今日の国内市況:株式は反発、債券先物反落-円は94円付近

日本株相場は反発。欧州不安のひ とまずの後退や米低金利の継続期待から対ユーロ、ドルでの円高傾向 が一服、電機など輸出関連株が買われた。また、国内企業業績の改善 期待も根強く、今期増益計画を示した三菱倉庫、三菱地所の急伸に刺 激され、東証1部33業種の上昇率上位を倉庫・運輸、不動産が占めた。

日経平均株価終値は前営業日比132円61銭(1.2%)高の1万1057 円40銭。TOPIXは同9.40ポイント(1%)高の987.04。ただ、 東京市場はあすからの大型連休本番を前に買い上がる向きは限定され、 午後の取引で両指数は伸び悩んだ。

大型連休の谷間となったこの日の日本株相場は、日経平均が午前 の取引で一時167円高の1万1092円まで上昇。シカゴ先物市場(CM E)の日経平均先物6月物(円建て)の29日清算値(1万1075円) を上抜けた。ギリシャ格下げショックで急落した28日の取引から一転、 買い戻しが優勢となった。

背景には、ギリシャの財政問題に対する過度の悲観の後退がある。 欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員は29日、 ギリシャへの金融支援をめぐる交渉について、数日以内にまとまるは ずとの見通しを示した。また、ギリシャのパパンドレウ首相は同日、 赤字削減に向けた一段と厳しい緊縮財政の受け入れを求め、労働組合 の説得に乗り出した。

こうした動きを受け、為替相場ではユーロの買い戻しが先行。東 京時間30日午前には、1ユーロ=124円74銭までユーロ高が進んだ。 28日には、同122円37銭のユーロ安を付ける場面もあっただけに安 心感が広がった格好だ。28日は1ドル=93円ちょうどを付けたドル・ 円相場も94円台に戻し、海外株高、為替の落ち着きから東京市場では 輸出関連を中心に業績悲観論が後退し、TOPIXの上昇寄与度上位 には電機や化学、機械、輸送用機器などが入った。

東証1部33業種の値上がり率1位は倉庫・運輸、2位は不動産指 数。また、東証REIT指数は一時2.4%高の1003.91ポイントと、 2009年9月以来の1000ポイント台を回復する場面もあった。

東証1部の売買代金は概算で1兆7453億円。値上がり銘柄数1144、 値下がり413。

個別では、11年3月期の連結最終利益が前期比12%増の51億円 と計画した富士通ゼネラル、企業のIT投資が上向くなどと予測し、 11年3月期の連結純利益は前期比4倍の5億円になる見通しのクレ スコが急伸。製品需要の回復が順調で、10年12月期の連結最終利益 を従来予想比26%増の78億円に増額した東亜合成が大幅高となった。

半面、原材料価格の大幅上昇を見込み、11年3月期の連結営業利 益は前期比47%減を計画するステラケミファ、11年3月期の連結営業 利益は同43%減を見込む日本精化が急落。ソフトバンクへの音楽事業 売却交渉が破談になった、と29日付読売新聞で報じられたJVC・ケ ンウッド・ホールディングスも売り込まれた。

債券先物反落、超長期は堅調

債券市場では先物相場が反落。ギリシャの財政問題に対する協議 の進展や日経平均株価の反発を受けて売りが優勢だった。半面、この 日は月末のため、投資家から保有債券の年限を長期化させる買いが入 り、超長期債など長めのゾーンは堅調となった。

東京先物市場の中心限月6月物は3日ぶりに反落。28日終値に比 べて6銭安の139円69銭で始まった後、徐々に下げ幅を縮小し、一時 は横ばいの139円75銭まで戻した。しかし午後に入って再び売りが優 勢となると11銭安まで下げた。結局は7銭安の139円68銭で引けた。

超長期債が高い。20年物の117回債利回りは一時1bp低い

2.045%まで低下した。新発20年債としては、昨年12月11日以来約 4カ月半ぶりの低水準。新発30年債利回りは1.5bp低い2.125%に低 下した。半面、新発5年債利回りは0.5bp高い0.465%で推移した。

円の上値が重い

東京外国為替市場では、円の上値が重い展開が続いた。国内は大 型連休の谷間で取引が閑散となる中、デフォルト(債務不履行)危機 が懸念されているギリシャ向け金融支援の進展期待を背景に、リスク 回避に伴う円買い圧力は弱まる格好となった。

円は午後の取引で主要16通貨に対して全面安となる場面も見ら れた。オーストラリア・ドルに対しては一時1豪ドル=87円60銭と、 4営業日ぶりの水準まで下落。ユーロ・円相場は午後の取引で一時1 ユーロ=124円83銭と、前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた124 円45銭から円安が進んだ。

ドル・円相場は朝方の取引で1ドル=93円90銭まで円高が進む 場面が見られたが、その後はじりじりと94円19銭まで押し戻され、 94円台前半を中心に推移した。

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のレーン委員 (経済・通貨担当)は、ギリシャに対する包括的支援交渉が「近くま とまるだろう」と発言。また、ギリシャのパパンドレウ首相は赤字削 減に向けた一段と厳しい緊縮財政の受け入れを求め、労働組合の説得 に乗り出している。

一方で、朝方に発表された国内経済指標は、3月の完全失業率が 前月から悪化。物価関連指標もデフレ状況の継続を示す内容となった。 午後1時過ぎには日本銀行が金融政策決定会合の結果を発表し、政策 金利を0.1%に据え置くことを全員一致で決定したことを明らかにし ている。

午後3時には経済・物価情勢の展望(展望リポート)が公表され、 2011年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比上昇 率は、政策委員の見通しの中央値がプラス0.1%と、1月の中間評価 のマイナス0.2%から上方修正された。

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