JAXA:「宇宙ヨット」、5月に打ち上げ-世界初の航行実験へ

宇宙航空研究開発機構(JAXA) は、太陽からの光の粒子が反射する力をたこのように薄膜の帆で受け、 燃料を使わずに航行する「宇宙ヨット」を5月に打ち上げる。航行技術 の実験は世界で初めて。

同機構は27日、種子島で5月18日午前に打ち上げ予定のH2Aロ ケットに、国産初の金星探査機「あかつき」とともに「イカロス」を搭 載すると発表した。イカロスはJAXAが15億円を投じ、14メートル 四方の正方形の帆に薄膜太陽電池を貼り付けたたこ状のもの。

都内で会見したJAXA月・惑星探査プログラムグループ・サブチ ームリーダーの津田雄一氏によると、この帆が受ける太陽光圧は0.1グ ラム程度で、秒速約100メートルで宇宙空間を進むことが可能だとい う。

帆は放射線や紫外線に強いポリイミド樹脂でできており、厚さは

0.0075ミリメートルと髪の毛の太さの10分の1程度。膜自体の重さは 15キロ。ポリイミド樹脂は携帯電話やデジタルカメラなどの基盤として 利用されている。

薄膜太陽電池は米パワーフィルム社製で出力500ワット程度。発電 の実証試験も行う予定。将来は、太陽光圧と膜による推進のほか、発電 した電力をイオンエンジンの電源として活用するハイブリッド推進を目 指す考えだ。

津田氏によると、宇宙ヨットでのハイブリッド推進技術の確立は 2020年代前半の実現を目指す木星圏探査を可能にするためのもの。木 星探査機では、すでに米国がプルトニウム電池を電源として利用してい る。木星に向かう時には太陽から離れて行くため、太陽電池の出力も弱 くなる。より大きな面積での発電が必要になることから、帆に太陽電池 を貼り付けることになった。

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