数の関係者によると、米連邦検察当局がゴールドマンの取 引を刑事事件として立件するかどうかの捜査を進めている。決算が予 想を下回った英バークレイズも大幅安。MEMCは19%急落。ホワ イトハウスがメキシコ湾の原油流出事故が調査されるまで新たな石 油採掘を認めない方針を示したため、沖合油田掘削大手のトランスオ ーシャンは7.9%下落。

S&P500種株価指数は前日比1.7%安の1186.69。週間では

2.5%下げた。ダウ工業株30種平均は158.71ドル(1.4%)下落 の11008.61ドル。週間ベースでは9週間ぶりに下落、1.8%下げた。

リー・マンダー・キャピタル・グループ(ボストン)のジェフリ ー・デービス最高投資責任者(CIO)は、「刑事」という言葉の 「響きが悪く、皆の関心を引き、金融株の売りにつながった」と指摘。 「ゴールドマンに限らず、政府が図らずも企業に打撃を与えたり、破 たんさせるとの懸念がある。欧州ではバークレイズが懸念要因だ。現 在、米企業よりも欧州企業の方が圧力を感じていても不思議ではない」 と述べた。

石油会社スノコや住宅建設のD.R.ホートンが発表した決算が 予想を上回り、米国の景気回復の強さを示した。1-3月(第1四半 期)の実質国内総生産(GDP、速報値、季節調整済み、年率)は前 期比3.2%増加。GDPの伸びは、ブルームバーグ・ニュースがまと めたエコノミストの予想中央値(3.3%増)とほぼ一致した。そのう ち、個人消費は3.6%増加と、07年第1四半期以降で最大の伸びと なった。

UBSファイナンシャル・サービシズの米州担当富裕層向け資産 運用調査責任者、マイク・ライアン氏は「GDP統計で本当に重要な のは個人消費だ。それが民間需要の加速によって押し上げられるだろ う。政府から2009年のような支援は望めず、今後は個人消費に再び 火がつくかどうかが重要だ」と指摘した。

ゴールドマン急落

ゴールドマンは9.4%安。月間では15%下落し、2008年10月 以来で最低のパフォーマンスになった。バンク・オブ・アメリカ・メ リルリンチはゴールドマン・サックス・グループの株式投資判断を 「買い」から「中立」に引き下げた。米連邦検察当局がゴールドマン の取引を刑事事件として立件するかどうか捜査を進めているとの報道 を理由に挙げた。

S&P500種の金融株指数は2.5%安と、全10セクター中で最 も下げがきつい。JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ も下げた。

MEMCは19%安と、S&P500種採用銘柄で下落率首位とな った。

アクセルロッド大統領上級顧問はABCの番組で、メキシコ湾の 原油流出事故が調査されるまで、新たな石油採掘は認められないと発 言。トランスオーシャンのほか、ハリバートンなどが下げた。

上昇銘柄

一方、スノコは4.3%高。S&P500種で上昇率トップとなった。 1株当たり損益が14セントの赤字予想にかかわらず、14セントの黒 字となったことで買いが膨らんだ。

D.R.ホートンは3.2%高。住宅購入に対する連邦税控除措置 の終了を前に駆け込み需要があり、同社は損益が2四半期連続で黒字 となった。

◎米国債市場

米国債市場では10年債が月間ベースで1月以来の上昇となった。 米国の景気回復ペースに加速の兆しが見られるものの、ギリシャ の財政危機で安全な国債を求める動きが再び強まっている。

30日の市場では、利回りは低下。ギリシャと欧州連合(EU)、 国際通貨基金(IMF)との協議決裂に備えて警戒を強める動きが広 がった。

BNPパリバの金利ストラテジスト、セルゲイ・ボンダルチャク 氏は、「こうしたリスク回避ムードが広がるなかで投資家は引き金を 引くのが非常に速く、米国債の購入に動いている」と分析。「心配性 の債券投資家は、次の大規模な質への逃避に備えつつある」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時16分現在、10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の3.67%。同年債(表面利率3.625%、2020 年2月償還)価格は、17/32上げて99 21/32。

