ギリシャ問題は「終盤に近い」、PIIGS警戒-日興コーデ・松本氏

国内証券大手の日興コーディアル 証券国際市場分析部の為替ストラテジスト、松本圭史氏は欧州の債務 危機について以下のようにコメントした。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は27 日、ギリシャの長期ソブリン債格付けを「BB+」とし、従来の「B BB+」から3段階引き下げた。また、ポルトガルの自国通貨建てと 外貨建ての長期ソブリン発行体格付けも「A-」と、従来の「A+」 から引き下げている。

ギリシャの格下げについて:

「現時点で3段階の引き下げというのはかなり厳しい判断だし、 さらなる格下げの可能性も残る形になっている。市場の懸念材料とし ての重みは従来考えていたよりも重くなってしまったというのは事実 だ」

「とはいえ、今後は厳しい債務削減策が見込まれるうえ、2011 年以降に向けた中期にわたってのビジョンも持たざるを得ない状況に なっている。将来的にさらなる格下げは考えにくく、ギリシャ問題は かなり終盤に近いイメージを持っている」

「5月の前半までは一連の融資に向けた動向が重要だとみている。 実際の融資実行や、いくつかのスケジュールをこなすことである程度 懸念材料としては落ち着きを取り戻して、小康状態になる可能性もあ る」

「従って、目先はユーロが1ユーロ=1.3000ドルを割り込む展 開は予想していない」

ギリシャ以外の周辺国への影響について:

「周辺国への波及は要警戒で、差し迫って債務再編やデフォルト のリスクがあるわけではないが、ギリシャ以外のPIIGS(ポルト ガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国にも中期 的な財政再建策を示す必要が生じている」

「格下げが他国にも広がると、状況はかなり混迷化するため、引 き続き、ユーロにとってはネガティブな材料で、市場にとってもセン チメントを改善するような話ではない」

世界的なシステミック(連鎖的)リスクについて:

「ウェーバー独連銀総裁が他国への波及リスクを懸念するコメン トを継続的にしており、欧州中央銀行(ECB)や国際通貨基金(I MF)も同様の認識を共有していると思われ、波及は未然に防がれる 可能性がある。デフォルト(債務不履行)回避の姿勢も明確に示され ており、システミックリスク、ソブリンリスクがグローバルに展開す るような事態は考えにくい」

ギリシャのユーロ離脱について:

「ギリシャをユーロから離脱させることで、現在のユーロ導入国 それぞれに対する悪影響の大きさは認識していると思われ、ユーロ離 脱はないと見ている」

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