高速鉄道を強力にトップセールス-国交相が大型連休中に訪米、訪越

「契約が取れなければ大臣の面子が つぶれるなどの考えに躊躇(ちゅうちょ)せず、優れた日本の技術を 世界に振興する姿勢を貫きたい」-4月末からの大型連休中に訪米す る前原誠司国土交通相は27日、ブルームバーグなど海外メディアのイ ンタビューで、日本の高速鉄道の売り込みに決意を示した。

海外の原子力発電や高速道路など大型事業の受注活動で、ロシア や中国、韓国などに押され気味だった日本勢だが、今回の高速鉄道で は強力に売り込み攻勢をかける。

前原国交相は29日に渡米、さらにベトナムへ転戦、それぞれ2泊 3日の滞在予定。米国では超電導リニアモーターカーと新幹線の「そ れぞれの売り込みが中心になるだろう」と述べた。東海旅客鉄道(J R東海)、東日本旅客鉄道(JR東日本)などの3社首脳を伴い、米政 府首脳などへ日本式の高速鉄道採用を働き掛ける。

オバマ米大統領は昨年、全米31州で総延長1万3700キロメート ルの高速鉄道網構築計画を表明。ドイツ、フランス、カナダ、中国な どが売り込みを活発化させるなか、国土交通省も昨年9月に鉄道国際 戦略総室を設置、まず2010年に入札予定のフロリダ案件とカリフォル ニア案件で日本企業の支援に直接乗り出す方針。

前原国交相はリニアに関して「ボルチモア-ワシントン間が一つ の大きな目玉になるだろうし、新幹線では各州でいろいろな計画があ る」と述べ、「JR東海とJR東日本がすみ分けてそれぞれ売り込みを していくということなので、オールジャパンでしっかりと説明してき たいと思っている」と強調した。

前原国交相はワシントンでラフード米連邦運輸長官や高速鉄道事 業に関する上下両院の有力議員と相次いで会談する。現地では会見な ども予定している。国交相訪米にはJR東海の葛西敬之会長、JR東 日本の清野智社長、車輌メーカーで川崎重工業の大橋忠晴会長が同行。

日本の新幹線の優位性を強調

前原国交相は日本の新幹線の安全性、システム運用の正確性、環 境性能に優れている点などを強調する。ラフード長官には訪日を正式 に招待し、リニアや高速鉄道の試乗を要請する考えも示した。

政府は日本企業の受注支援のため、国際協力銀行が先進国向け投 資金融もできるように制度を改正。前原国交相は「米国州政府の鉄道 事業に融資を付けることが可能となっており、この点もしっかり説明 するつもりだ」という。さらに、川崎重やJR東海の子会社の日本車 輌製造など車輌メーカーの一部はすでに米工場で生産を行っており、 日本勢が受注すれば米経済や雇用や貢献することも説明する。

一方、トヨタ自動車の大規模リコール(無料の回収・修理)など の一連の品質問題についても、前原国交相はラフード長官との会談で 協議するつもりだと言明。前原国交相は「トヨタの問題というものが 日米関係を損なうものになってはいけない」と述べ、「こういったこと をお互い確認し、日米協力関係をさらに進めたいと考えている」など と持論を展開した。

仙谷国家戦略相も訪越

また、訪越について前原国交相は、ハノイ-ホーチミン間をつな ぐ高速鉄道のほか、高速道路、港湾、都市鉄道、空港、宇宙開発セン ターの協力などについて議論するという。ベトナムのグエン・タン・ ズン首相ほか、ボー・ホン・フック計画投資相などと各テーマについ て協議する予定。同時期には仙谷由人国家戦略担当相も訪越の予定。

ベトナム高速鉄道に関し、前原国交相は現時点でまだ「ファイナ ンスの問題がある」と述べながらも、政府開発援助(ODA)活用と いった日本に可能な支援などについて話し合う予定。ベトナム南北を 結ぶ高速鉄道計画は全長1600キロメートル、総事業費が5兆6000億 円を超え、ベトナム側は20年までの開業を希望している。

米国高速鉄道マップ フロリダ高速鉄道マップ

--取材協力:クリス・クーパー Editors:Hideki Asai、Hitoshi Ozawa

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