利回りは一時3.65%と、3月23日以来の低水準を付けた。月 初からは15bpの下げとなる。2年債利回りは、前月末比で6bp 低下の0.96%

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、4月 の米国債の投資リターンは29日までの時点でプラス0.7%。3月は

0.9%のマイナスだった。

米経済成長

米商務省が発表した2010年1-3月(第1四半期)の実質国内 総生産(GDP、速報値、季節調整済み、年率)は前期比3.2%増加 した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央 値は3.3%増だった。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの金利ストラテジスト、キー ス・ブラックウェル氏は「全般的にリスク資産にとってはこの数字は プラスとなる」とした上で、「これにより、利回りには上昇圧力がか かるだろう」と述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)が物価指標として注目する食品 とエネルギーを除く個人消費支出(PCE)コア価格指数は、1-3 月(第1四半期)に前期比年率0.6%上昇と、ブルームバーグ・ニュ ースが実施した調査の予想中央値(0.5%上昇)を上回った。

行き過ぎ懸念

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト53人を対象にまとめ た調査の中央値によれば、労働省が7日発表する4月の雇用統計では、 雇用者数は18万9000人増加となったもようだ。この増加幅は、07 年3月以降で最大。

野村ホールディングスの金利戦略責任者、ジョージ・ゴンキャル ベス氏は「相場は多少速く動き過ぎている。これは行き過ぎだ」と指 摘。「少なくとも金利の低下が止まるべき十分な理由がある」と語っ た。

ブルームバーグがまとめた調査の加重平均によると、10年債利 回りは今四半期(4-6月)末に3.82%に上昇する見通しだ。2年 債利回りは1.15%に上昇すると見込まれている。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反発。ソブリン債リスクが通貨の価値 を弱める可能性が示されたことで、代替投資としての金への需要が高 まり、昨年12月以来の高値を付けた。

金連動型ETF(上場投資信託)としては最大の「SPDRゴ ールド・トラスト」の金保有量は1年ぶりの大幅増加となった。ド ルの対ユーロ相場は月間ベースで上昇した。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズのヘッドデ ィーラー、フランク・マギー氏(シカゴ在勤)は「この日の金の上 昇は力強い」と指摘。「ソブリン債をめぐる懸念は極めて強い。通 貨の中ではドルが一番ましだとはいえ、金のパフォーマンスはどの 通貨よりも高くなるだろう」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場6月限は前日比11.90ドル(1%)高の1オンス=1180.70ド ルで取引を終了。一時は1182.50ドルと、昨年12月4日以来の高値 まで上昇する場面も見られた。過去最高値は同12月3日に付けた

1227.50ドル。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は3週間ぶりの高値に上昇。ドルが下げ たほか、1-3月(第1四半期)の米国内総生産が増加し、燃料需 要が高まるとの兆しが示された。

原油は一時1.6%高。ギリシャが救済策を受けるための財政赤字 削減で合意するとの観測から、ドルの対ユーロ相場が下げたことが きっかけだった。米商務省が発表した1-3月(第1四半期)の実 質国内総生産は前期比3.2%増加。直近6カ月間の伸びは2003年以 降で最大となった。

食料やエネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、ラ ウンド・アース・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョ ン・キルダフ氏は、「原油は引き続きドルの下落に下支えされてい る」と指摘。「欧州当局者はギリシャ支援で合意に近づいているよ うだ。また、米GDPもまずまずの内容だった」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物6月限は前 日比0.98ドル(1.15%)高の1バレル=86.15ドルで取引を終了し た。一時は86.50ドルと、7日以来の高値を付ける場面もあった。月間 ベースでは2.8%上昇。3カ月連続で値上がりした。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は反落。週間ベースでは2月以来の大幅安となった。 ギリシャ債務危機がユーロ圏全体に広がるとの懸念が背景にある。

仏クレディ・アグリコルは12%安。銀行株の下げの中心となっ た。銅価格の下落を背景に、鉄鉱石生産会社の英豪系リオ・ティント を中心に鉱山株も下げた。スイスの歯科インプラントメーカー、ノー ベル・バイオケア・ホールディングは20%の大幅安。1-3月(第 1四半期)の売上高がアナリスト予想を下回ったことを手掛かりに売 られた。石油会社の英BPは10%安。同社のメキシコ湾の石油掘削 設備から流出している原油流出事故の被害をめぐる懸念が背景にある。

