日本株は全面安、ギリシャ格下げショック-2番目の下げ幅

日本株相場は大幅反落。米格付け 会社がギリシャの長期信用格付けをジャンク級(投機的格付け)に引 き下げたため、欧州財政問題の深刻化が警戒された。対ユーロでの円 高進行もあり、精密機器や電機など欧州売上高比率の高い業種を中心 に売られ、東証1部33業種はすべて安い。

日経平均株価の終値は前日比287円87銭(2.6%)安の1万924 円79銭。2月5日(298円89銭安)に次ぐことし2番目の下げ幅と なった。TOPIXは同19.99ポイント(2%)安の977.64。

ユナイテッド投信投資顧問の井上淳最高投資責任者(CIO)は、 「これまではギリシャの財政問題の相場への影響は限定的という見方 だったが、市場はそこにあぐらをかき過ぎていた」と指摘。ギリシャ の格下げによる影響の度合いを「マーケットは読み切れていない」と 話していた。

この日の日本株相場は取引開始時から売りが優勢となり、日経平 均は一時300円以上下げた。東証1部の売買代金も1兆9307億円と、 前日の1兆6168億円を2割近く上回り、売り圧力の増勢を見せつけた。 きっかけとなったのが、ギリシャの長期信用格付けの引き下げだ。

米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は27 日、ギリシャの長期ソブリン債格付けを「BB+」と、従来の「BB B+」から3段階引き下げた。S&Pでは、同国が債務を再編した場 合、国債保有者への償還は当初投資資金の最低30%にとどまる可能性 がある、と指摘。また、ボルトガルに関しても長期債務格付けを「A -」とこれまでの「A+」から2段階引き下げた。

VIXの急上昇、不安高まり映す

同日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、 ギリシャ国債の保証コストが過去最高を更新。投資家の悲観度を映す シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデッ クス(VIX)は、2008年9月29日以降で最大の上昇を記録した

りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・ストラテ ジストは、「ギリシャの財政問題の連鎖が警戒されている。本当に救済 するのか疑心暗鬼の状態」と指摘。ギリシャ国債を保有している投資 家は多く、「今回の格付け引き下げは、すべて投げ捨てるほどの厳しさ がある」と見る。

投資家のリスク許容度の低下から前日の欧米株式相場は大幅安と なり、米S&P500種株価指数は2.3%安と2月4日以来の最大の下落 率となった。為替市場ではユーロが売られ、東京時間にはユーロ・ド ル相場が一時1ユーロ=1.31ドルと09年4月下旬以来、対円では一 時同122円37銭と3月下旬以来のユーロ安水準を付けた。また、マネ ーは商品市況からも逃げ、27日のニューヨーク原油相場は同2.1%安 と2月以来の大幅安。

投資家のリスク資産圧縮やユーロ安の影響から、日本株相場は収 益懸念の広がった輸出関連株中心に総じて下落。TOPIXの下落寄 与度上位には電機、輸送用機器、化学、機械が並んだ。また東証33 業 種の値下がり率上位は陸運、鉱業、精密、パルプ・紙、情報・通信な ど。陸運は、鉄道利用の減少で10年3月期の連結純利益が前期比36% 減となったJR東日本の急落が影響した。

このほか個別で下落が目立ったのは、JPモルガン証券が投資判 断を引き下げたヤフー、鉄道車両で輸出案件が端境期を迎えることな どから、11年3月期の連結営業利益が前期比33%減の51億円を見込 む日本車両製造など。今期営業減益を計画するアンリツも安い。

好決算銘柄には選別買い

もっとも、国内企業の決算発表が本格化する中、業績面で好材料 を出した銘柄に選別投資する動きは根強く、午後になると株価指数は 下げ渋った。26日に前期(10年3月期)の連結最終利益が従来予想比

2.4 倍になりそうと発表したIHIが続伸。午前の取引終了後に10 年3月期の連結営業利益は従来予想比24%増になったもようと発表 したデンソーが売買を伴って上昇した。

また、工事採算の改善などで、10年3月期の連結最終利益が従来 予想比2.3倍となったもようのライト工業、10年3月期の連結営業利 益が従来予想比33%増の19億円だったもようのクラボウが大幅高。 第1四半期(4-6月)の連結営業利益は、前年同期比で最大4倍を 計画する日本電気硝子も買われた。

新興3市場も軒並み安い

国内の新興3市場も軒並み下げた。ジャスダック指数が前日比

1.2%安の56.40、東証マザーズ指数が同0.8%安の502.35とともに6 日ぶりの反落。大証ヘラクレス指数が同1.4%安の717.35と続落した。

シティグループ証券が投資判断を引き下げたサイバーエージェン トが下げ、企業のIT投資の抑制が続くと見て、11 年3月期の連結営 業利益は前期比7.9%減を見込むインフォコムが大幅安。半面、11年 3月期の連結営業利益は前期比42%増を計画するスタートトゥデイ が大幅続伸し、アプリックス、ジー・モードなども高い。

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