ストックス欧州600指数は週間ベースで2.8%安の259.91。3 週連続で値下がりした。月間の下落率は1.4%。米格付け会社スタン ダード・アンド・プアーズ(S&P)がギリシャ、ポルトガルおよび スペインの格付けを引き下げたことで、ギリシャの信用危機が周辺諸 国に波及するとの見方が広がった。

KBLリシュリュー・ゲションの証券アナリスト、シクン・ダ ン氏(パリ在勤)は「ギリシャ格下げが市場を圧迫しており、不透明 感を強めている」と指摘し、「ギリシャ問題は差し迫った状況にあり、 周辺諸国の格下げも株価を圧迫している。市場では次の格下げがどこ になるかに注目が集まっている」と続けた。

S&Pは27日にギリシャの長期ソブリン債の格付けを3段階引 き下げてジャンク級(投機的等級)とし、ポルトガルも2段階格下げ した後、翌日にスペインの長期信用格付けを1段階引き下げて「AA」 とした。

30日の西欧市場では、18カ国中、ドイツ、フランス、英国など 15カ国で主要株価指数が下落した。

◎欧州債券市場

欧州債市場では、ギリシャ国債相場が上昇。欧州連合(EU)主 導の最大1200億ユーロの救済策で、ギリシャが財政赤字削減に取り 組むための時間稼ぎができるとの観測が広がった。

ギリシャ10年債のドイツ10年債に対するプレミアム(上乗せ 金利)は6ポイント未満に縮小した。ギリシャのデフォルト懸念から、 今週初めには8ポイント以上に拡大する場面もあった。EUのアルタ ファイ報道官によると、総額240億ユーロの予算削減の見返りにギ リシャを支援するEUと国際通貨基金(IMF)の案は早ければ5月 1日にもまとまる可能性がある。

ウニクレディト(ミュンヘン)の債券ストラテジスト、コーネリ アス・パープス氏は、「センチメントは改善しつつあり、スプレッド (利回り格差)は縮小している」とし、「救済案をめぐる協議が続け られているため、ギリシャは火災現場から遠ざけられている。焦点は 危機連鎖の可能性に移ってきた」と語った。

ロンドン時間午後5時13分現在、ギリシャ2年債利回りは前日 比52ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の13.56%。 3月末からは829bp上昇した。同国債(表面利率4.3%、2012年 3月償還)価格は0.75ポイント上げ85.49。

ポルトガル、スペイン

ポルトガル2年債利回りは48bp低下の4.16%、イタリア2年 債利回りは4bp下げ1.66%。アイルランド2年債の利回りは15 bp低下し3.56%、スペイン2年債利回りは1.91%と、前日から 3bp上げた。

欧州債の指標であるドイツ10年債利回りは2bp低下の

3.04%。一方、独2年債利回りは1bp上げ0.79%となった。

ブルームバーグ/EFFAS指数によると、ギリシャ国債の月初 来のリターン(投資収益率)はほぼ15%のマイナス。これに対しド イツ国債はプラス0.9%となった。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。ギリシャが間もなく救済を受けるとの観測を 背景に、3連休を前に買いが優勢となった。

ノムラ・インターナショナル(ロンドン)のシニア債券ストラテ ジスト、チャールズ・ディーベル氏は、「ギリシャ情勢に注目が集ま る中、英国債は3連休を前に持ち高調整で上昇した」と述べ、「5月 3日の英国債市場は祝日で休場となる。欧州市場はギリシャ情勢に反 応できる機会があるが、英国市場はない」と付け加えた。

10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の3.86%。一時は2月5日以来の低水準となる

3.85%まで下げた。同国債(表面利率3.75%、2019年9月償還) 価格は0.59ポイント上げ99.14。2年債利回りも8bp低下し

1.13%となった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)のメリルリンチ部門がまとめ た国債指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率)はプ ラス1.3%。これに対しドイツ国債はプラス3.7%、米国債はプラス

1.9%となっている。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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